コイルセンターは、主に鉄鋼メーカーで製造された鋼帯(コイル)を加工する、比較的大規模な流通加工業者のこと。鉄鋼以外の他の金属(アルミニウム・銅・チタンなど)でもこうした業者は存在するが、流通量・業者数が鉄鋼に比べて著しく少ないことなどから、通常コイルセンターといえば鉄鋼流通加工業者の一形態を指す。本稿でも特に断りのない限り鉄鋼(特に普通鋼)を前提にした記述を行う。鉄鋼製品のうち、巨大なトイレットペーパー状に巻き取られた鋼帯(通常「コイル」と呼ばれる)の切断加工を行うための、比較的大規模な設備を有した業者を指す。単に加工を行うだけでなく、コイルや加工製品の在庫も行うため、流通業者としての役割も重要である。一定の大きさに切断された鋼板(「シート」と呼ばれる)を専門に加工する業者とは業態が異なり、鉄鋼流通業界の中で重要な地位を占める。コイルセンターは、いくつかの基準で分類することができる。それぞれの特色に応じて、適切なコイルセンターを選択することが、発注側には求められる。コイルセンターが果たしている役割は多岐に渡るが、概ね次のように区分される。コイルセンターには鋼帯を加工するさまざまな設備があり、多様な加工が行われている。それらのうち主要なものについて記述する。コイルセンターの規模や業務形態によっては、一つの事業所にこれら全てが存在しているとは限らない。また、特定の加工に特化した業者も多く、それらは「スリッター業者」「シャーリング業者」などと呼ばれている。なお、ステンレスやチタンといった材料でも、概ね普通鋼と同一のラインで加工が可能(ただし独特な作業ノウハウと工程管理が必要)であるため、コイルセンターの中には普通鋼の他にこうした素材を扱っている業者も存在している。ただし、ステンレス鋼は普通鋼とは異なる流通体系を持っているため、ステンレス鋼専業のコイルセンターが扱う量が圧倒的に多い。コイルセンターで管理される技術管理項目は極めて多岐に渡る。ここでは基本的な事項について紹介する。また、その他の品質を管理する上でのポイントについても、多少言及する。需要家がコイルセンターに新規に注文を出す際は、といった項目について指定するのが一般的。場合によってはバリの最大値・平坦度・直角度などの打ち合わせを行うこともある。表面性状を特に気にする一部の製品(光沢仕上げのステンレス鋼など)では表面の保護フィルム指定や油付着禁止指定といった項目が追加されることがある。また、素材となるコイル調達をコイルセンターに依頼するか、自社で調達してコイルセンターに持ち込むかも、重要な見積もり項目である。例えば、新日本製鐵直系の業者にJFEスチール独自鋼種を注文したり、自動車向け加工専門の業者に建材部品向けの小切断品を注文したりしても、対応できないとして受注を断られることが多い。冒頭で述べたとおり、コイルセンターには業者によって得意とする分野があり、発注側はある程度それを理解した上で注文を依頼するほうが望ましい。もっとも、全くお門違いの引合が寄せられた場合でも、コイルセンターは他の業者を紹介するなどの便宜を図ってくれることが多い。コイルセンターでの作業費用は、概ねといった費目で構成されている。見積もり時にはこうした内容についてよく確認することが必要である。製品の納期については、素材在庫の有無・加工内容とその数量によって大きく変化するため、一概に決められない。一つの目安として、素材在庫がある場合の標準納期は注文受付後1週間前後という業者が多いようである。繁忙期には3週間近く待たされることも珍しくない。従来から紐付きユーザーとして継続して取引している場合には、条件が揃えば2-3日での短納期対応が可能なこともある。なお、コイルセンターに素材在庫がない場合は、鉄鋼メーカーにコイル発注をする必要があるため、相当の時間がかかる。一般の市民がコイルセンターに直接注文を出すことは、製造ロットがあわず、まずありえない。鋼材が必要な場合は、市中の板金業者やホームセンター等での小口加工を利用するのが、ごく一般的。調達できる鋼種や寸法(板厚)はかなり限定されるが、市民の通常の鋼材使用にあたっては、これで大半が事足りる。どうしても特殊な製品が必要な場合は、板金業者経由でコイルセンターに注文を出すことになるが、ロットの都合上相当割高になる上、納期がかなりかかることを考慮する必要がある。
出典:wikipedia
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