『獣の奏者』(けもののそうじゃ)は上橋菜穂子のファンタジー小説、およびそれを原作とした作品群である。「リョザ神王国」と呼ばれる異世界の地を舞台とするファンタジー巨編。運命に翻弄される少女・エリンを軸に人と獣の関わりを描く。『I 闘蛇編』『II 王獣編』『III 探求編』『IV 完結編』の全4巻から構成される。2006年(平成18年)11月に講談社から『闘蛇編』と『王獣編』が二冊同時刊行。上橋にとって物語の結末は『王獣編』のラストシーンが究極のものであり、これ以上物語が続くことはないと考えていたため、本来はこの全2巻で完結したはずだった。しかし、周囲から「続きを読みたい」という声が数多く寄せられ、またアニメ化されたこともあって、自身も物語の中で描ききれなかった謎への決着を付けたいという思いが生まれたために、2009年8月に続編となる『探求編』と『完結編』が、2010年9月には『獣の奏者 外伝 刹那』が刊行された。「守り人シリーズ」と共に海外での出版も予定されている。本作は「決して人に馴れぬ孤高の獣と、それに向かって竪琴を奏でる少女」という上橋の心に浮かんだワンシーンが執筆のきっかけとなっている。この構想は何年も前に心に浮かんだがそこから発想を膨らませることがなかなか出来なかったという。しかし、ある日、ふと手に取った養蜂に関する本を読み進めていくうちに、生命の不思議に心震わす少女のイメージが浮かび上がり、こうして仕上がった作品が本作である。全4巻および外伝1巻。2006年(平成18年)11月に講談社から『闘蛇編』と『王獣編』が2冊同時刊行。その後2009年8月に『探求編』と『完結編』が、さらに2010年9月に外伝『刹那』が刊行された。すべて講談社文庫(講談社)より刊行。全5巻。青い鳥文庫(講談社)より刊行。全8巻で、『I 闘蛇編』『II 王獣編』『Ⅲ探究編』『Ⅳ完結編』の内容をそれぞれ2巻ずつに分冊。子供向けに、全ての漢字にルビが振られ、一部の漢字が平仮名に改められている。武本糸会が挿画及び挿絵を担当。<神々の山脈>と呼ばれる峰の向こうからやってきた、金色の瞳を持つ長身の女性・ジェが王祖(国の開祖)であると伝えられている。ジェの子孫である真王(ヨジェ)一族を国王とし、真王に仕える大公(アルハン)が闘蛇軍を率いて国と王を守護するが、真王領と大公領との間で領民同士の対抗意識による様々な軋轢が生じている。真王が統治する国の西部一帯の地方。山がちの土地が多いため、大公領と比べると収穫の変動が激しい。但し政治の中心がこちらにある事から、高等教育を受ける者がかなりいる。また、女性の地位も比較的高く、良家の出身なら高等教育を受けられる。リョザ神王国の首都。真王一族が住む王宮がある。王都の近郊にある小規模な区域。街にはサラノという名称がある。真王領の東端の地方。ジョウンが蜂飼いとして過ごす。大公が統治する国の東部一帯の地方。真王領より広大で水源が豊富な平野に恵まれていることから、稲の収穫が盛ん。しかし職業上の事情で高等教育を受けられる者がほとんどいない。また女性の地位も真王領に比べ更に低く、大抵は15、6歳で嫁ぐ事になる。大公の闘蛇軍を管理する闘蛇衆が住む村。いくつかの領地毎に分けられており、全部で12村ある。ウハン村を除き平野部にあるのが特徴。男衆は闘蛇の世話、女衆は家事・畑仕事などをして暮らす。鍾乳洞・水路・<イケ>などから成る洞窟状の岩屋で闘蛇の世話を行う。アマスル一族が自治を担当する地域。隣国ハジャンとの戦で得た隊商都市などがある。神々の世界と人間の世界を隔てると伝承される大山脈。この伝説は獣を戦争に使わせないために巧妙に行われた情報操作の賜である。リョザにたびたび侵攻してくる巨大な帝国。一つの国ではなく様々な国の連合体。2009年(平成21年)、『獣の奏者 エリン』(けもののそうじゃ エリン)の番組名で、『闘蛇編』と『王獣編』がテレビアニメ化され、2009年1月10日から12月26日までNHK教育テレビにて放送された。全50話。NHK教育テレビ放送開始50周年記念番組。上橋は製作発表時の記者会見で「21世紀のハイジ」を目指したと話しており、これは「名作アニメ」と呼ばれる「アルプスの少女ハイジ」のように子供たちの視点から見た世界を丹念に描くことで、明るさと重さ、単純さと複雑さ、子供の物語と大人の物語、といった物語が持つ対極の要素の両方を大切にしながらも、子供たちがしっかりと楽しめるようなアニメになるようにという思いからである。ストーリーの大筋は原作に準じたものとなっているが、導入部など随所でアニメオリジナルの展開が挿入されている。また、34話では原作者の上橋がアニメオリジナルストーリーを担当。作中用語の読みは上橋の考案した独特のものだが、アニメは音声だけで表現しなければならないため、若干変更が加えてある。2010年1月9日から総集編が放送された。TVシリーズの全50話を10話に再編集したもので、アフレコは一部新規に行われているものがある。放送期間は本編・総集編を合わせて同時期に放送された毎日放送(MBS)制作『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』と並び5クールとなった。各巻4話(3巻、7巻のみ5話)収録。なお、レンタルDVDには、1巻の一部を除き特典映像は収録されていない。
出典:wikipedia
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