ボーア磁子(ボーアじし、)とは、原子物理学において、電子の磁気モーメントの単位となる物理定数である。1913年にルーマニアの物理学者が発見し、その2年後にデンマークのニールス・ボーアによって再発見された。そのためボーア=プロコピウ磁子と呼ばれることもある。通常は記号 で表される。SI単位系における値はである(2014CODATA推奨値)。なお、単位はA m と表すこともできる。電子ボルトを用いて表せばとなる(2014CODATA推奨値)。ガウス単位系における値は = である。古典的な回転する帯電体による磁気モーメントは、角運動量の半分に電荷質量比をかけたものである。ボーア磁子は、ボーアの原子模型において、基底状態にある電子の軌道角運動量による磁気モーメントに等しい。基底状態の軌道角運動量は換算プランク定数 に等しいため、電気素量 と電子の質量 を用いてとなる。なお、ガウス単位系では電流と磁気の関係付け方が異なるため、光速度 の因子が入ってとなる。軌道角運動量は を単位として表されるため、ボーア磁子は軌道磁気モーメントを表すのに自然な単位である。また、電子はスピン角運動量 を持つが、ディラック方程式からg因子が2となるため、電子のスピンによる磁気モーメントもボーア磁子にほぼ等しくなる。電子の磁気モーメントのボーア磁子からのずれは異常磁気モーメントと呼ばれており、量子電磁力学においてくりこみ理論によって説明される。このため電子による磁気モーメントをボーア磁子を単位として有効ボーア磁子数 で表すことがある。なお、陽子も電子と同じスピン角運動量を持つので、核子や原子核のスピン磁気モーメントの単位としては、ボーア磁子の電子の質量 を陽子の質量 に置き換えた核磁子が用いられる。陽子の質量は電子の質量に対し約1840倍であるため、核磁子はボーア磁子の約1/1840となる。
出典:wikipedia
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