（）は、が年に発表したパーソナルコンピュータ(PC)である。IBMが最初に発売したPCであり、互換機の元祖でもある。正式名称は「」で、略称が「」である。ただし「」という略称は、この「初代」に加え、後継モデルのやなど、更にはこれらをベースとしたコンピュータ・アーキテクチャや、それに準拠した各社の互換機（互換機）の総称としても使われ続けている。この場合は、現在はアップルのとの対比として、年代までの日本では日本電気のシリーズなどの「国産独自仕様パソコン」との対比として、使われる場合が多い。逆にIBM製のパーソナルコンピュータでも、基本仕様が異なっていて本機と互換性のないものは「」とは呼ばれない。周辺機器やソフトウェアに、対応機種の欄に「互換」と書かれたものが多いが、これも上記の「互換機」を指したものである。「」として有名なIBMパーソナルコンピュータは、互換機のオリジナルであり元祖である。IBMのモデルナンバーは5150。1981年月日に発表された。フロリダ州ボカラトンにあるIBMエントリーシステム部門のドン・エストリッジの指揮によるエンジニアとデザイナで構成されたチームによって開発された。「パーソナルコンピュータ」という用語は1981年の時点ですでに一般的に普及しており、ゼロックスパロアルト研究所のの特徴を示すため年頃という早い時期に使われていた。しかしながらの成功により、互換機を指す一般的な用語となった。年第2四半期に、IBMはPC事業をレノボに売却した。これはその後のIBMのビジネスの中核が、サーバとメインフレームや関連サービスに移ったことを物語っている。オリジナルのPCは、とマシンで独占されていたホームコンピュータ市場への参入を企図したIBMの、最初の製品として誕生した。これ以前のIBMは、とそれに続く2機種を設計・販売していたが、ホームコンピュータに競合する製品ではなかった。改めて製品を開発するうえで従来の開発手順をとらず、敢えて会社の慣習的開発手法に囚われることなく、市場からパーツ（、メモリなどのハードウェア部品や、などのソフトウェア）を短期に調達することを認められた特別チームを編成した。このプロジェクトには、「チェス」という開発コードネームが与えられた。このチームはドン・エストリッジをリーダーとするわずか12人のメンバーで構成されていた。彼らは与えられた約1年の制約の中でパーソナルコンピュータ(PC)の開発に成功した。僅かな期間で製品を仕上げるために、彼らはまず、様々な国や企業から「既製品」のパーツを集めてマシンを構築することにした（OEM戦略）。IBMは自社開発するところは先にコンポーネントを開発していた。次に、他社が周辺機器や互換ソフトを製造販売できるように、オープンアーキテクチャとすることを決定。 のソースコードを公開した。ソースコードが著作権で保護されることもあり、合法的に「クローン」を作り上げる方法が見つけ出されることは考えられていなかった。このときドン・エストリッジと彼のチームは、プロセッサを採用し、ニューヨークのヨークタウンハイツにあるIBMの研究所で開発されたを使うことを考えていた（801はジョン・コックによって設計された初期のマイコンだった）。801はより少なくとも一桁はパワフルであり、は最終的に選択したマイクロソフトのより何年も進んでいた。最終的にはこのソリューションは採用されず、結果的に開発期間を短縮しスケジュールの遅延を防ぐことができた。出来上がった製品に5150という番号は付けられたが、5100～5120のシリーズとの共通点は全くない。競合他社はまもなく機能的に等価なコピーを合法的に生産するためリバースエンジニアリングを行い、権利侵害を避けるためののクリーンルーム設計に着手した。コロンビア・データ・プロダクツは最初の互換機を年に発表した。コンパックは最初の互換のポータブルマシンを1982年11月に発表した（年3月まで出荷されなかった）。が商業的に成功すると、PCはIBMのいつものクローズドなライセンス形態に戻されたが、結果的には競合他社が市場をリードすることの邪魔にはならなかった。この点について、IBMが彼らのプロダクトラインを「合理化（高価格モデルとの「競合」を防ぐために低価格モデルのパフォーマンスを意図的に制限）」するという慣例は逆効果であった。シアーズ・ローバックとの経営者は当初よりIBMのチームと関与していた。IBMの社員、特にセールス&マーケティングの担当者である H・L・スパークスは、市場についての知識の多くを彼らに頼っていた。彼らは流れとしてはほぼ自動的に新商品の主要販売元となるはずだった。シアーズローバックはできる限りの総合施設を準備しており、そしてコンピュータランドがすでに190以上の店舗を所有していたことは特に重要だった。IBMとしてみれば発表と同時に全米中で十分販売できるということだった。結果的には、家庭市場よりも（元々からターゲットとされていた）オフィス市場に対して販売される結果となり、シアーズ・ローバックは失敗に終わった。IBM全体のビジネスは次第にかつてない量の非常に安価な「箱」を販売する企業へと発展していったため、IBMの製品を販売する外部組織（IBM用語で「サードパーティー」）の使い道はPCだけにとどまらなかった。「小売業者」にローエンドのビジネスを委託することだけが、こうした新しい顧客を大量に取り扱う唯一の方法であるとIBMは当時考えていた。これは過去に食料雑貨店から自動車メーカーまで数多くの企業が採用し成功していたアプローチだった。このような他業種の戦略は膨大な末端消費者を対象としているためPCには適切とはいえなかったが、年代の終わりには多くのPCが車やテレビさえよりも広く世界中に売られることになった。IBMの第一世代パーソナルコンピュータ(PC)には、オリジナルのの他に、、、IBM Convertible、、などがある。第2世代は、 ()シリーズの下位モデルである、、として知られている。各シリーズはのクロック周波数によって区別される。一般的にIBMパーソナルコンピュータはソフトウェアの互換性があるが、全てのプログラムが全てのマシンで動作するわけではない。一部のプログラムは特定の処理速度に依存している。また古いプログラムは新しいハイレゾディスプレイ規格を利用しないだろう。のメイン基板をマザーボードという。とメモリを搭載し、拡張カードのためのスロットがあるバスを持つ。オリジナルのPCで使われたバスはとても広く普及し、後にと名づけられた。今日でも工業用途として使われている。後になってさらに高速・高機能なものが要求され、ニューバージョンの開発を強いられた。IBMはの製品ラインナップにバスを導入した。ローカルバスはより高速な32ビットカードを最大3本まで搭載でき、アーキテクチャは32ビットカードスロットと下位互換性のある標準規格として開発されたが、ハイエンドのサーバシステムでしか売れなかった。ローコストでより一般的なバスが年に導入され、現在広く普及している。マザーボードはハードディスクやフロッピーやドライブのような内部記憶装置とケーブルで接続されている。これらは3 1/2インチ (3.5) や51/4インチ (5.25) といった標準サイズで作られる傾向があり、標準の位置にねじ穴がある。ケースはまたはの規格サイズの電源 () を搭載する。8086や8088ベースのPCは1MB以上のメモリで動作するためにボードが必要だ。オリジナルのは最大16MBのメモリをアクセスできる80286を採用した(標準のアプリケーションでは拡張APIを使わない限り1MB以上のメモリにアクセスできないが)。で動く80286ベースのコンピュータは最大メモリで動作できる。1981年のに付属したオリジナルのキーボードは元々、開発中止となった$10,000のIBMコンピューターシステムのためにノースカロライナで開発された、当時最も頑丈で高品質なキーボードであった。各キーは1億回以上のキーストロークに耐える信頼性があった。当時の他のパソコンのキーボードと比較して、のキーボードはロールス・ロイスであり、高品質であるというイメージを確立する重要な役割を担った。1981年秋の誌においてはを購入する理由の50%はキーボードにあると書かれていた。キーボードの重要性は、（廉価にデザインされたキーボードを持っているということが主な理由となって顧客に貧相なイメージを与えた）の失敗により、後に確かなものとなった。1981年初期にはでも安価なキーボードの採用が真剣に検討されたが、しかしこの間違いはあるオリジナルの開発エンジニアのアドバイスにより避けられた。オリジナルのキーボードはリターンキーと左のシフトキーが標準的な位置にないところが批判された。1984年にIBMはキーボードでこれを直したが、バックスペースキーが短くなって遠くなった。年に全てのファンクションキーとキーが再配置された拡張キーボードが導入された。キーもキーボードの反対側に移動した。互換機は、例えばシフト済みカーソルキーのように、本当ののキー配列を完全に再現していることを指しているわけでは無い。しかも一部の「互換機」メーカーはキーボードの交換を防ぐため、専用のキーボードインターフェイスを使うことがある。オリジナルの IBM PC の使う文字コードは7ビットの アルファベットを基としているが、非標準の文字コードを加えた8ビットに拡張している。この文字コードは一部の国際的なアプリケーションに適さず、まもなく様々な中小企業がオリジナル文字コードの様々な国際版を提供した。IBMの慣例によりこれらはコードページと呼ばれた。これらの文字コードは現在では淘汰され、ISO 8859-1、-1251、 といった公式に規格を定められた文字コード体系により置き換えられた。以下は のオリジナルの文字コードである。本トピックの詳細についてはコードページ437参照公式にはの標準記憶媒体はカセットテープである。このテクノロジーは1981年の基準でも既に時代遅れであり、あまり利用されることは無く、フロッピーディスクドライブがインストールされないほとんどのは在庫となった。1981年のPCは1～2台の160KBの51/4インチ片面倍密度(1)フロッピーディスクドライブを搭載し、は通常1台の両面360KBドライブを(ハードディスクの隣に)搭載した。はハードディスクが最初に内蔵されただった。大容量のハードディスクがIBM互換機でもまもなく利用可能となった。プリインストールされているハードディスクコントローラと互換性のないハードディスクを追加する場合は新しいコントローラーボードを接続しなければならなかった。一部のディスクは1枚の拡張ボードにコントローラーと共に統合され、これは一般に「ハードカード」と呼ばれた。1984年、IBMは1.2MBの両面フロッピーディスク(2)をに採用した。バックアップストレージとしてよく利用されるが、高密度フロッピーは互換性の問題によりあまり使われなかった。1986年、IBMは720KB倍密度(2)3 1/2インチマイクロフロッピーディスクを互換ラップトップコンピューターに搭載した。これはに1.44MBの高密度版(2)として搭載された。これらのディスクは既存の旧型PCにも搭載可能だった。年にIBMは、2.88MBの「」ディスケットドライブをハイエンドモデルに搭載したが、これはすぐに失敗し、今日では忘れ去られている（ただしディスクフォーマットユーティリティの「サイズ」の選択肢として生き残っている）。全てのは比較的小さなソフトをに搭載している。オリジナルのは40KBのを搭載し、起動時自己診断機能()と機能に8KBが割り当てられていることに加えて、32KBの（カセットベーシック）が収められている。の起動ディスクがない場合はインタプリタがデフォルトのユーザーインターフェースとなった。はフロッピーディスクで提供され、の制御下でを動かす手段を提供した。シリーズの一覧は、#モデルを参照。本記事はライセンスであるの内容に基づいている。

出典:wikipedia