初等数学あるいは算術において、整数 "n" の約数（やくすう、）あるいは因数（いんすう）、因子（いんし、）とは、"n" を割り切る整数の総称である。（ただし、"n" = 0 の場合だけ 0 を約数に含めることがある。）整数 "n" が整数 "m" の約数であることを、記号 | を用いて "n" | "m" と表す。自然数あるいは正の整数のみを対象として考えている文脈においては、単に「約数」というとき、それは往々にして「正の約数」を意味する。50 の正の約数は 1, 2, 5, 10, 25, 50 の 6 個である。実際にと 50 を割り切る全ての数である。自然数 "n" の正の約数の総和を、約数関数 σ("n") で表す。"n" が "n" = "p"（"p" は素数）と表されるとき、σ("n") の値は以下の式で求められる。また、"n" を素因数分解したものがであるとき、となる。例．"n" = 50 としその約数の和を "N" とすると例．約数の和が "n" = 60 になる数 24, 38, 59 を求めるには自然数 "n" の全ての正の約数の個数を "d" ("n") で表す。"n" の素因数分解がであるとき、"d" ("n") は以下の式で求められる。これは、約数の素因数 "p" の指数の場合の数（0 ~ "a" の "a" + 1 個）を、1 ≤ "k" ≤ "m" について考えればよい。例えば、50 は素因数分解すると 2 × 5 であり、正の約数はの (1 + 1) × (2 + 1) = 2 × 3 = 6（個）であると分かる。"n" の約数は のように素因数分解したとすればを展開したときの各々の項で与えられるが、この項の総数が約数の個数となっているとも解釈できる。当然 1 と "n" も約数に含む。正の約数の個数が奇数であるのは平方数に限られる。約数の概念は、除法の原理の成立する整域（ユークリッド整域）や一意分解整域、例えば体上の一変数多項式環 "K"["x"] などに対して一般化される。すなわち、任意の元 "f" に対し、"f" を余りなく割り切る元を "f" の約元 (divisor) あるいは因子 (factor) という。"f" が真の約元を持たないとき "f" を既約元という（素因子あるいは既約因子ともいう）。ユークリッド整域では単元（unit, 可逆元 invertible element）倍の違いを除いて素因数分解の一意性が成り立つ。素因数分解の一意性を要求しないならば、さらに一般の整域 "R" に対しても、単項イデアルの包含関係により約数の概念を拡張することができる。すなわち、"a

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