アントニオバローズ（2006年4月24日 - 2010年6月3日）は日本の競走馬である。2009年シンザン記念（GIII）の勝ち馬。北海道新冠町、前川隆範牧場の生産馬。前川牧場は夫婦2人で農業を兼業する小規模牧場で、のちにこの馬が勝利するシンザン記念が重賞初勝利となった。本馬は1歳時に北海道セレクションセールへ上場され、「バローズ」の冠で知られる猪熊広次に1543万5000円で売却された。主戦騎手の角田晃一は2歳の夏から「相当走る」と期待をかけていたが、2008年8月のデビュー戦はスムーズにレースを運べず2着に敗れ、勝ち上がった2戦目も抜け出してから物見をしていた。2009年、3歳1月で勝利したシンザン記念も、スタートで出遅れる、折り合いを欠く、コーナーでは外に膨れるという有り様だったが、粗削りながら能力の高さを見せる馬に、角田はクラシックへの期待を口にしていた。その後は弥生賞を右肩跛行で出走取消、皐月賞（単勝12番人気9着）も滞在馬房の貸付申請を忘れて美浦経由での中山入場とトラブルが続いたが、プリンシパルステークス2着で出走権を獲得した東京優駿（日本ダービー）では、2着リーチザクラウンにアタマ差までせまる3着に入った。ダービー後は秋の注目馬と目されることもあったアントニオバローズだが、秋は喘鳴症に悩まされ、神戸新聞杯は11着、菊花賞は最下位18着に沈んだ。休養を挟んだ2010年2月のバレンタインステークス（16着）後、喘鳴症が再発して手術を行ったが、放牧先への移送中に肺炎を発症。その後は栗東トレセンの診療所で治療を行っていたものの回復せず、6月3日、肺胸膜炎のため予後不良となり、安楽死の処置がとられた。

出典:wikipedia