『黒い安息日』 (Black Sabbath) は、イギリスのロックバンド、ブラック・サバスのデビュー・アルバムである。1970年2月13日の金曜日に出され、しばしば初期のヘヴィメタルのアルバムの1つに数えられる1969年8月、それまでアースという名前で活動していたバンドは、1963年に公開されたマリオ・バーヴァ監督・ボリス・カーロフ主演のホラー映画『ブラック・サバス 恐怖!三つの顔』から名前をとって、「ブラック・サバス」と改名した。同じ頃、初期の楽曲を集めたデモテープを制作し、配布した。1969年12月、ブラック・サバスはデビューシングル"Evil Woman"(邦題:『魔女よ、誘惑するなかれ』)を発表。直後にこのアルバムの残り7曲の制作に取りかかる。ギタリストであるトニー・アイオミによれば、「俺たちに与えられた時間は2日だったので、レコーディングに1日を使って、もう1日はミキシングにあてることにした。レコーディングはすべてライヴ。オジーの歌も同時に録ったよ。彼がブースに入ったら録音開始。ほとんど録り直しはなかったね」。また、「スタジオ入りしたらライヴのセットリストをそのまま演奏して終わり。1日っていうのは割りと長いものだと感じたよ。翌日には20ポンドのギャラでスイスでライヴをやることになってたんだ」とも語っている。音楽・歌詞の両面で見ても、このアルバムはダークなアルバムと考えられてきた。Black Sabbathという、アルバムのリードトラックは、「威圧感」や「恐怖感」をあおるための(中世において三全音は「邪悪なもの」を表現するものだと思われていた)エレキギターでゆっくりと奏でられる三全音が基になっている。歌詞における "figure in black"はサタンのことを示していると考えられている。似たようなことに、N.I.B.という歌においても、歌詞がルシファーの視点から書かれている。一般に思われていることとは別に、この歌は"Nativity In Black"の略ではない。トニー・アイオミはいくつかのインタビューの中で、バンドのドラマーであるビル・ワードのペン先のようなヤギひげをネタにしただけだと話している。アルバムにあるほかの2曲の歌詞は、超自然的なテーマを扱ったストーリーになっている。"Behind the Wall of Sleep"はH・P・ラヴクラフトの短編小説のタイトル"Behind the Wall of Sleep"からきており、"The Wizard"は指輪物語のガンダルフからきている 。また、後者においてはバンドのヴォーカリストである、オジー・オズボーンがハーモニカを吹く場面がある。"Warning"と"Evil Woman"は、いずれもブルースの楽曲をカバーしたものであり、歌詞に関連性がある。前者はAynsley Dunbar's Retaliationによって制作・演奏され、後者はクロウ()というアメリカのブルースバンドによって制作・演奏されたものである。ブラック・サバスがこれらの楽曲をカバーした際、より’ヘビー’で即興的なものに近くなった。アルバムはイギリスのチャートで8位を記録、アメリカでは1970年にワーナー・ブラザーズ・レコードからリリースされ、ビルボードで23位を記録し、1年間もチャートに残っては100万枚のセールスを記録した。こういった商業的成功にも関わらず 、Lester Bangsはローリング・ストーンで、「他の音楽の境界線を越えて加速するスピード狂の様にリールするギターとベースの不協和音のジャムで、同一性がまったく見当たらない。」とアルバムを酷評し、ヴィレッジ・ヴォイス誌でもロバート・クリストガウがプラスチックの音盤史上最悪だと酷評した。『ローリング・ストーン』誌が選んだ「オールタイム・グレイテスト・アルバム500」と「オールタイム・ベスト・デビュー・アルバム100」に於いて、それぞれ243位と44位にランクイン。次の楽曲を除く全ての歌詞は、トニー・アイオミ、オジー・オズボーン、ギーザー・バトラー、ビル・ワードによって書かれた。"Wasp"、 "Bassically"、 "A Bit Of Finger" という楽曲は北米版のみ収録。ボーナストラックというよりは、ある歌の一部に名前をつけただけのもので、たとえば"Bassically"は"N.I.B"のベースによるイントロ部分である。もとのイギリス版と2004年のリマスター版を除く全ての版にはタイトルをつけた複数の曲同士がひとつにまとめられることもあった。もとの北米版には著作権の関係で"Evil Woman"のかわりに"Wicked World"が収録されていた。1996年の北米以外のリマスターCDには、"Wicked World"がボーナストラックとして収録されていた。
出典:wikipedia
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