永山 一夫（ながやま かずお、1935年1月28日 - 1971年10月以降消息不明）は、在日朝鮮人の元俳優、元声優。朝鮮名はコン・ヒョンスン（権 秉純）。出生から芸能界デビューに至る経緯はほとんど不明である。子供向け番組『ブーフーウー』（1960年 - 1967年、NHK）のおおかみ役の声優を担当し一躍有名になった。番組の中では、「おれはいじわる　おおかみだ」、「おつきさまは　あおいよ」などの挿入歌を独唱。他の出演者との合唱曲も含めて、それらの音源は今もCDとして残されており入手可能となっている。『鉄人28号』（テレビアニメ第1作、1963年 - 1966年）、『遊星少年パピイ』（1965年 - 1966年）などアニメの声優としても活躍し、NHK『おかあさんといっしょ』の枠でも、1967年4月からの『ダットくん』ではおおかみ役を卒業するも、『とんでけブッチー』（1971年4月から）では再び『ブーフーウー』のおおかみの声を演じている。一方、1960年代後半からは映画『日本暗黒史』シリーズ、『昭和残侠伝』シリーズ、テレビドラマ『ザ・ガードマン』などに出演、主に悪役を演じた。1971年10月24日、在日朝鮮人の帰還事業により、新潟港から万景峰号で北朝鮮に渡る。北朝鮮に帰還して以降の消息は明らかになっていないが、専門家は、北朝鮮帰国後に永山が何かの理由で死亡したか、生存しているにしても厳しい生活に直面している可能性を指摘している。デビュー時からNHKテレビなどで親交のあった黒柳徹子は、永山の安否情報をいまでも収集していることを、自分の番組で話している。

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