潜宙艦（せんちゅうかん）は、『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』に登場する架空の宇宙戦闘艦。現実世界の潜水艦に相当する艦種。攻撃開始まで敵に探知されないように、特殊な艦体隠蔽能力が付加されており、隠密・奇襲戦法を主体とするが、攻撃方法自体に関しては各国でかなり差異がある。劇中では、主役艦であるヤマトの天敵として登場することが多く、いずれも苦戦を強いらせている。艦体の隠蔽方法は、アニメ版の白色彗星帝国の潜宙艦のみはステルス性によるものだが、それ以外は全て異次元・亜空間への潜航によるものとなっている。『宇宙戦艦ヤマトIII』に登場するガルマン・ガミラス帝国の艦艇。『宇宙戦艦ヤマト2199』に登場する大ガミラス帝星の艦艇。地球側では「潜宙艦」と分類識別されている。『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』及び『宇宙戦艦ヤマト2』に登場する白色彗星帝国の小型戦闘艦。デザイン担当は宮武一貴。『さらば』の台詞では潜空艦と呼ばれ、また『ヤマト2』第7話のサブタイトルでは、潜宙艦と書いてスペース・サブと読み仮名が付けられ、劇中でもそう呼称されていた。艦体の隠蔽方法は資料によって様々であり、「動力として無波動特殊推進機関（特殊無波動エンジン）を搭載しているから」あるいは「船体色を宇宙の闇に同化させ姿を消す」などがある。当時は兵器としてのステルス性能力が研究段階で、用語として一般に全く普及していなかったため、その能力の説明に苦慮した様子がうかがえる。なお、本艦は単に「探知されない」というだけで、他国の潜宙艦のように亜空間断層や異次元空間に潜んでいるわけではなく、通常兵器でも攻撃が可能である。耐久性が低いため、一度発見されると脆いという弱点もある。また、その探知されないという点に関しても、位置が掴めないだけでセンサー類に反応自体はするため、技術力の発達した白色彗星帝国の艦としては意外にも完璧とは言い難い。『宇宙戦艦ヤマトIII』に制作スタッフとして参加した出渕裕は、本艦について「潜宙艦」というからには亜空間にでも潜んでるのかと思ったら単に艦体を黒くしただけでガッカリしたと述懐しており、『ヤマトIII』での次元潜航艇のアイデアは、本艦へのアンチテーゼとして出したものであると語っている。PlayStation用ゲームソフト『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』で登場。『ヤマト2』とは異なり「スペース・サブ」とは呼ばれないが、初登場時のテロップでは「潜宙艦隊」に「スペースサブ・フリート」と読み仮名が付けられている。しかし、台詞ではいずれも「せんちゅうかんたい」と呼ばれている。周囲に亜空間フィールドを張ることで（真田は「ワープに利用される空間歪曲を艦体の遮蔽に応用している」と分析している）、次元潜航艇などと同様に（真田も「次元潜航艇とでも呼ぶべき」と述べている）異次元空間への潜航が可能という設定になっているが、攻撃時には通常空間へ浮上する必要がある。艦艇や艦載機による近接目視（同一ヘクス内でのスタック時）でも発見可能となっている。劇中では子犬座プロキオン宙域において、第11番惑星での雪辱を果たそうとするナスカ提督が率いる「太陽系侵攻前衛艦隊 特殊次元潜航艇師団」（通称「潜宙艦隊」）が登場する。待ち伏せを図るものの、前衛艦が先走って攻撃を仕掛けたことにより存在を認識される。太陽系内での遭遇時では相原が劇中以前にワープ中の友軍艦とタキオン通信による交信を試みた際、ノイズにより会話こそ不可能だったものの交信はできた（通信波がワープ空間まで届いた）という経験を活かし、レーダー波の代わりにタキオン通信波を用いた索敵を行ったため、位置を掴まれて各個撃破されていった。その後も、牡牛座アルデバラン宙域やテレザート星前面、テレザートから帰還時の太陽系内など、ヤマトの行く先々で交戦する。潜宙艦隊の旗艦を務めるゲームオリジナル艦。通常の潜宙艦よりも大型で、上部構造物や艦後部の形状が大きく異なる。塗装は通常の潜宙艦と同様の漆黒。劇中ではプロキオン宙域においてナスカ提督が乗艦する「グラビート」が登場し、ヤマトをソーサナーの重力井戸に落とそうとする。しかし思わぬ反撃で敗色濃厚となり、撤退しようと周辺環境も考慮せず不用意にワープしようとしたため、艦の安定を失ってソーサナーの重力井戸に引きずり込まれながら爆沈する。その後、別の艦がテレザート星前面で第七遊動艦隊の旗艦としても登場するが、プレイ次第では撃沈する前に撤退する。この時点で本艦を撃沈すれば劇場版へ、撃沈しなければTV版へストーリーが分岐するようになっている。終盤のイベントムービーではサーベラーとゲーニッツが都市帝国から逃走する際に使用しているが、デスラーによって捕捉撃沈されている。『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』に登場するSUSの大型戦闘艦。SUS超巨大要塞の内部に隠されていた艦。菱形を重ね合わせたような艦型をしており、各国の潜宙艦の中でもとりわけ巨大である。他国の潜宙艦が潜航する空間は、いわば並行空間のようなものであり、潜航したままのワープが不可能なのに対し、本艦は次元を意のままに操り、潜航してからわずか数秒で異なる位置および方向への浮上が可能である。そのため、その巨体にも拘らず、機動力は各国潜宙艦の中でもかなり高い部類に入り、敵を攻撃して潜航した後、即座に敵の反対側に出現して攻撃を仕掛けるといった戦術もできる。また、潜航した際に発生する電磁波により、敵艦のレーダーを無力化することも可能である。武装は大型の主砲を1門備えており、艦首がクワガタの顎のように左右に展開され、砲門が姿を見せる。その他にも、艦体各所にビーム砲やミサイル発射を多数装備している。また、両舷部分は切り離して独立運用でき、敵艦を両側から挟み込み、表面に無数に備わったビーム砲で攻撃することも可能。なお、次元潜航艇などとは異なり、潜航した状態のまま攻撃は行わず、攻撃のたびに浮上する。そのため、前述の機動力もあり、潜航しているというよりは連続ワープを行っているといった印象を受ける。他のSUSの兵器同様、人工太陽をエネルギー供給源としており、これを破壊されると潜航状態を維持できなくなり、さらに艦体が崩壊を始める。SUS要塞が崩壊した後、要塞跡の空間から出現。ヤマトに対し、一方的に攻撃を仕掛ける。しかし、猛攻の中において、潜宙艦が浮上する直前に太陽の輝きが増したのを古代に発見され、太陽が潜宙艦と連動したエネルギー供給源であることを看破されてしまう。その後、ヤマトの波動砲により人工太陽を破壊され、艦体が崩壊しながら、他の艦艇とともに人工太陽が崩壊した後の次元の裂け目に呑み込まれた。『YAMATO2520』に登場するセイレーン連邦の大型戦闘艦。扁平な形状の艦で、全長はアメシス艦の数倍程ある。艦首が円盤状になっており、その先端にモノポール魚雷の発射管が6門装備されている。発射の際は艦体を発射管がある上半分だけ通常空間に露出するが、魚雷自体は発射された後も異空間に潜航したままである。モノポール魚雷はカプセルのようなものに封入された状態で発射され、発射から少し後にカプセルから放出される。目標への着弾後、内部のエネルギーが黒い球体となって広がり、球体に呑まれた物体を丸ごと消滅させる。モノポール魚雷以外の武装も存在しており、敵艦の至近に出現し多数の小型爆弾を叩きつけるクラスター爆弾のような魚雷もある。通常の魚雷は一度通常空間に出た後、再び異空間に潜航させることも可能で、迎撃しようとした敵を翻弄する。ロココ星域戦においてリキヤード少佐が乗艦。惑星リンボス崩壊の原因を招いた18代YAMATOを始末するべく、出撃する。戦闘開始直前、18代YAMATOへ奇襲を行おうとするが、直前にリンボスの民間人を乗せて地球へ向かおうとするロココ星基地の居住ユニットがワープを行おうとしているのを発見。しかし、「地球」と名の付くもの全てを見逃そうとしないリキヤードの指示により、モノポール魚雷で居住ユニットを破壊。この直後、地球連邦軍艦隊とセイレーン連邦軍艦隊の大規模な交戦が開始される。交戦中は姿を見せずに身を潜めており、戦闘終了後18代YAMATOが孤立した瞬間を狙い、アメシス艦とともに18代YAMATOに攻撃を仕掛ける。18代YAMATOを追い詰めるが、ロココ星に存在していたゴーダ文明の遺跡の次元運河に逃げ込まれ、取り逃がしてしまう。

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