第45回衆議院議員総選挙(だい45かいしゅうぎいんぎいんそうせんきょ)は、2009年(平成21年)7月21日の衆議院解散に伴い、同年8月18日に公示、8月30日に執行された衆議院議員総選挙である。第44回総選挙(郵政選挙)で当選した議員の任期が2009年9月10日に満了するため、衆議院解散の有無に関係なく、総選挙は遅くとも同年10月20日までに実施予定であったが、2009年7月21日に衆議院が解散された(解散に至る経緯は後述)。衆議院解散後の臨時閣議で8月18日公示、8月30日の選挙執行が決定された。8月に投開票が行われる総選挙日程は1902年の第7回総選挙以来107年ぶりであり、現行の日本国憲法下では初めて。衆議院解散から総選挙施行までの期間は、憲法第54条第1項において定められた最長の期間である40日間であるが、これは7月12日投開票の東京都議会議員選挙の影響をできるだけ遠ざける狙いがあったとされている(後述)。期日前投票制度を利用して投票日前に投票した有権者は1,398万を超え、国政選挙での期日前投票制度の実施以来、最高を更新した。選挙の結果、民主党が選挙前を大幅に上回る308議席を獲得し、議席占有率は64.2%に及んだ。単一の政党が獲得した議席・議席占有率としては現憲法下で行われている選挙としては過去最高であり、空前絶後の勝利であった。社会民主党や日本共産党は選挙前勢力を維持、国民新党は1議席減らした。337人を擁立した幸福実現党は供託金をすべて没収される大差で全員落選した。一方、自由民主党は119議席を獲得したが、公示前議席より181議席の減少となり、1955年の結党以来初めて衆議院第1党を失った。公明党は公示前議席から10議席少ない21議席となった。民主党は結党11年目にして衆議院第1党となり、第172回国会で民主党が中心の新政権が発足した。非自民政権としては1993年7月18日に行われた第40回総選挙の結果に基づき、その後の特別国会によって成立した細川内閣以来であった。なお、選挙当時は特に定まった呼称はなく、以下のような呼称が取り沙汰されていた(記者会見等の場で一時的に発言したものも含まれる)。総務省|平成21年8月30日執行 衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査結果調 都道府県別投票総数、有効投票数、無効投票数(小選挙区)より抜粋前回の選挙以後、内閣総理大臣が小泉純一郎→安倍晋三→福田康夫→麻生太郎と総選挙を経ることなく交代。この間、2007年7月の第21回参議院議員通常選挙で自由民主党および公明党から成る連立与党が敗北、いわゆる「ねじれ国会」の状況となった。2008年6月11日に野党が多数を占める参議院で福田康夫首相に対する問責決議が可決(現憲法下で初)された。野党は後期高齢者医療制度を含む国内問題の処理を批判し、解散・総選挙か福田康夫首相の辞任を要求した。与党側は翌6月12日に衆議院で内閣信任決議を可決するものの、福田康夫首相は9月1日に首相辞任を発表。9月22日の自由民主党総裁選挙で勝利した麻生太郎が後継の総理大臣となった。当初、マスメディアは自由民主党が麻生人気を背景として、2008年の10月下旬か11月上旬に選挙を行うとみていた。9月から10月にかけて解散・総選挙の日程がさまざまに取りざたされ、話し合い解散を模索する動きもあったが、首相引継ぎ後の支持率が40%台と低調だったことに加え、アメリカ合衆国発の金融危機で世界経済に様々な影響が出たこともあり、これらの諸課題に対処するための補正予算成立を先決とし、麻生は選挙を先送りする方針を示した。2009年に入ると、総選挙と東京都議会議員選挙(7月12日投票)との近接を避けたい公明党への配慮から、与党側では5月までの解散もしくは夏以降の解散が模索され、最終的には8月以降に選挙が実施されるという見方が大勢となった。この間、麻生個人の首相としての資質の問題や、かつてない速さで悪化する経済情勢に加えて、ねじれ国会における野党の審議拒否・審議引き延ばしのために迅速な景気対策がとれなかったため、麻生内閣の支持率は10%台まで落ち込んでいった。2009年3月に西松建設違法献金事件で民主党代表小沢一郎の公設第一秘書が逮捕、この影響で一時支持率は持ち直したものの、日本郵政をめぐる人事問題での鳩山邦夫総務大臣更迭や、宮崎県知事東国原英夫擁立をめぐる自由民主党内の混乱などで再び支持率は下降。そして、国会の会期を7月28日まで延長したことから、任期満了選挙の場合、8月11日公示、23日投開票の日程が濃厚になった。7月12日に行われた東京都議会議員選挙で自由民主党が惨敗、民主党が都議会第1党となった。翌7月13日、7月21日から24日のいずれかで衆議院解散を行い、8月30日に投開票を行うことで与党が合意したと報じられ、7月17日、麻生が自由民主党を通じて各党に「21日午後に解散詔書朗読のための本会議を開き、衆議院を解散する」との旨を伝えた。なお、天皇陛下が7月3日から17日の日程でカナダおよびアメリカ合衆国・ハワイを訪問しており、この時期の解散は避けるべきとの自由民主党内での意見に対し、麻生は、皇太子が国事行為を代行できるため、天皇の外国訪問は解散権を制約する要素ではないとの認識を示していたが、最終的には天皇の帰国後に解散の日程が設定されることとなった。解散する上で、自由民主党の反麻生派が両院議員総会を開催して麻生を辞任させようとする動き(麻生おろし)が障害となっていたが、党幹事長の細田博之は7月17日昼の記者会見で、両院議員総会は開催せず、代わりに、21日午前11時半から両院議員懇談会を開くと発表し、麻生おろしは事実上封印された。これで21日の解散が確定した。21日午後1時より行われた衆議院本会議で、日本国憲法第7条により衆議院が解散され、同日、政府が選挙日程を決めた。解散から投票日まで憲法が規定する40日間を限度一杯使う選挙となり、任期満了選挙で想定された日程より投票日が後となる。麻生は21日午後6時より記者会見を行い、今回の選挙を「安心社会実現選挙」と位置づけ、政党の責任力を問う選挙としたい旨の発言を行った。野党第1党の民主党は、単独で過半数に届かなくとも、他党と協力することで、政権交代を必ず成し遂げるとした。民主党代表の鳩山由紀夫は「社会民主党、国民新党と一緒に新しい夜明けをつくりたい」、国民新党は「今から3党で政策協議を進めるべきだ」、社会民主党は「民主党から連立要請があれば協議入りする」とコメントした。選挙期間中、各党は政見放送の他に、テレビCMや新聞、インターネットの動画サイト等を使って積極的にプロモーション展開をした。各党映像でのプロモーションを下記に記す。重複を除き、1,374人が立候補した。内訳は、小選挙区1,139人、比例代表区888人(うち比例単独は235人で、残る653人は小選挙区との重複)。立候補した政党・政治団体は16。主要政党は、民主党、国民新党を除き軒並み候補を減らしたが、初挑戦の幸福実現党が大量擁立し、他にみんなの党の加入などもあり、立候補者数は前回の1,131人を大幅に上回った。解散時に国会議員であった者を含め、国会議員が存在し、法律上の政党要件を満たしているのは9党。このうち自由民主党、公明党は連立与党で、改革クラブは事実上の与党として振る舞っている。残りの6党のうち、民主党、社会民主党、国民新党、新党日本の4党は選挙協力を行い、勝利した場合は連立政権に向け協議している。自民党と民主党は単独過半数の候補を立て、民主党は自民党の候補者数を上回った。自民党結党後、総選挙で自民党を上回る数の候補を立てた党が現れたのは、1996年の第41回衆議院議員総選挙における新進党以来2度目である。日本共産党、みんなの党はそれぞれ野党として独自路線である。共産党は候補を減らし、小選挙区制導入以来続けてきた単独過半数の擁立をやめた。国会議員が存在するが、政党要件を満たしていない政党は1党。新党大地は比例北海道ブロックのみの立候補で、民主党と選挙協力している。国会議員が存在せず、議席獲得を目指す政党は6党。幸福実現党は当初は全選挙区擁立を目指したが、自民党、改革クラブとの保守協力を理由に一部で擁立を見送った。それでも民主党を上回り、この総選挙では最多の立候補者数となった。新党本質は比例北海道ブロックのみに擁立した。世界経済共同体党、新党フリーウェイクラブ、日本スマイル党、森海党はすべて1人1党で党首のみが小選挙区に立候補している。この他、「豊かな福祉をつくる会」公認として立候補した1人は公示後の8月19日に無所属に変更した。無所属では、平沼赳夫らが選挙後の新党結成や自民・民主両党との連携を視野に入れ、平沼グループとして行動している(17人)。その他の無所属は自民公認漏れなどの保守系無所属が多いが、民主公認漏れや、少数ではあるが新社会党系などの革新系無所属も立候補している。投票は、全国各地の投票所で一部の投票所を除き午前7時から午後8時まで行われた。東京都新島村は台風接近により、式根島地区の投票を当初予定より4時間繰り上げた。これは、当初投票箱を新島に輸送予定の村営連絡船が台風11号の影響で運航困難となり、自衛隊のヘリコプター輸送に切り替えたための措置である。投票率は小選挙区が69.28%(前回衆院選67.51%)、比例代表が69.27%(同67.46%)と上昇し、小選挙区比例代表並立制を導入した1996年以降では過去最高を記録した。期日前投票も1,398万4,968人(有権者のうち13.40%)と上昇した。無所属議員の内訳は民主系無所属2議席、平沼グループ3議席、その他1議席である。よって、与党の議席数は民主系無所属を含めると322議席となる。
出典:wikipedia
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