持ち駒(もちごま)とは、将棋で相手から取った駒を自分の手に持っていつでも使えるルール、もしくはその駒のことをいう。手駒(てごま)とも。将棋において相手の駒のある位置に自分の駒を動かしたときに、相手の駒を盤から取り除き、自分のものとなった駒のことである。持ち駒は、自分の手番のときに、ルールで禁じられていない盤上の任意の位置に配置する(「打つ」)ことができる。また、まだ相手の駒だがいつでも取って持ち駒として利用できる駒を質駒(しちごま)という。転じて、ある状況において自分が行使することができる行動や、利用できる人材、提示することができる事物の選択肢のことを「手駒」や「持ち駒」と呼ぶことがある。以下のルールは、二世名人であった2代大橋宗古が成文化したものである。西洋のチェス、中国のシャンチーや日本の大将棋、中将棋、小将棋などの古典将棋など、世界各国に将棋に類するボードゲームの中で、持ち駒ルールを採用しているのは日本の本将棋だけである。チェスも日本将棋を参考にして、持ち駒を採用した「バグハウスチェス」と「クレージーハウス(クレージーチェス)」といったものが行われている。また、古将棋の中でも小将棋は持ち駒再使用のルールがあったとされているが、いつからなどはっきりしたことは解明されていない。本将棋だけが持ち駒を採用した原因は諸説考えられている。有力とされているのは、「本将棋の駒が敵味方で全く同一の色・形をしていることから、取った駒を自分の駒として使うことを発明できた」とする説(木村義徳など)である。日本の本将棋がいつ頃持ち駒再使用のルールを採用したのかは、まだわかっていない。通説も含め、大きな説は以下の4つに分けられる。早い時期に持ち駒再使用ルールが採用されていたとすれば、その当時の将棋は平安将棋または小将棋である。だが、小将棋で醉象(成れば太子となり、玉将と同格の駒になる)または玉将を取ったときにその駒を持ち駒として打つことができたのかどうかなど、解明されていない点も多い。太平洋戦争の直後、日本を統治していた連合国軍最高司令官総司令部 (GHQ) が、相手から奪った駒を味方として再利用する将棋を、捕虜を虐待する野蛮なゲームとして禁止しようとした。それを知った升田幸三は「将棋の駒の再利用は人材を有効に活用する合理的なものである」「チェスは捕虜を殺害している。これこそが捕虜虐待である。将棋は適材適所の働き場所を与えている。常に駒が生きていて、それぞれの能力を尊重しようとする民主主義の正しい思想である」「男女同権といっているが、チェスでは王様が危機に陥った時には女を盾にしてまで逃げようとする」とGHQに直談判したという。
出典:wikipedia
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