混合器(こんごうき)混合器(こんごうき)とは、アナログ乗算器であり、2 つの異なる周波数成分 formula_1 と formula_2 の電圧信号を入力し、両信号に対して乗算の演算を行う回路である。乗算器(混合器)の乗算演算は、その演算結果として、ヘテロダインの原理により、その和と差の周波数成分 formula_3 の信号電圧を出力する。混合回路、周波数混合器、周波数混合回路、ミキサ、ミキサ回路、周波数変換器(英: frequency converter)、周波数変換回路、周波数コンバータ等とも呼ばれる。2 つの異なる周波数 formula_1 および formula_2 の電圧信号を入力して、両信号に対して乗算の演算を行い、その乗算結果を出力する回路を混合器と呼ぶ。乗算演算の結果として、混合器の出力には、それらの周波数の和または差の周波数 formula_6 または formula_7 の信号を取り出すことができる。送信機や受信機、特にスーパーヘテロダイン受信機やダイレクトコンバージョン受信機等で周波数を変換したい時によく用いられる回路である。2 つの異なる周波数の信号 formula_1 と formula_2 とは、次のように表すことができる。混合器は、これら 2 つの周波数の信号を乗算して、次の式で表される信号の積を出力する。これは、トランジスタやFET、真空管等の素子が非線形で動作する領域を利用して行う。この乗算の結果、新しい信号 formula_6 と formula_7 とが発生する。LC 共振回路等により、formula_6 または formula_7 のうちの必要な方の信号のみを取り出して出力する。混合器は、ダイオードを用いる受動型(パッシブ・ミキサ)とトランジスタを用いる能動型(アクティブ・ミキサ)に分類できる。能動ミキサは利得があるため後続段から発生するノイズを減少させるので、RFシステムでは広く採用されている。一方で、受動ミキサは典型的には線形性と高速性を達成するため、マイクロ波や基地局回路に用途がある。また、混合器は、2つの入力ポートの単層・差動の種類によって、に分類することもできる。2 つの信号を注入する電極により、ベース注入方式・エミッタ注入方式と、AM変調でよく用いられるコレクタ変調方式がある(バイポーラトランジスタを使用した場合)。トランジスタの非線形部分での動作が必要なため、一般的には通常の増幅器に比べコレクタ電流を少なくしたバイアス点を選ぶようにする。FETや真空管を用いた場合にも、同様の方式が存在する。デュアル・ゲート FET を使用する場合、formula_1 をゲート 1 に、formula_2 をゲート 2 にそれぞれ注入するという方式で混合器を構成できる。この方式では、新しい信号 formula_6 と formula_7 の他に、元の周波数 formula_1 と formula_2 も出力してしまうので、フィルタ(回路図中では LC 共振回路)で出力に現れないようにする。2 つの信号源を両方ともトランジスタのベース端子に入力する方式である。利点は、入力信号 formula_1 や formula_2 の信号レベルが小さくできることである。弱点としては、強力な信号が注入された場合、信号 formula_1 と formula_2とが干渉し合い、引き込み現象が起こることがあるということである。引き込み現象の例として、たとえばスーパーヘテロダイン受信機の混合器として用いた場合、formula_1 を放送局から受信した信号、formula_2 を局部発振器とすると、放送局からの信号 formula_1 が強力に入感した場合、それが局部発振器 formula_2 に干渉して、発振周波数が不安定になることが挙げられる。ただし、クリスタル・コンバータのように、formula_2 が水晶発振器である場合、引き込み現象は非常に起こりにくい。2 つの信号のうち 1 つ(formula_1)をトランジスタのベース端子に、もう 1 つ(formula_2)をエミッタ端子に注入する方式である。利点としては、ベース注入方式で起こるような引き込み現象を起こさないことである。その一方で、エミッタ端子に注入する formula_2 の信号レベルが大きくないと、混合器として動作しない。2 つの信号のうち 1 つ(formula_1)をトランジスタのベース端子に、もう 1 つ(formula_2)をコレクタ端子に注入する方式である。利点としては、コレクタ電流の飽和領域(直線部分)を使用するため、比較的大きい変調度までひずみの少ない変調波を得ることができることである。その一方で、変調に必要な電力が大きくなる。局部発振器からの信号 LO が差動で入力できるが、RF信号が単相でしか入力できないような混合器(ミキサ)を、シングル・バランスド・ミキサと呼ぶ。差動で信号を入力することにより、トランジスタ一石による混合器(ミキサ)よりも、端子間のアイソレーションが改善される。トランジスタを用いた能動型シングル・バランスド・ミキサのほかにも、ダイオードを2つ用いた受動型シングル・バランスド・ミキサもある。DBM とは の略で、二重平衡変調器ともいう。局部発振器からの信号 LO と、アンテナからのRF信号の両者が、差動で入力できるようになっている混合器(ミキサ)を DBM と呼ぶ。ダイオード DBM は 4 本のダイオードと 2 つの高周波トランスとで構成され、リング変調回路 とも呼ばれる。図のように信号 formula_1 と formula_2 とをダイオード DBM に入力すると、出力側のトランス T からは、#原理の式 (1) で示されるように、formula_6 と formula_7 とが出力される(formula_38 の場合)。DBM では信号がバランスされているため、formula_1 および formula_2 は出力されない。DBM の出力端子にフィルタ回路を接続し、2 つの信号の和または差のどちらかの信号のみを取り出して用いる。回路を構成するダイオードや高周波トランスを適切に選べば、1W 程度の信号を注入して動作させることができる。スーパーヘテロダイン受信機で使用する場合、妨害波の影響を受けにくくするために、受信信号 formula_1 に対し局部発振器からの信号 formula_2 を強力に注入する必要がある。このように強力な局部発信信号で動作させると、局部発振器からの信号が漏れたり、スプリアスが強力に漏れたりするので、シールド処理をしっかり施す必要がある。ダイオード DBM は、シールドされた 1 つのモジュール(部品)としても市販されているので、手軽に利用することができる。最近では、このようなモジュールのほとんどではショットキー・バリア・ダイオードが用いられている。ショットキー・バリア・ダイオードは順方向電圧が低く、低ノイズであるという特徴がある。ダイオード DBM は、測定器など高性能な混合器が必要とされる場合に、特によく用いられる。変調回路として用いる場合、formula_1 に搬送波を、formula_2 に低周波信号を入力すると、振幅変調の一つである抑圧搬送波両側波帯(DSB-SC)が出力される。抑圧搬送波単側波帯(SSB-SC)を得るには、ダイオード DBM の出力にクリスタル・フィルタ等の急峻な特性を持つフィルタで、片方の側波帯を阻止し、もう片方の側波帯を通過させる。高周波回路では各信号の入力の一方を接地する場合が多く、高周波トランスはバランと呼ばれることがある。ダイオードと高周波トランスとで構成されたDBM以外に、集積回路でDBMを実装した素子もある。アナログ乗算器(差動増幅回路)で構成されたギルバートセル型のものが、集積回路上でDBMを実装する場合に多く用いられる。シングル・バランスド・ミキサよりもさらにアイソレーションが改善され、集積回路上のレイアウト(素子の配置・配線)を注意することにより 40dB~60dB の分離が可能である。ギルバートセル型以外にも、電位差測定型ミキサや、抵抗とCMOSスイッチによる受動型ミキサなどのDBMを集積回路で実装することができる。ダイオードを1個使用して混合器を構成することもできる。このミキサは、高周波トランス(バラン)がないため、広帯域で周波数のあばれが少ないが、RFポートとLOポートのアイソレーションが悪いので、内部機器ではほとんど使われない。
アナログスイッチIC(4066等)を用い、局部発振回路の発振周波数(f2[Hz])の信号をスイッチを制御する入力に入れ、スイッチされる入出力端子にRF信号(f1[Hz])を通すことで、混合された信号(f1±f2[Hz])を出力する。
出典:wikipedia
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