遠山郷(とおやまごう)は長野県の南端近く、天竜川の支流遠山川に沿って広がる山深い谷間の地域をいう。行政区画上は、飯田市南信濃・飯田市上村(旧下伊那郡南信濃村・下伊那郡上村)に位置する。日本の秘境100選のひとつに数えられている。信州の奥座敷とも言われ、古くから愛知・静岡の三遠地域と深く交流を行ってきた土地である。毎年12月には、多くの神社で寄進奉納のために舞や祈祷を夜通し催す伝統の「霜月まつり」が行われる。主な産業は、傾斜の強い山肌と独特の気候風土を活かした「赤石銘茶」や蕎麦の生産と、狩猟による山肉(熊肉・猪肉・鹿肉)加工、藤つるなどによる籠細工であり、近年は三遠南信自動車道の整備にあわせて観光にも力を入れている。遠山郷を貫く国道152号はかつては狭隘区間が多い「酷道」であったが、三遠南信自動車道の「現道活用区間」として2車線の道路が整備され、2015年10月までに北端の上村程野(矢筈トンネルで伊那谷に接続する)から南端の南信濃和田までの区間において全区間が2車線となった。800年の伝統をもつ祭で、湯を煮えたぎらせた釜の周りを神様や農民などを模した面(オモテ)と呼ばれる仮面をつけた被り手たちが舞い踊りつつ、釜湯かけを行う祭りである。1979年(昭和54年)2月3日に、遠山の霜月祭の指定名称で国の重要無形民俗文化財に指定された。三河・信濃・遠江地方の山境に分布伝承されてきた湯立を中心とする霜月神楽の一典型で、遠山郷にあるいくつかの集落において、12月上旬から日を違えて行なわれる。遠山郷では面(オモテ)の種類や舞の動き、囃子の仕方に地域ごとの違いがあり、大別して上町系・下栗系・木沢系・和田系の4つに分けられる。下栗の伝承では、元和年間に、悪政に苦しめられた領民が一揆を起こし、参勤交代帰りの遠山領主を大河原峠で殺し、家族や家臣をも殺したところ、翌年から飢饉と悪病が続いたため、遠山氏一族を神として祀り、その死霊祭として始めたのが祭りの起こりとしている。また「神様にお湯を差し上げる」「神様に湯を浴びていただきその穢れを祓い、清らかな魂を得て生まれ変わっていただく」という「神様の湯治場」を表した独特のスタイルから宮崎駿監督に大きな影響を与えた祭でもあり、映画「千と千尋の神隠し」の製作の原点ともなった。またドキュメンタリー映画作家の野田真吉の代表作『冬の夜の神々の宴 遠山の霜月祭』(1970年)の題材ともなっている。遠山郷には15社の神社があり、その内の12社が八幡社である。ほとんどが鎌倉鶴岡正八幡宮を分霊したもので、室町中期から江戸時代に創建された。飯田市内や下伊那郡など飯伊地域には類を見ない天然泉で、源泉温度43.1度のアルカリ性等張性高温泉(ナトリウム・カルシウム 高濃度塩化物温泉)。源泉は遠山郷霜月温泉源泉で、特有の硫黄臭と塩味があり、浴用は慢性皮膚病・慢性婦人病・きりきず・やけどなどに効果があり、飲用にあっては痛風・糖尿病・慢性便秘などに効果を示す。入浴施設としては、「道の駅遠山郷 かぐらの湯」、「いろりの宿 島畑(しまばた)」がある。かぐらの湯を運営する飯田市南信濃振興公社は、2011年11月から温泉水を用いたトラフグの養殖を開始した。これは2008年から温泉トラフグの養殖を成功させている栃木県那珂川町の企業・夢創造と提携し、その指導を仰いで過疎地域の産業振興に生かそうという試みであり、那珂川町の温泉水同様の塩化物泉である遠山郷の温泉水はトラフグの養殖に適しており、かつ温泉の塩分濃度が海水より低い0.73%はトラフグの生育にストレスを与えず、毒を生成しないという利点を持つ。2012年からは不定期に試食会も行われ、2014年からは毎月1回試食会が開催されている。この試食会は多くの意見を養殖に生かすためであり、予約を行えば一般人でも出席可能となっている。アルプス展望台として日本アルプスの主要山岳が見渡せる標高1918mのリゾート地。宿泊施設、オートキャンプ場、ハイキングコースなどが整備されている。しらびそ高原の宿泊施設で、軽食コーナー・大浴場(日帰り入浴可)・おみやげ売店・オートキャンプ場を兼ね備えている。宿泊の収容可能人員は88名で和室が22室、洋室が2室。夏場の観光時期には多数のライダーや家族連れでにぎわう。なお、高原へ通じる道路が積雪のため冬期閉鎖になるので、11月中旬から4月中旬は冬期休業している。全長14kmの林道で、しらびそ高原から下栗の里へのドライブコース。南アルプスの展望が随所で見られるほか、直径900mの日本初の隕石孔である「御池山隕石クレーター」内を通るという特異なルートである。なお、11月下旬から4月中旬まで積雪のため冬期閉鎖される。南アルプスの聖岳と対峙する標高1000mの尾根、傾斜約30度の南東斜面にへばりつくように民家や耕地が点在する山村で、「日本の原風景が残る山の里」として、「日本のチロル」と呼ばれる。集落の戸数は約60戸で150人余りの人々が農業や林業などを営んでいる。2009年(平成21年)秋に下栗の里が眺望できる天空の里ビューポイント(おおぎびら展望台)への遊歩道が開設された。主な産物は「下栗いも(二度イモ)」と呼ばれる特産のジャガイモと、蕎麦、小黍、粟などの雑穀類である。観光施設として、地元女性グループ経営のそば処「はんば亭」や農産物直売所、家具・木製品の制作販売を行っている手仕事工房「山のみのりや」があり、宿泊施設も「高原ロッジ下栗」をはじめ、民宿「みやした」、民宿「ひなた」と充実している。羊毛業のための綿羊飼育が羊毛需要の低下から食肉加工へと変化した結果、生まれたのが「遠山ジンギス」である。このジンギスカンは独特のタレに羊肉を漬け込んだもので、深いコクとまろやかな味が特徴である。遠山郷には狩猟と山肉加工を代々続けてきた老舗、南信濃地区に「肉のスズキヤ」と「星野屋」、上村地区に「清水屋」という肉屋がある。現在では羊肉だけでなく豚肉や鶏肉も使い、それぞれ「ぶたジン」「とりジン」の名称で販売されている。
出典:wikipedia
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