福山酢(ふくやます)は、鹿児島県霧島市福山で製造されている黒酢である。屋外に並べた壺の中で発酵・熟成させる昔ながらの方法で製造される。江戸時代後期に商人の竹之下松兵衛が日置地方で製造されていた色付酢(黒酢)のことを知り、これを福山で製造することを思い立った。松兵衛は試行錯誤を重ね、苗代川から調達した薩摩焼の壺のうち胴回り40センチメートル、口径14センチメートル、高さ62センチメートルで容積54リットルのものが酢造りに最適であること判断し、1820年(文政3年)に量産を開始した。当初は松兵衛酢と呼ばれ消費地は錦江湾沿岸地域や岩川(後の曽於市岩川)方面のみであったが、次第に販路を広げ明治初期には年間300石を製造するまでになった。1881年(明治14年)に開催された内国勧業博覧会に出品され、この頃から福山酢と呼ばれるようになった。その後、製造業者が乱立し過当競争となったため1911年(明治44年)に福山酢製造組合が設立された。第二次世界大戦中は原料となる米が不足したため生産量が大幅に減少したが、1983年(昭和58年)における生産量は年間11,000石であった。蒸した玄米、米麹、水を壺に仕込んで日当たりの良い屋外に並べ、日々壺を揺らしながら半年から3年をかけて発酵・熟成させる。使いこまれた陶器製の壺には多くの酢酸菌などが住み着いており、これらの菌も発酵を助けるという。福山酢は通常の麹より5-6日間長く乾燥させた「振り麹」を用いることを特徴とし、熟成期間が長くなるほど黒色が濃くなる。多くの壺が並べられた場所は「壺畑」と呼ばれ、場所によっては数万の壺が並ぶところもある。
出典:wikipedia
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