『トランスフォーマー/リベンジ』(原題: "Transformers: Revenge of the Fallen")は、2009年のアメリカ映画。2007年の映画『トランスフォーマー』の続編である。今回はアメリカのみならず、上海、ロンドン、パリ、エジプトなど世界各地を舞台に前作を超えたスケールで物語が展開していく。本作の制作にあたり、監督のマイケル・ベイは「今度はもっと多くのトランスフォーマーを出す」と予告し、その言葉通り前作の13体から約60体と実に4倍以上のトランスフォーマーが登場。新キャラクターとして、建設車両から合体する「デバステーター」や悪から正義側に転向した「ジェットファイア」といった原作の人気キャラクターに加え、コミックシリーズに登場した最大の悪役「ザ・フォールン」などが登場している。ミッション・シティでの戦いから2年。オプティマス・プライム率いるオートボットはアメリカ軍を母体とした対ディセプティコン特殊部隊NEST(ネスト)を人間と結成し活動していたが、上海戦にてディセプティコンのデモリッシャーが死に際に残した「ザ・フォールン様が蘇る」という言葉を聴く。オプティマスは今後の脅威について報告するが、そこに国家安全保障担当補佐官のギャロウェイが現れ、ディセプティコンが地球にいるのは、オートボット達が居るからではないかと疑念を突きつける。その頃、キューブの欠片を奪取したディセプティコン達が、海底に沈められたメガトロンを復活させ本拠地へと帰還する。そこに待っていたのは、メガトロンが主と仰ぐ、地球に対して復讐(リベンジ)の念を募らせたザ・フォールンであった。一方、サム・ウィトウィッキーは両親、恋人のミカエラ、そしてバンブルビーとの別れを惜しみつつも、これから始まる大学生活に胸を躍らせていた。しかし、引越しの最中に見つけたキューブの欠片に触れた瞬間、これまで見た事の無い文字が頭に浮かぶようになり、授業中に錯乱するなどといった症状が出始める。オプティマスは政府の誤解を解くためサムに仲介を求めるが、普通の生活を望むサムはそれを断ってしまう。しかし、間もなく大学にディセプティコンが現れ、サムはミカエラとルームメイトのレオと共に拉致され、メガトロンの元へ連れていかれる。ディセプティコンの目的は、キューブの欠片からサムの脳内に移ったオールスパークの中にある情報だった。危ういところでオプティマスとバンブルビーが救助に現れサムは逃げのびるが、オプティマスが犠牲となってしまう。ザ・フォールンはサムを探すために世界中を攻撃。サムを差し出さなければ世界を滅ぼすと宣言し、サムは政府に指名手配されてしまう。NESTの基地にオプティマスの亡骸が運ばれるが、同時に大統領命令を携えたギャロウェイがNEST部隊に解散を通告。オートボットらは拘束されてしまう。サム達はレオのつてで、解散した秘密組織セクターセブンの捜査官シモンズと再会。ミカエラが捕らえたディセプティコンのホィーリーの協力も得てサムの頭に浮かぶ文字が「古代サイバトロン語」であると突き止め、それを唯一読めるトランスフォーマーのいる場所…スミソニアン航空宇宙博物館へと向かい、元ディセプティコンのジェットファイアと出会う。ジェットファイアはサム達と共にエジプトへとテレポートし、過去の出来事を語り始める。ザ・フォールンの正体は初代リーダーである7人のプライム達の一人であり、彼らはトランスフォーマーの命の源である「エネルゴン」の探索のために地球にやってきた。エネルゴンは太陽のような恒星を破壊して作られるが、「生命体の存在する星は滅ぼしてはならない」というルールがあった。このルールにより地球の生命体を生かすのに不可欠な太陽は除外されるはずだったが、ザ・フォールンは惑星破壊装置で太陽を壊そうとした。ザ・フォールンに他のプライム達は太刀打ち出来ず、止む無く惑星破壊装置を起動させるキーの役割を持つアイテム「リーダーのマトリクス」をエジプトのどこかへ隠したのだった。サムはマトリクスがオプティマスを蘇らせる力を持つと信じ、エジプトを駆け巡り遂にマトリクスを見つけるが、年月が経ち過ぎていたため、手にした途端にマトリクスは砂と化してしまう。一同は愕然とするがサムは諦めず、砂粒を集めてオプティマスの元に向かう。シモンズから連絡を受けたNEST部隊はギャロウェイの命令を無視し、オプティマスの亡骸を載せエジプトへ到着する。通信を傍受したディセプティコンの部隊がエジプトに集結し、巨大な合体ディセプティコンも現れ、激しい銃撃戦の中、サムは命を落としてしまう。サムは蘇生するまでの僅かな間、夢の中でかつての初代プライム達から、オプティマスのために命を懸けたことを讃えられる。蘇生した瞬間、砂粒だったマトリクスが元の姿に戻り、オプティマスを蘇らせる事に成功するが、直後にザ・フォールンによってマトリクスが奪われてしまう。すでにピラミッドに隠されていた装置はむき出しとなっており、キーが揃い装置が起動した。戦況を見たジェットファイアは自害して自身のパーツをオプティマスに託し、パワーアップしたオプティマスは瞬く間に装置を破壊した。続けて襲いかかってきたメガトロンとザ・フォールンを圧倒し、遂にザ・フォールンを倒す。メガトロンはどこかへと逃走し、地球に再び平和が戻ったのだった。前作でも言及されている項目については前作映画を参照。今作では変形に加えて、合体戦士が登場する。故郷である惑星サイバトロン(セイバートロン星)の壊滅に伴い、前作を経て地球へ移民してきたトランスフォーマー軍団。アメリカ政府との間に同盟を結び、新たに結成された特殊部隊NEST (Networked Elements: Supporters and Transformers)の隊員として、ディセプティコン残党壊滅の任務に当たっている。オートボットの存在を知るのは政府関係者及びアメリカ軍、サム達一部の民間人だけ。惑星サイバトロンを壊滅に追い込んだトランスフォーマー軍団。前回の戦いの後、地球に残った僅かな残党が活動していたが、新たな軍団が地球に再来し、オートボットおよびNEST部隊と激しい戦いを繰り広げる。特定のタイプに同型体が複数存在することが確認されている。建設車両に変形するディセプティコン。オールスパークによって誕生したとされる原初のトランスフォーマー。紀元前17,000年に地球に到来し、グレートマシンを建造した。映画では7人であるが、小説版では13人と設定されている。今回は前作の1億5,000万ドルを超える2億ドルの製作費が投じられた。主要スタッフには、新たに『ザ・リング』や『スクリーム3』などのホラー映画を手がけた脚本家アーレン・クルーガーが参加している。前作でも主題歌を提供したリンキン・パークは、本作のテーマ曲として『New Divide』を新たに書き下ろし、スティーヴ・ジャブロンスキーと共同で劇伴も担当した。ワールドプレミアは東京のTOHOシネマズ六本木ヒルズで2009年6月8日に開催された。韓国のソウルで開かれたプレミア記者会見で、マイケル・ベイ監督は、トランスフォーマーの中に「日本の侍精神を込めた」と発言し、倭色論議を巻き起こした。吹き替え版はタカラトミーが提供したアニメシリーズの出演者リストを参考にしたため、トランスフォーマーシリーズに出演した声優が多く起用されている。終盤での“ディセプティコンが太陽をエネルギーに変えようとし、その結果太陽が失われそうになる”というプロットのモチーフになったのはアニメ第1作の第12話「ソーラーエネルギーを盗め!」(原語版第18話「Changing Gears」)であり、そのための装置だったグレートマシンも同話に登場したソーラーニードルが原型となっている。この他にもアニメのオマージュがちりばめられている。森林の戦闘やデバステーターの登場シーンなど、IMAXカメラで撮影された部分がある。そのため、IMAXシアター公開ヴァージョンは画面サイズが混在しており、本編はシネスコサイズだが、IMAX専用シーンでは最高解像度のビスタサイズに切り替わる。IMAXシアターで公開されたIMAX撮影シーンは、ほぼ正方形に近いIMAXオリジナルアスペクトでの上映である。IMAX版のソフトはビスタサイズで収録されてあるため、IMAX劇場版よりも上下がカットされている。北米盤Blu-rayとDVDは、通常スクリーン版とビッグ・スクリーン・エディション(ウォルマート限定)が発売されている。IMAX版の本編は約30秒分の追加シーンがある。アフリカ大陸でのロケ撮影において、ヨルダンのペトラ遺跡とエジプトのピラミッドをロケ地にした撮影が行われた。、ただ背景として映しただけでなく、役者が実際に中に入ったり登ったりもしているが、これはそれらを管理するヨルダン王室及びエジプト考古学の最高権威であるザヒ・ハワスがトランスフォーマーシリーズの大ファンだったため、今回特別に認められたものである。アメリカとカナダでの興行収入は4億ドルを記録。北米歴代9位という成績を叩き出している(後に『アバター』『トイ・ストーリー3』などが公開されたことにより、2012年現在は全米歴代15位)。全米の記録としてはシリーズ最高記録である。日本では6月19日に世界最速公開されたが、『』や『ROOKIES-卒業-』等といった強力なライバルの公開と重なった影響もあり、最終興行成績は23.2億円で前作を下回った。興行収入では成功した一方で、ストーリー面では批判的な評価もあり、酷評も受けた。第30回ゴールデンラズベリー賞では最低作品賞、最低監督賞、最低主演女優賞、最低脚本賞、最低スクリーンカップル賞など7部門にノミネートされ、うち、最低作品賞、最低監督賞、最低脚本賞を受賞した。マイケル・ベイ監督も今作を失敗作であると認めており、2007年11月から2008年2月にかけて行われた全米脚本家組合のストライキの影響で十分な準備期間が割けず、詰め込みすぎの内容になってしまったことを反省点として挙げている。また前作に引き続き主演を務めたシャイア・ラブーフも「アクションは凄いが人間ドラマが欠けており、心が感じられない映画であった」という不満点を述べている。第82回アカデミー賞録音賞ノミネート。2009年12月18日、パラマウントよりBlu-ray Disc、DVD版リリース・レンタル。セル版Blu-ray、DVDは、どちらにも本編ディスクと特典ディスクの2枚組。本編は通常の劇場公開版であり、IMAX版は未発売。特典内容はBlu-ray、DVD共通。本編ディスクにはコメンタリを収録。特典ディスクにはメイキングや削除シーン、ミュージックビデオなどを収めている。また、Blu-ray版の特典ディスクにはさらに、オールスパーク(英語のみ)と撮影日誌も収めている。前作をセットにした4枚組のダブルパックも両フォーマットで同日リリース。『TRANSFORMERS CYBER MISSIONS』(トランスフォーマー サイバーミッション)は、2010年3月19日より公式サイト『ジェネレーション・ワン』トランスフォーマーシネマズページでWEB配信のスピンオフムービー。日本語字幕版。全13話。アメリカではハスブロ公式『Official Transformers Videos』で配信。玩具のN.E.S.T.シリーズをベースにしており、映画に登場するキャラクターの中には細部に違いが見受けられるのもいる。変形・合体ギミックを盛り込んだ玩具の製作・販売は前作に引き続き、トランスフォーマーシリーズの「原案」を手掛ける玩具メーカー、タカラトミーとハズブロが参加している。玩具は前作同様、映画公開に先駆ける形で2009年5月30日に発売された。今作で発売された玩具の中には前作からの仕様変更品も含まれるものの、オプティマスプライムやスタースクリームといった物語の中核となるキャラクターに関しては、より劇中に似せたデザイン、スタイルで新規に作り直され、変形構造も変更された。前作の玩具開発が資料が少なく手探りであったのに対し、今作では前作の映画そのものを資料や予想材料とすることができ、また実際の映画を具体的な共通認識することができたため、試作の発注といった部署間での連携もスムーズに進んだという。ただしストーリーについては前作同様、玩具スタッフには断片的な情報しか伝えられなかったため、物語に直接関連したギミックを盛り込むことは断念されている。前作の映画における演出を踏まえて、新規の玩具には「メックアライブ(MECH ALIVE)」という、歯車やシリンダーといった内部のメカニックの動きを表現するギミックが搭載されており、これは生命を宿した機械という、トランスフォーマー独自の設定を表現することが意図されている。またアメリカでの展開が行われていた『トランスフォーマー アニメイテッド』で培われた成果を踏まえて、キャラクター性を玩具のプロポーションに反映させるという試みも取り入れられた。他にはサムやミカエラといった登場人物を模した人形が付属する「ヒューマンアライアンス(Human Alliance)」と呼ばれるシリーズもラインナップに加わり、これには車の運転席に人形を乗せたままの変形など、トランスフォーマーシリーズの前身『ダイアクロン』の玩具のように、人形を絡ませることを前提としたギミックを搭載している。他にもデバステーターやジェットファイアーといった、今作から加わった「合体」のギミックも、重要なテーマとして位置付けられた。この年の商品展開は、急激な原油価格の高騰の影響を大きく受けたという。トランスフォーマーシリーズの玩具は世界的な商品展開を行う関係上、厳密なコスト管理が必要とされており、一度開発が完了した多くの商品から相当数のパーツやギミックを減らすなどといった、厳しい仕様変更を強いられた。一方で原価改善や販管費削減といった方針は功を奏し、映画のヒットや玩具に対する評価もあって、トランスフォーマー玩具はタカラトミーの決算にも好影響を与えた。売り上げは前作の2倍以上となり、アメリカの玩具市場では1位を記録するなど、アメリカを中心に売り上げを伸ばした。玩具CMのナレーターは前作に引き続き、アニメ版第1作のナレーションを担当した政宗一成が務めている。前作に引き続き、映画の内容を基にしたアラン・ディーン・フォスターによるノベライズ版が出版されており、日本語訳版は早川書房〈ハヤカワ文庫〉から出版されている。
出典:wikipedia
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