プルアップ抵抗(プルアップていこう、)とは、電子論理回路において外部デバイスが切断されても入力端子が適切な論理レベルのままとなるよう使われる抵抗器である。また、電圧レベルの異なる2つの論理回路を相互接続する際にも使う。デジタル回路の信号としての電圧は、"Hi" または "Low" の電圧が常に印加されていなければならず、"Hi" と "Low" の中間電圧の状態では、誤動作を起こす場合がある。また、回路の入力端子がどこにも接続されていないような「浮いている」状態があると、周囲の静電気や電磁誘導による電流の侵入によって、高電圧が印加される場合もある。その対策として、プルアップ抵抗やプルダウン抵抗が用いられる。プルアップ抵抗は、ある配線と "Hi" に相当する電圧レベル(例えば 5V)との間に挿入され、その配線に入力が無い場合(OFF状態)のときに "Hi" レベルの電圧をかける働きをする。そして、プルアップ抵抗が接続されている配線を "Low" レベルに接続(ON状態:電位0Vの接地と接続)する操作をすれば配線は0Vになる。この操作をする回路の例としては、トランジスタのオープンコレクタ出力や、マイクロスイッチ(いずれも接地と接続)などがある。プルアップ・プルダウン抵抗の値の選定には、次のような条件がある。一般的な場合の優先順位順に、また、CMOSのように対称な回路方式の場合はプルアップとプルダウンの関係も(理論上は)対称だが、非対称な回路方式の場合は非対称になる。プルダウン抵抗(プルダウンていこう、)は、プルアップ抵抗とは反対に、入力がない場合に "Low" レベルの電圧(通常、電位0V)にしておくために使われる。プルダウン抵抗はプルアップ抵抗ほどには使われていない。プルダウン抵抗は、入力電圧が制御されているためCMOS論理ゲートで使っても安全である。TTL論理の入力は何も接続されていない場合は自然に "high" になるため、プルダウン抵抗で "Low" にするには抵抗値を小さくする必要がある。ただし、そうするとより多くの電力を消費する。そのため、TTL回路ではプルアップ抵抗の方が好まれる。バイポーラ論理ファミリは5Vで駆動され、プルアップ抵抗にはだいたい1kΩ~4.7kΩ程度を使う。抵抗値はその回路の電源や温度の特性を考慮して常に正しく動作するよう選択する。CMOSやMOS論理では、その高い入力インピーダンスに合わせ、220kΩ~1MΩ程度のより大きな値とすることができ、消費電力が少なくて済む。プルアップ抵抗は、論理回路の出力として直接に電流源として負荷を動作する箇所に用いられるのではなく、外部デバイスの駆動を制御する信号、複数のデバイスが接続されているバス状の回路への入力信号を送る回路等、電圧入出力の回路において用いられる。例えば、TTL論理回路からリレーの開閉を制御する場合、"high" 状態の出力をそのまま用いてもリレーを駆動することは出来ない。大電流を流すことの出来る増幅回路をもつ電圧入力の端子へ、プルアップ抵抗によって安定化された制御電圧(信号)を印加することで、安定した負荷制御を行う。プルアップ抵抗は論理回路内に組み込まれていることもある。マイクロコントローラでは、入力端子毎にプログラマブルなプルアップ抵抗を内蔵しており、必要となる外部部品を極力少なくしているものが多い。プルアップ抵抗の欠点として、電力消費が増える点と能動電流源に比べて速度が遅くなる点が挙げられる。論理ファミリによっては、プルアップ抵抗から流れ込む過渡電流に影響されやすく、プルアップ用に別のフィルタ付き電源を必要とする場合がある。I²C ではチップがオープンコレクタ設計であるため、クロック信号線 (SCL) とデータ信号線 (SDA) にプルアップ抵抗を必要とする。つまり、そのチップは信号線を "low" にできるだけであり、通常はプルアップされ V になっている。I²C では信号線が "low" になると "0" と解釈され、"high" (V) では "1" と解釈される。
出典:wikipedia
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