車内非常通報装置(しゃないひじょうつうほうそうち)とは、列車内で非常事態が発生したことを乗務員に知らせる装置。乗客にはわかりやすく車内非常ボタンや、非常連絡ボタン、非常通報器と案内されることもある。車内で非常事態(例えば 車両火災が発生した、急病人が発生した、不審物があった等)が発生した場合には装置のボタンを押下することにより、車外の車側表示灯が橙色に点灯する(非常は橙色、開扉表示は赤色)ほか、乗務員室ではブザーが鳴動する。乗務員の確認のため何号車で押されたかをモニタできる車両もある。古いタイプでは単に異常を知らせるだけで、「警報式」とも呼ばれる。信号発信に気づいた場合、運転士は次の駅に入線する際に短点連打の警笛を鳴らし、駅員に該当車両への集合を求める。※通話可能タイプでも、ブザーのみのタイプでも、押された場合には、(トンネル内や橋梁上を除いて)必ず、非常ブレーキで停車する取り扱いを行っている会社もある。1990年代に入ってから採用が多くなっている通話機能対応タイプ(対話式、通話式)の場合は、マイクを通じて乗務員と乗客が相互に通話が可能である。このタイプはどのような異常なのかを乗務員が迅速に判断できるというメリットがある。ワンマン運転を行っている路線では、運転士が何らかの理由で応対出来ない(ボタンを押してから10秒間応答がない)場合には列車無線を通じて運転指令所の指令員が代って応対できるシステムの路線・車両もある。JR東日本では、「非常通報器」という名前で導入されており、E231系では、車両の貫通扉付近に導入されている。また、便所には「連絡用ブザー」があり、便所内で緊急事態が発生した際、連絡用ブザーを扱い、そのブザーを聞いた乗客が、近くの非常通報器を用いて車掌に連絡する必要がある。E233系では、E231系の非常通報器よりも小型化、スリム化され、設置場所もドア横の車椅子スペースなどに設置されるようになった。便所にも非常通報器が設置されるようになり、連絡用ブザーのように、乗客が取り次いで車掌に連絡する必要がなくなった。JRの車両では多くの場合は各車両の連結部ドア横や車椅子スペースに、地下鉄および私鉄では各車両の1または2か所のドア横に設置されていることが多い。また、非常通報装置の存在を分かりやすくするために「SOS」と書かれたステッカーを貼付している鉄道会社もある。上記のとおり、車内非常通報装置が扱われると、安全確認のために駅以外の場所に停車することがある。車内で急病人が発生した際に車内非常通報装置を扱うと、駅以外の場所で停車して、乗務員が現場まで駆けつけて状況を確認する(通話可能タイプの場合は通話により状況を確認する)。そして、その乗務員が乗務員室に戻った後に運転を再開し、最寄りの駅まで走行し、そこで救護を行うことになる。そのため、状況によっては車内非常通報装置を扱ったことにより、かえって急病人救護が遅くなることがある。次の停車駅までそれほど時間がかからない場合は、駅に停車してから車内非常通報装置またはホームの列車非常停止警報装置を扱って係員に知らせる方法もある。
出典:wikipedia
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