きょしちょう座ζ星（きょしちょうざゼータせい、ζ Tuc / ζ Tucanae）は、きょしちょう座の恒星で4等星。黄白色の主系列星。比較的低質量であるが、太陽よりも明るい。ヒッパルコスを用いた視差の測定から、地球からの距離は約28.0光年である。ヒッパルコスのミッションで観測された変光星の1つである。組成や質量は太陽とほぼ同じだが、わずかに重く、約30億歳と推定されている。性質が太陽と似ているため、この恒星は生命が存在する惑星の探索目標となっている。70μmの赤外線の過剰放射から、この系は塵のディスクを持っていると信じられている。ディスクは少なくとも2.3天文単位の半径で恒星の周囲を公転している。温度は最高で218Kである。2009年時点で惑星は見つかっていない。きょしちょう座ζ星は、おおぐま座運動星団に属している。これは、宇宙空間で同じ運動を持つ恒星の緩い集まりである。運動速度は、U = -60, V = -4, W = -38 km/sである。これらはそれぞれ、銀河中心への運動速度、銀河の自転方向の運動速度、銀河の北極方向への運動速度に対応する。銀河核から平均8400パーセクの位置を軌道離心率0.16で公転している。

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