ヴァイオリンソナタ第26番 変ホ長調 K.302(293b)は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが作曲したヴァイオリンソナタ。「パリ・ソナタ」の2曲目にあたる。K.55～K.61までの偽作（K.61はヘルマン・フリードリヒ・ラウパッハの作品）を除けば第19番である。6曲ある「パリ・ソナタ」の2番目にあたる作品で、1778年の2月頃にマンハイムで作曲された。1番目のヴァイオリンソナタ第25番でひたすらに抒情的表現の美しさを追究したモーツァルトの関心は、2番目の第26番では全くの異色の対照的な世界に向けられ、ダイナミックで力強い表現が創造されている。2楽章の構成で、演奏時間は約11分。ソナタ形式による楽章であるが、飛び跳ねるような力強い分散和音もモティーフとなだらかな旋律線から生成された第1主題は、楽章全体で強い支配的役割を担っている。リート風の主要主題を軸にして組み立てられたロンド形式による楽章。ピアノには即興的なカデンツァが割り当てられている。

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