世界平和度指数(せかいへいわどしすう、英:Global Peace Index)は、イギリスのエコノミスト紙が24項目にわたって144カ国を対象に分析し、各国や地域がどれくらい平和かを相対的に数値化することを試みたものである。データはイギリスのが考案し、国際平和パネル討論会のエキスパート、平和研究所、シンクタンクなどが作成し、イギリスのエコノミスト・インテリジェンス・ユニットがデータを調整したものである。このリストは2007年5月から提供されており、2008年5月、2009年6月2日、2010年6月10日に更新されている。発表者らは、世界の国と地域の平和度ランキングとしては初めてのものと説明している。調査対象国は2007年には121、2010年は149である。元々はオーストラリアの企業家の発案であり、多くの著名人の支持を受けている。情報は、内的状況(暴力、犯罪)、外的状況(軍事費、戦争)に分けられる。この平和度指数を世界治安ランキングと勘違いしている人も多いが、そうではない。実際に、TOP10に入っている国はアイルランドを除いて犯罪発生率が日本よりかなり高い。逆に、中東の産油国のなかには治安維持に力を入れている国も多く、犯罪発生率が日本と同じ程度かサウジアラビアのように低い国も存在するが、潜在的テロの危険性や周辺国の緊張、人権等の問題から大きくポイントを落としている。調査チームは、イギリスのエコノミスト・インテリジェンス・ユニットを主体に、平和研究に取り組む大学研究者や専門家によって編成されている。エコノミスト・インテリジェンス・ユニットは、経済紙エコノミストと同様、エコノミストグループの一部門である。平和度の評価は、23項目(当初は24項目)の指標から決められている。具体的な指標を下記の表に示す。表中、EIUはエコノミスト・インテリジェンス・ユニットの情報、UCDP (Uppsala Conflict Data Program) とは、スウェーデンのウプサラ大学が開発した評価法、UNSCT (Survey of Criminal Trends and Operations of Criminal Justice Systems) とは国連の犯罪・裁判状況調査、ICPS (International Center for Prison Studies) とはロンドン大学キングス・カレッジ・ロンドンの刑務所研究所の調査、IISSは国際戦略研究所出版の"The Military Balance 2007"、SIPRIとはストックホルム国際平和研究所の兵力輸送データベース、BICCとはによる情報である。数値データは、次の数式で5段階評価に変換する。ある指標について、その国(地域)の点数がx、リスト中の最小値がMin(x)、最大値がMax(x)だった場合、評価ポイントを、で計算する。評価ポイントは0~1のいずれかになるので、これを5段階に変換する。それぞれの指標は同価値ではなく、調査チームが重要度を判定して重みが付けられている。さらに、内的状況には0.6、外的状況には0.4を掛けた後、総合点を算出している。世界平和度指数には次のような傾向がある:評価チームは統計分析の手法を用いて、世界平和度指数と相関が低い項目も見つけている。すなわち、政府の機能性、住んでいる人種の数、外国人への敵意、宗教の生活への密着度、1人あたりのGDPなどは、世界平和度指数との相関が小さい。なお、十分なデータが集められなかった国は、評価から除かれている。例えば2007年のランキングには、ベラルーシ、アイスランド、多くのアフリカの国、モンゴル、北朝鮮、アフガニスタンが入っていない。経済紙エコノミストは、この指標に対して批判が出ていることを認めている。特に、軍事費が突出している国に対しての評価が辛い点について、「外国(特にアメリカ)から軍事的庇護を受けている国に有利でありすぎる」との批判が出ていることがエコノミスト紙上で公表されている。その上で、この指標の意義は、国と国とを比較することにあるのではなく、ある特定の国の平和さが年とともに向上しているかそれとも低下しているかを見出すことにあると述べられている。また、世界平和度指数に、女性や子供に対する暴力行為の評価が含まれていないとの批判もある。アメリカの社会学者リーン・アイスラーは、日刊紙クリスチャン・サイエンス・モニターに寄稿し、「控えめに言ったとしても、重要な評価項目が含まれていないこの指標は非常に不正確である」と述べている。例えば中の上ぐらいに評価されているエジプトについて「女性の90%が女性器切除を受けている」、同じく中国について「ユニセフの2000年の調査によると、26%の女性が交際相手からDVを受けている。また、ヨーロッパの深刻なDVも考慮されていない」として、このランキングには問題があると述べている。一方でこの指標は、チベット仏教の指導者ダライ・ラマ14世や、南アフリカの大司教デズモンド・ムピロ・ツツ、バングラデシュの経済学者ムハマド・ユヌス、アイルランドの元大統領メアリー・ロビンソン、アメリカの元大統領ジミー・カーターなど、各国の著名人から支持を受けている。この指標の発案者であるオーストラリアの企業家で慈善家のは「この指標は、地球上のあらゆる指導者を目覚めさせる役割を果たすであろう」と述べている。平和な国ほど「得点」が小さい上位20%は緑、下位20%は赤で示している。
出典:wikipedia
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