スパルヴィエロ()は、イタリア王立海軍の航空母艦である。本艦の前身となる客船「アウグストゥス()」として建造され、1926年12月に進水し、1927年11月からイタリアから南アメリカの航路で就役していた。しかし、1930年代後半からイタリア海軍に売却されてジェノヴァ海軍造船所でオーバーホールと改装して航空母艦とする計画は1936年に立案されたものの当時は実施されず、1942年になって初めて工事が進行した。当初は艦名「ファルコ()」と予定されていたが、次いで「スパルヴィエロ」と改名された。同時期に客船から航空母艦へと改装されていた「アキラ」が船体形状その物を改変して正規空母と見紛う大改装を行っていたのと本艦は異なり、改装の規模は客船時代の構造を残す小改装であった。改装の内容は、客船としての上部構造物の撤去に始まり、208mの全長で長さ140mの格納庫を設け、最前部には艦橋を配置していた。格納庫には34機の戦闘機か16機の戦闘機と9機の爆撃機もしくは雷撃機を搭載する計画であった。格納庫の上部がそのまま飛行甲板となり、艦載機は飛行甲板の前後の2か所に設けられたエレベーターで運用された。このエレベータは少しでも発艦スペースを増やすために飛行機の形に合わせて十字架型をしていた。飛行甲板前部から艦首までの約46mの長さで幅は狭い5mと言う発艦甲板が艦首甲板上に設けられており、合計で約183mの飛行甲板長となる計算であった。機関はアキラのように換装せず、客船時代のサヴォイア・MAN式ディーゼル機関8基4軸推進のままとされ最大速力は20.0ノットと低速であった。主機関がディーゼルであったために排煙は蒸気機関よりも単純でよく、煙路は船体中央で左右に分かれ、飛行甲板直下の細身の排気管から両舷部に排出された。船体水面下には機関を防御するために機関区の長さいっぱいにバルジが装着された。武装は15.2cm速射砲6基、10.2cm速射砲を4基、機銃少数と言う物であったが、建造途中に13.5cm両用砲8基、6.5cm高角砲12基、2cm機銃多数へと大幅に対空火力が強化された。1942年9月よりジェノヴァのアンサルド造船所で改装を開始したが、上部構造物を撤去した程度で進捗せず、完成前にドイツによって接収され、1944年10月5日にジェノヴァ港の閉塞船として沈められた。第二次世界大戦終結後の1947年に浮揚され、1951年除籍。
出典:wikipedia
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