自殺(じさつ)とは、自分で自分を殺すこと。自害、自死、自決、自尽、自裁などとも言い、状況や方法で表現を使い分ける場合がある。疾病や人間関係など解決困難な問題から逃れるために自殺したい状態を自殺願望、具体的な理由はないが漠然と死にたいと思う状態をと使い分けることがある。WHOは、世界では毎年約80万人が自殺しており、世界の自殺の75%は低中所得国で起こり、自殺は各国において死因の10位以内に入り、特に15〜29歳の年代では2位になっている(2012年)と報告している。自殺は様々な事情が複雑に絡み合って生じる場合が多い。高所得国における主な理由は精神疾患(特にうつ病とアルコール乱用)であり、ほか金銭的問題、人間関係の破綻、慢性痛や病気などがある。WHOは「自殺は、そのほとんどが防ぐことのできる社会的な問題。適切な防止策を打てば自殺が防止できる」としている。そのうえでWHOは、一人一人のこの上なく尊い生命を守るため、本格的な予防戦略である世界自殺予防戦略(SUPRE)を実施している。このようなWHOに準ずる形で、各国で行政・公的機関・NPO・有志の方々による多種多様な自殺予防活動が行われている。日本では『支援情報検索サイト』『いきる・ささえる相談窓口』などが設けられていて『もしあなたが悩みを抱えていたら、ぜひ相談してください』と呼びかけている。自殺をどのような概念としてとらえるか、またその法律上の扱われ方は、時代・地域・宗教・生活習慣などによって異なっている。欧米などキリスト教圏では伝統的に自殺は罪と見なされ、忌避されてきた。→#宗教と自殺。自殺が、家族とその他自殺者に以前かかわったことのある人々や、偶然もしくは業務上自殺後の対応にかかわった人、さらに社会に対して及ぼす心理的影響・社会的影響は計り知れないものがある。自殺が1件生じると、少なくとも平均6人の人が深刻な影響を受ける。学校や職場で自殺が起きる場合は少なくとも数百人の人々に影響を及ぼす。たとえば、高橋祥友によれば「うつ病、不安障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの深刻な危険を生じかねない」「さまざまな深刻な心理的苦痛に圧倒される」「遺された人自身が自殺の危険を伴う事態に追い込まれることすらある」としている。また、河西千秋(2009)によれば、「自殺の事実を知った人の多くは、まず衝撃で頭の中が真っ白になり、すべての感覚がマヒ状態に陥ってしまう」「多大な罪責感にさいなまれ、抑鬱状態になる」「長期にわたり影響が残り続け、心的外傷後ストレス障害などの精神障害を発症する」としている。自殺を意味する英語でのスーサイド(suicide)という言葉自体の歴史は比較的浅く、『オックスフォード英語辞典』によると1651年、ウォーター・チャールトンの「自殺によって逃れることのできない災難から自己を救うことは罪ではない」という文が初出とされる。この用語の語源は現代(近代)ラテン語の「suicida」であり、「sui(自分自身を)」+、「caedere(殺す)」という表現である。他にも1662年、1635年という説もあり、いずれにしても17世紀からの使用が定説とされる。それ以前には自己を殺す、死を手にする、自分自身を自由にする、などの表現があったが、一言でまとまってはいない。米国自殺学会のエドウィン・S・シュナイドマン()は「魂と来世という思想を捨て去ることができたとき、その時初めて、人間にとって"自殺"が可能になった」と述べて、観念の変化が反映していると指摘した。来世や魂の不死といったことを信じたとき、死は単なる終わりではなく別の形で「生き続ける」という存在の形態を移したものに過ぎなくなるからである。この概念の登場したのには死生観の変化がある。このように自殺の問題は「死」をどう捉えるかということと不可分の関係にあり、文化や時代によってさまざまな様相を呈する。仏教では自殺を「じせつ」と読む。死は永遠ではなく輪廻・転生により生とは隔てがたいと、死生観を説いた。殺生は十悪の一つに数え、波羅夷罪(はらいざい)を犯すものであるとして、五戒の1つであるため、自殺もそれに抵触するとして禁じられているが、真言宗豊山派の寺院石手寺は「自殺者が成仏しないという考えは仏教にはない」という見解を示している。病気などで死期が近い人が、病に苦しみ自らの存在が僧団の他の比丘(僧侶)に大きな迷惑をかけると自覚して、その結果、自発的に断食などにより死へ向う行為は自殺ではないとされる。また仏や菩薩などが他者のために自らの身体を捨てる行為は捨身(しゃしん)といい、これは最高の布施であった。また、焼身往生や補陀落渡海、密教系仏教の入定(即身仏)や行人塚のように人々の幸福のために自ら命を絶った例があった。独自の研究の臭いが強い。百科事典の最初ではこういう書き方をしていない。「手段」の節があるから十分だろうと思われる。「
出典:wikipedia
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