原始中飛車(げんしなかびしゃ)は、将棋の戦法。中飛車の一種。将棋初心者が、単純棒銀とともに良く採る戦法である。初手から▲5六歩や▲5八飛として中央に戦力を集め、中央突破を狙う。一般に玉をほとんど囲わず、居玉のまま戦うことが多い。さらに初心者の場合、金・銀もほとんど動かさずに、飛車・角・桂だけで攻めようとするケースも多い。相手が陣形を整えないうちに中央突破が決まれば必勝であるが、たいていは出足を止められて劣勢になる(受け方の定跡は確立している)。このため、プロ棋士同士の対局で出現することは皆無に近く、アマチュアでも有段者が指すことは極めて少ない戦法である。ただし、第十八期A級順位戦(昭和38年)にて、升田幸三九段(当時)はこの戦法を用い、定跡で中飛車劣勢とされている局面から新手を放って勝利しており、数少ないプロ公式戦での実戦例となっている。しかしこの手順はその後プロ公式戦では登場していない模様で、升田の棋譜を発掘した真部一男は「その後この手を用いた棋士が居ないのはなぜか?」と首をひねっている。後手が原始中飛車で、下図から△5五歩▲同歩△同銀と仕掛ける。これに対して先手は▲2四歩△同歩▲2五歩と継ぎ歩の反撃に出るのが好手。以下△2五同歩▲同飛△3四歩▲2四歩で先手優位。先述のように、有段者以上との対局では、有用な戦法とはいえない。一方で将棋ソフトは定跡形の将棋では強くても、このようなイレギュラーな戦法への対処がしにくいケースが多い(奇襲戦法が組み込まれているソフトはきわめて少ない)ため、思わぬ勝利を得られることもある。
出典:wikipedia
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