風食(ふうしょく)とは、侵食作用の一種である。風がふきつけたことや、風によって運ばれた土粒子により、岩石や地表が削られ、侵食されること、また、その働きを指す。風食は砂漠化の要因となることもある。一般に、風食過程は、という三つの段階にわけられる。最初の二段階は、風の動的エネルギーによる土粒子の移動であり、最後の段階は、風力エネルギーの低下によっておこる。風食には2つの基本的な形態がある。デフレーション (deflation) は、風によって土粒子が飛散される形態である。コラージョン (corrasion) は風による飛散土粒子が岩石を削磨することによって生じる。削磨の強打は、岩石の抵抗性、飛散粒子の形状と種類および風速に関係する。なお、「コラージョン」のことを、『新版地理学辞典』では「ウィンドアブレージョン」としている(地学団体研究会編,1996)。この項目はミロス・ホリー『侵食-理論と環境対策-』岡村俊一・春山元寿訳、森北出版、1983年を参照している。気候的要因は後述の土壌要因にも影響する。年間降水量の少なさ、年平均気温の高さが風食のおこる要因となる。降水量が少ないために土壌に含まれる水分も少なくなることや、高気温により土壌が含む水分が蒸発されることで土壌が乾燥し、風食はおこりやすくなる。また、ある一定の卓越風が発生する地域で、それが風食をおこす。風食は地形に影響される。風食強度は風衝地の裸出部や地形の起伏に左右される。南および西向きの斜面は、太陽幅射を受ける斜面であるため、土壌が早く乾燥する。その結果、有機質はより早く分解して土壌のコンシステンシーが減少する。このことが風食の危険性を増加させる。植生が土壌に庇陰をあたえることによって、蒸発の減少や、土壌の水分保全につながる。植生はまた土壌と風の間の緩衝物となり、土壌の風食を防止する。植生被覆の不十分な地域では風食がおこりやすい。侵食防止に有効な植生として、森林、草地、とうもろこし、じゃがいもがあり、また、複数の植物が輪作される草地は土壌が安定しやすいため、より侵食防止効果が高い。広域に影響を及ぼす風食は、通常、森林地帯のような植生被覆が農地へと変えられた農村地帯で発生することが多い。また、高速道路や住宅地の建設によって、植生がはぎとられ、これが風食の要因となることもある。しかし、風食を受けやすい地形を、侵食防止効果が高い作物の農地にした場合は風食は減少し、土地改良が正しく施工されれば、その土地の侵食に対する抵抗度は大きくなる。この項目はミロス・ホリー『侵食-理論と環境対策-』岡村俊一・春山元寿訳、森北出版、1983年を参照している。風食地帯は平均年間雨量の低い地帯、とくに250~300mm以下の地帯で、さらに、植生の被覆を欠いているかまたは不十分な植生を持つ広大で平坦な土地で、一定方向の卓越風が発生する地帯である。最大規模の風食発生地域は、アメリカのグレートブレーンズ、アフリカのサハラ砂漠およびカラハリ砂漠、中央アジアやロシアのステップ地帯、中部オーストラリアである。風食は乾燥帯および半乾燥帯ではふつうの現象である一方、湿潤地帯でも植生被覆のない土壌や劣悪な物理的性質の土壌で発生する可能性がある。この項目はミロス・ホリー『侵食-理論と環境対策-』岡村俊一・春山元寿訳、森北出版、1983年を参照している。風食は、環境や植生、人間の健康や生活に損害をもたらす場合がある。さまざまな侵食被害の調査によると、風食は水食に比べて重大な問題ではない。しかし、風食は大面積にわたって損害をひき起こす。風食は土砂を運び去ること、また、土砂を運びこむことの両方によって砂漠化の原因となる。風食による土砂の移動は、たびたび植生の根を露出させ、植生はしおれて乾燥する。また、風食によって土壌は保水能を低下させ、植生の生育が不可能になる。こうして砂漠化がおこる。また、風によって運搬された土砂が植生の上に堆積し、植生が生育不可能になることによっても砂漠化がおこる。風食により、土砂が移動し、植生が乾燥すると、砂嵐の起こる原因となる。それによって、大気が汚染され、人間は呼吸器系統や眼科の疾病をこうむる。前述したとおり、北アメリカの移住民における例、ウクライナの例でも風食による人間への影響がみられる。また、移動土砂の堆積は、建物、交通網、運河、水路などに損害を与えたり、家屋や農地などを埋没させる。
出典:wikipedia
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