『アラトリステ』 ("Alatriste") は、2006年公開のスペイン映画。アルトゥーロ・ペレス=レベルテによるスペインのベストセラー小説『アラトリステ』 () シリーズを原作とする初の映画化作品である。監督はアグスティン・ディアス・ヤネス。ストーリーは、映画化開始の時点で発表済みであった原作5作品の内容に加えて未発表部分までも網羅し、孤高の剣士アラトリステの20年余に及ぶ後半生を1本の映画に凝縮して描く決定版として制作された。アラトリステ役にはヴィゴ・モーテンセンを起用し、製作費にはスペイン映画史上の最高額となる2,400万ユーロが投じられた。スペインの映画賞、第21回ゴヤ賞(2007年)では、製作監督賞、美術賞、衣装デザイン賞の3部門を受賞。17世紀スペイン、孤高の剣士ディエゴ・アラトリステ・イ・テノーリオの物語。アラトリステの後半生21年間を描いており、エピソード間で長い時が経過している部分がある。このため各エピソードの年を明記してあらすじを示す。括弧内は日本語版DVDの吹替え担当。本作品は史実を背景として一剣士であるアラトリステの活躍を描いている。本節では作品理解を深めるためにその時代の歴史背景を解説する。スペインのアルトゥーロ・ペレス=レベルテによる同名のベストセラー小説シリーズを原作としており、監督のアグスティン・ディアス・ヤネスが脚本作成も担当した。製作開始時点で既刊の原作5巻までの内容に加えて、劇場公開後に刊行された最終巻の内容も含めて映画化されている。制作費は2,800万ドルが投入され、2009年に制作費7,000万ドルのアレクサンドリアに抜かれるまでスペイン映画として最高額であった。アグスティン・ディアス・ヤネス監督は2006年のローマ映画祭でのインタビューにおいて「これだけの制作費がかかったのはアラトリステが時代劇であったからです。スペインには時代劇を製作する充分な伝統が無いんです」と語った。物語の舞台はスペインにとどまらずオランダ・ベルギー・イタリア南部など往時のスペイン帝国領土に広がるが、映画撮影は全てスペイン国内でおこなわれた。フェンシング選手としてオリンピック出場経験がありスターウォーズエピソード5・6においてダース・ベイダー役の剣戟スタントを務めたボブ・アンダーソンが戦闘シーンの演技指導をおこなった。ヤネス監督は剣戟の描写に「リアルでテンポが速く、残酷な感じを求めて」おり、その要求に答えて迫力のあるアクションを演出した。作品の上映時間は145分である。しかし原作者のアルトゥーロ・ペレス=レベルテは2006年12月のインタビューで「配給会社の要求で1時間近くの場面を削った」と述べている。本作では英語を母語とするアメリカの俳優ヴィゴ・モーテンセンを主人公のディエゴ・アラトリステ役に起用し、モーテンセンは全てのセリフをスペイン語で演じた。これに関し本人は「スペイン映画史上最大の大作でスペイン人の英雄を演じることはちょっと怖かったけど」、「やはり僕はスペイン人ではないし、正確によりスペイン人のように演じたかったからね。たくさん指導を受けたり、助けられたりしたのですごくうまく演じられたと思う。」と述べている。モーテンセンは幼少期をスペイン語圏の南米アルゼンチンで過ごして大学ではスペイン文学を学んでおり、その演技は「全編スペイン語で男のロマンを体現した」と評され、スペインの映画賞で主演男優賞にノミネートされた。2006年9月1日にスペインで公開された。続いて12月29日にはラトビア、翌年1月12日にチェコ、19日にブルガリアで上映された。またヴェネツィア国際映画祭・トロント国際映画祭・ローマ映画祭・マイアミ国際映画祭などでも上映された。日本では2年後の2008年12月13日から上映された。スペイン国内では最初の週末に447館で上映されて$5,877,258の収入をあげ、公開後4週にわたり週末興行成績第1位となった。全世界における興行収入合計は$23,321,954であった。うちスペイン国内が$21,215,090で収入の9割を占めた。国外ではイタリアが最大で$689,458と全体の3%で以下メキシコ・ロシアの順であった。アラトリステを演じた主演俳優ヴィゴ・モーテンセンは、2015年、本作の日本語字幕に誤訳があることに「腹を立てた」と誌面で発言した。ただし、日本の観客に対しては「ストーリーを理解し、楽しんでくれたと思うから、それで良しとしよう」という親愛の言葉で締めくくっている。
出典:wikipedia
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