『ドラえもん』は、藤子・F・不二雄の漫画作品『ドラえもん』を原作とするテレビアニメである。『ドラえもん』のテレビアニメには以下の3作品が存在する。これらを区別する呼称は公式には発表されていないが、アニメ誌では2005年(平成17年)4月より放送中のシリーズを『ドラえもん(新・第2期)』としている。ウィキペディアではそれにならい、1973年(昭和48年)に放送されたシリーズを第1作、1979年(昭和54年)より放送されているシリーズをまとめて第2作とする。また第2作において、1979年(昭和54年)から2005年(平成17年)3月まで放送されたシリーズを第1期、2005年(平成17年)4月から放送中のシリーズを第2期とする。本記事では第2作第2期について記述する。メインキャラクターである野比のび太らは、現代の小学生の等身大キャラクターとして描いており、主人公であるドラえもんも子守りロボットとしては成長途中で、のび太の目線に近いキャラクターとして設定している。のび太は月見台小学校5年3組に通う小学生。のび太らが暮らすのは、東京都練馬区月見台という町。下町的な雰囲気にあふれ、たとえば「のび太のブラックホール」(2007年3月16日放送)では、のび太とジャイアンの大食い対決のために、駅前商店街の料理店、菓子屋の店主らが無償で食糧を提供し、対決を大いに盛り上げている。町の自然も美しく描写されている。原作および前シリーズでは「ドブ川」と称され、川べりもコンクリートで固められ、まるで汚さを象徴するかのような川だけが流れていたが、本作では緑あふれる散歩道の中に自然のままの小川も流れている。町のシンボルでもある「うら山」は、前シリーズでは町のど真ん中に位置し、周りを交通量の多い車道に囲まれていたが、本作では周囲をのどかな田園地帯が囲んでいる。設定は基本的に原作に忠実。原作はギャグ漫画という位置づけであるがゆえ、説明されるべき事項がギャグで済まされる、あるいはそのまま流されることがあるが、そういった箇所は本作では現代科学や物語背景に基づき合理的に解釈され、原作既読者も楽しめるようになっている。作中の何気ない描写が、物語の重要な鍵を握る伏線となることがあり、緻密に計算されたシナリオが物語に深みを与えている。本放送時原作収録本が絶版になっていた作品もアニメ化されており、本シリーズで初めてアニメ化された作品もある。基本的に、前シリーズと同様に現代と変わらない世界として描かれている。2006年9月1日放送分ではドラミが作中の現代を指して「21世紀は…」と発言しており、現代と変わらない世界であることを示唆する事物がその後もたびたび作中に登場している。また、のび太の部屋に貼られているカレンダーも現代のものと全く同じである。2007年5月11日放送分より使用されるオープニングアニメーションに登場する、のび太たちの服装が今の時代に合わせて変化する。それにともなって新しい服装がアニメ本編でも取り入れられていき、スネ夫が前シリーズ以来再び携帯電話を使うなど、現代の生活に反映した作品作りが今後も展開されるという(また「物体変換銃でカバンをカバに!?」(2014年5月16日放送)ではスネ夫がパソコンを持参していた)。しずかや玉子など、主要な女性キャラクターは原作どおり昔ながらの女性語を用いるが、特に新声優陣へ変更以降はゲストキャラの幼稚園児の女の子や、のび太・しずかたちが小学校にいるシーンなどでまわりから聞こえてくる女子児童の言葉が一部「――だよ」「――だね」というようにユニセックスな言葉遣いとなっている。また、原作で過去のアイドルが登場する場面には、代わりに1980年代以降に生まれた俳優や女優(速水もこみち・相武紗季など)を起用している。2007年8月17日放送の「ママのダイヤを盗み出せ」では、のび太の母親である玉子の少女時代に松田聖子のサイン会が開かれており、玉子は昭和50年代に少女時代を送ったことになっている。一方、雑誌『もっと! ドラえもん』第1号に掲載されている美術監督のインタビューでは「はっきりとはさせていないが、ひと昔前(1970年代後半から1980年代ごろ)くらい」と書かれている。また、のび助が幼いころ戦時疎開するエピソードである「白ゆりのような女の子」もほぼ原作そのままにアニメ化されている。テレビと映画が25周年を迎えたことを機に、前シリーズから大幅にリニューアルした。それに伴い、ハイビジョン制作への移行し、キャスト(声優陣)の一新、キャラクターデザインや設定の変更などを行ったうえで、サブタイトル場面、次回予告、本編BGMなどの音楽や効果音が大幅にリニューアルされ、『それいけ!アンパンマン』と同じ効果音になった。また、同時にエピソードの再使用も開始されたため、リメイク作品としての色合いも強い勢力となっている。前シリーズは新作1話と再放送1話だったが、現在は新作のみの放送になった。制作スタッフも一部を除き一新された。また、地上デジタルテレビジョン放送への対応のため、ハイビジョン制作(アナログ放送では2010年6月25日まで14:9の画像サイズの放送、7月2日より16:9画像サイズの放送)へ移行した。キャスト一新の理由は、リニューアル前の『ドラえもん』でドラえもんの声を演じていた大山のぶ代が、自身の病気を理由に降板を申し出たことがきっかけである。また、源静香役の野村道子は同時期に長年務めた『サザエさん』のワカメ役も降板しており、夫の内海賢二が当時経営していた賢プロダクションのマネージメント業に専念するための降板とされる。キャラクターデザインは原作第30巻前後に近いデザインになった(具体的には、ドラえもんの頭がやや大きくなった。しずかの髪の色がこれまでの淡い栗色から黒髪に(ただし、『ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』では、濃い栗色になっている)変更されている。ドラえもん、のび太、しずか、スネ夫、ジャイアンの黒目が大きくなってハイライトが入る=従来の●から○へ。しずかの目を閉じる絵が睫毛と一緒に下がるものに変更され、通常時のジャイアンの白目の表現がなくなったほか、キャラクターデザインでの普段着に変更された、など。ただし、しずかの母の顔のデザインは原作とは違い従来のアニメのまま)。野比家の外観、間取りなども原作に準拠した設定に変更(のび太の机がステンレスから木製に変更、のび太の部屋の扉がふすまからドアに変更など)された他、タイトルロゴの「ド」の字の濁点部分にあたる「目」も、本作から「笑った目」に変更されている。映画では作品によって美術設定に追加・変更などが行われている。特に顕著なのが野比家であり、外観ではアルミサッシが十字の物から二枚ガラスの物に変更されたり、雨戸を収納する戸袋のデザインが変えられたりしている。内装では襖の柄や居間のレイアウト(『ドラえもん のび太と緑の巨人伝』では絨毯が敷かれ、ちゃぶ台や足つきのテレビが置かれるなど昭和をイメージした物となっており、『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜』においてはテレビシリーズで鏡台が置かれている床の間に掛軸や壺が置かれ和室色が強くなっている)など。一番多く描かれることが多いのび太の部屋においては、押入れ側の壁上部には天袋が、左に襖張りの引き戸式収納スペースが追加されたり、ドア側の壁にはカラーボックスが置かれるようになった。小物だと『ドラえもん のび太の恐竜2006』では、恐竜が発条仕掛けで卵を割って歩く玩具とメガドライブに酷似したゲーム機が置かれている。次作『ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』では引き続き恐竜の玩具が登場するとともに、2003年の『ドラえもん のび太とふしぎ風使い』のキャンペーンで販売・付属されていたフィギュア風オシシ仮面人形が新たに登場。『ドラえもん のび太と緑の巨人伝』以降の作品ではキー坊に水をあげるのに使ったねんどバケツの植木が、机の左にあるカラーボックスの上に配置されている。他にもライオン仮面や伊藤翼、星野スミレとミーアのポスターが壁に張られていたり、『モッコロくん』シールが登場するなどスタッフの遊び心が反映されている。タイトルロゴもテレビと映画では若干の違いがある(テレビでは「ド」の目玉の部分が両目とも「∩」であるのに対し、映画ではウインクになっている)。映画公開前後には1時間特番があり、映画の見所や長編ストーリーを公開する。なお、前夜祭も従来と同様に放送される(まったく放送されない年もある)。本シリーズは諸事情により初回放送からオープニングテーマに全てのスタッフ・クレジットを集約しており、エンディングテーマをカットしている。エンディングテーマをカットした理由の1つは、情報のない4月から夏にかけてはミニコーナーを放送している。2009年10月16日放送分から2010年3月26日放送分まで使用。それぞれの映画作品の予告編映像を用いている。(「予告編」というテロップにはボカシがかけられている。)当初は夏限定でエンディングテーマを流していたが、2010年以降は夏でなくても流れることがある。2008年以降のエンディングではスタッフロールが流れるようになり、その代わりオープニングがカットされる。2011年10月から不定期にエンディングテーマが復活して流れておりオープニングテーマがカットされている(2012年からは映画主題歌が流れる)。ドラえもんが踊る映像になっている。前番組では、通常時も実施していたが、本番組では映画の公開が迫ったとき映画公開までの期間をカウントダウンする(例:『公開まであと○○日』)という放送が実施されるのみである。前作と同じく小学館より発売。「NEW TV版 ドラえもん」シリーズで、それぞれ5話〜9話に抑制している。本作のローカライズ版としてアメリカのディズニーXDにて2014年7月7日に『Doraemon -Gadget Cat from the Future-』のタイトルで放送を開始。これまで日本国内アニメの英語版を手がけたバングズーム!が制作し、26話が放送された。舞台はアメリカの架空の町に変更され、ドラえもん以外のキャラクターの名称やひみつ道具が英語式の名前に変更された。たとえば"Nobita"という音の響きが英語圏では女性的に聞こえてしまうため、のび太の名称は"Noby"に変更された。タケコプターは飛び越える(Hop)ように場所を移動することができるため"Hopter"という名称に変更された。通常の小道具等もローカライズの対象になり、たとえばのび太が受け取る小遣いがドル紙幣に変更されたり、登場人物たちが食事をする場面の箸がフォークに変更された。また、健康志向に配慮するという理由で、ドラえもんが大量のどら焼きを頬張る場面を控え目なものにしたり、のび太のおやつをフルーツにするといった変更も行われた。その一方でジャイアニズムを象徴する台詞などそのまま残った部分もある。エンディング映像は日本版のオープニング映像『夢をかなえてドラえもん』より抜粋。日本国内でも2016年2月1日よりCS放送局ディズニー・チャンネルで放送中。括弧内は『Doraemon』での名称。本作の放送から1年前の2004年11月22日、朝日新聞は「2005年4月から『ドラえもん』の声優陣が一新される」というニュースを報じた。その他の報道機関は全くの寝耳に水の話で、この記事を見てその日の朝の情報番組で紹介するという有様であった。『ドラえもん』の放送局であるテレビ朝日も、ドラえもんに携わっているスタッフ以外誰も知らず、この朝日新聞の記事で知ったという社員が多数であった。その後、朝日新聞以外の、読売新聞、毎日新聞、日本経済新聞が朝日新聞の報道のあった11月22日付けの夕刊に、産経新聞(東京本社版)と主要スポーツ紙が翌日の2004年11月23日付けに掲載された。また、テレビ朝日内での案件にも関わらず、他の民放各局やNHKも突然の発表で時間を割いて報道するなど、国民的アニメの突然の声優交代というニュースは、世間の大きな関心を集めた。本作の放送開始から10年を迎えた2015年、オリコンは「第1期は原作にも通じるブラックな面も見受けられ、映画作品ではドラえもんが拷問の末に壊れるなど子供が怖がるであろう場面も見受けられた。その一方で、第2期はこのような要素が薄まりユーモアや心温まるエピソードに重きが置かれた純粋な娯楽作品になり、映画も肩の力を抜いて楽しめるものとなった」と述べ、「ニーズの変化に合わせて少しずつ変化したことで親子で楽しめるものになった」と本作の放送が10年続いた理由を分析した。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。