ヴィッカース () は、イギリスで1828年から1999年まで（名称は2003年まで、傍流は2004年まで）存続した、重工業メーカーである。1828年、粉屋のエドワード・ヴィッカース () とその義父ジョージ・ネイラー () が、ネイラー・ヴィッカース＆カンパニー () を創業した。1867年、会社は株式会社化し、ヴィッカース・サンズ&カンパニー() となった。1897年、造船会社バロー・シッピング () とその子会社のマキシム・ノーデンフェルト () を買収・吸収合併し、ヴィッカース・サンズ&マキシム () となった。1911年、会社はヴィッカース・リミテッド () と名を変えた。航空機部門を設立し、航空機製造に乗り出した。1919年、重電会社のブリティッシュ・ウェスチングハウス () を買収し、メトロポリタン・ヴィッカース () とした。1927年、アームストロング・ホイットワース () と合併し、ヴィッカース・アームストロング・リミテッド () となった。1928年、航空機メーカーのスーパーマリン () を買収し傘下とした。1960年、イギリス政府の政策により、航空機部門が他の数社と合併し、ブリティッシュ・エアクラフト・コーポレーション (BAC) となった。1963年にはスーパーマリンが操業を終え、1965年にはヴィッカースは航空機産業から撤退した。1977年、造船部門と製鉄部門が国有化され、ヴィッカース・アームストロングはヴィッカースplc () と社名を変えた。造船部門の子会社ヴィッカース造船技術社 (; VSEL) が、 により国有化された。VSELはその後も社名を保っていたが、1995年にゼネラル・エレクトリック・カンパニー (; GEC) が買収し、マルコーニ電子システム (; MES) の一部となった。製鉄部門は、国有化されてブリティッシュ・スチール () の一部となった。1986年、銃器メーカーのロイヤル・オードナンス・ファクトリー (; ROF) を買収し、ヴィッカース・ディフェンス・システムズ () とした。1999年、ヴィッカースはロールス・ロイス・ホールディングス に買収された。2002年、ヴィッカースの兵器部門がアルヴィス plc に売却され、アルヴィス・ヴィッカース () となった。2003年、ロールス・ロイス傘下のヴィッカース plc はヴィンターズ plc () に名を変えた。子会社も同様である。これにより、ロールス・ロイス・グループからヴィッカースの名は消えたが、アルヴィス・ヴィッカースにはまだ名を残していた。2004年、アルヴィス・ヴィッカースがアルヴィスごとジェネラル・ダイナミクスに買収され、さらにBAEシステムズに買収された。同年、BAEシステムズは子会社 とアルヴィス・ヴィッカースを合併させ新会社BAEシステムズ・ランド・システムズ (; BAE LS) を設立した。これにより、ヴィッカースの名は完全に消滅した。1963年から、ロンドン ウェストミンスター ミルバンクに建設した「ヴィッカース・タワー」() に本社を置いていた。このビルは現在は「ミルバンク・タワー」() と呼ばれている。高さ118メートルの32階建てで、1967年にポスト・オフィス・タワー（現 BTタワー）に記録を破られるまではイギリスで最も高いビルだった。

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