『うみねこのなく頃に』(うみねこのなくころに)は、同人サークル07th Expansionが製作し、ショップなどの流通販路で商業販売している同人ゲームである。略称は「うみねこ」。タイトルは『うみねこのなく頃に』と、「な」を赤文字で表記する。2007年夏のコミックマーケット72で第1作が頒布された。以降半年ごとに発表されており、最終話が2010年12月31日に発売されて本編は完結した。本項では、これを元に展開されている、漫画、アニメーション作品等についても述べる。07th Expansionの第一作目である『ひぐらしのなく頃に』の血脈を受け継ぎつつ、全く別の世界設定の作品になっている。ミステリ小説の名作「そして誰もいなくなった」のストーリーを下敷きにしながら、「嵐の孤島」「遺産を巡る争い」「洋館」「連続殺人」「予告状」「肖像画の碑文」「謎の怪人物」「不可解な怪現象」など、典型的なクローズド・サークルものの本格推理小説のオマージュが多数盛り込まれている。シナリオおよびキャラクターデザインを担当する竜騎士07は今作が公式に発表される以前から、『ひぐらし』に続く次回作について「同じ舞台を何回も巻きもどして繰り返していく、それらを重ねて見る事で一本のシナリオでは見えないものが見えてくる」という“多層世界もの”とすることを早くから明言している。なお、今作では「推理をしても解かせる気など全くない。それでも魔女の仕業だと認めずに立ち向かう、あなたを屈服させるために用意した」とあらかじめ断りを入れており、「難易度の上昇を図っている」と主張している。また、本作では自分の力で考えた読者のみが真相に辿りつけるよう、簡単に人に説明が出来る(すぐにネタバレできる)ような明確な答えの出し方はしないとも主張している。実際、本編のラストであるepisode8においても、作中における現実と創作(作中作)の境界は非常に曖昧なままであり、「何が真実で、どこまでが現実であるか」「何が(作者の想定する解答において)解くべき、解ける謎なのか」は読者の考察に委ねられている(ただし、竜騎士07自身は「考えることを止めなければ真相に辿り着くことはでき、実際に辿り着いた人もいる」としている)。これについて竜騎士07は「自力で真相に辿り着いた人の名誉を守るため」としている。但しこれらはあくまで作者である竜騎士07の主張であり、公式の解が発表されないという作品の特色上検証は不可能であるということを踏まえておく必要がある。また後述のヘンペルのカラスの項にあるように、用語に関しては原義から離れた使用法をされているものもある。本作を原作とした、コミックス、小説、テレビアニメなどが展開されている。コミックス第1巻の発売と合わせ、公式サイトで本作の無料体験版が公開された。体験版は『ひぐらし』と同じように第1話にあたる『Episode1 Legend of the golden witch』が全て収録されている。テレビアニメは2009年7月から12月まで、Episode1からEpisode4までの物語が全26話で放送された。2010年12月16日にはコンシューマー機のPlayStation 3 (PS3) に移植された『うみねこのなく頃に 〜魔女と推理の輪舞曲〜』が発売され、2011年12月15日には同じくPS3に『うみねこのなく頃に散』を移植した『うみねこのなく頃に散 〜真実と幻想の夜想曲〜』が発売された。2011年10月20日と2011年11月17日には『うみねこのなく頃に 〜魔女と推理の輪舞曲〜』をPlayStation Portableに移植した『うみねこのなく頃に Portable』が発売された。製作スタッフの前作『ひぐらしのなく頃に』と同じく、「選択肢のないサウンドノベル」であり、ゲームというより電子小説に近い形態となっている。選択肢ではなく、プレイヤー自身が謎解きに挑むというプレイスタイルが推奨されていることも、『ひぐらし』と共通する。連作のシリーズであり、2010年12月時点で第8作まで発表されている。シリーズの各作のタイトルには『うみねこのなく頃に episode1 - Legend of the golden witch』というように、ナンバリングとサブタイトルが付けられている。また、シリーズを通じた物語は前編(出題編)と後編(展開編)に分かれており、Episode1からEpisode4までの4編が前編にあたる。Episode5からは後編となり、タイトルは『うみねこのなく頃に散』(うみねこのなくころにちる)となる。なお、新Episodeのソフトにはそれまでの過去Episodeを全て収録して発売するという形態がとられており、Episode4のソフトがあれば前編(出題編)を全てプレイすることが可能である。後編(展開編)についても同様で、最新作であるEpisode8のソフトにはEpisode5、6、7の内容が同梱されている。各Episodeでは本編ストーリーを読了した後に、タイトル画面に「Tea Party(お茶会)」と呼ばれる項目が新たに加わり、ここからサイドストーリーを閲覧することができるようになっている。また、お茶会を読了するとタイトル画面に「????」という項目が加わり、第二のサイドストーリーの閲覧が可能である。時は、1986年10月4日。舞台となるは、大富豪の右代宮(うしろみや)家が領有する伊豆諸島の六軒島。年に一度の親族会議を行う為に、当家の親族達が集結しつつあった。一見和やかに、久しぶりの再会を楽しむ親族たち。しかし、島で待っているのは「当主死亡後の財産分割問題」という、親族同士に暗雲を呼び込む議題。かつて当主が、島に隠れ住んでいるとされる魔女ベアトリーチェから、資金調達の担保の為に授けられたとされる10トンの金塊を巡って、長男の横領を疑う親族たち。それに対して、親族たちの困窮を見透かすかのように、反撃に出る長男。さらに余命の迫った当主は、自らの命だけでなく、親族郎党・資産の全てを生贄として捧げ、最愛の魔女ベアトリーチェの復活を願っていた。そして、まるで彼らを閉じ込めるかのように、島は台風によって外部から隔絶され、巨大な「密室」と化してしまう。魔法陣が描かれた殺人現場から、次々と新たな犠牲者が出ていく中、欲望と疑心の渦巻く六軒島に、魔女ベアトリーチェからの予告状が続々と届けられていくのであった。はたして、これらは人間の起こした連続密室殺人なのか、それとも魔女の魔法によるファンタジーなのか。本作品中には、古典的な洋館ミステリーやゴシックホラーが持つ不気味な雰囲気を演出するため、様々なキーワードやアイテムがちりばめられている。前作『ひぐらしのなく頃に』では物語の各編ごとがどういう関係になっているかということが重要な要素となっていたが、今作では前作以上に複雑な多層構造が形成されている。物語の世界がどのような多層構造になっているのか、また、なぜこのような多層的な世界設定が存在しているのかなどは、プレイヤーが挑むべき主要な謎の1つであり、エピソードが進むたびに世界の秘密が段階的に明かされていく。本作でのプレイヤーの立場は「各エピソードにおける殺人事件を魔女ではなくニンゲンの仕業と推理すること」とされているが、この虚実入り混じった多層的な世界設定をどう解釈するかについてはプレイヤ-の自由な推理に任されている。これら複雑な多層構造は本作における作風の特徴となっていると同時に、推理の難易度を大幅に上昇させる要因となっている。一方で、後述する「赤文字システム」や「探偵権限」など、謎解きの強力な手助けとなる要素も多数存在する。今作のメタ世界においては、「推理」は魔法とみまごうばかりの不可思議な力を持つ。推理によって現実が改変されたり、推理が文字通りの「言葉の刃」となって敵を傷つけることさえある。そのような特殊な作風もあってなのか、今作のキャラクターたちが行う推理は、通常の本格ミステリー小説の探偵が行うような演繹や帰納などとは全く異なる独自の思考方法に則ったものがいくつか存在している。六軒島の事件においては魔女や魔法の影が常にちらついているが、これらは曖昧模糊としたものではなく、明確な理論や思想の元に存在するものとなっている。この事から、魔法と自称されるものの正体を探ることもプレイヤーに求められている推理要素の1つになっている。07th Expansionとしては今回初めて、オープニングムービーを導入している。テーマソングは志方あきこ。また、漫画『びんちょうタン』などを手がける江草天仁が、肖像画デザインとして外注で参加している。本編の各エピソードは以下の通りである。本編の漫画版は、『ガンガンパワード』(スクウェア・エニックス)Vol.10(2007年12月発売号)よりEP1が連載開始(同誌の休刊後は『月刊ガンガンJOKER』に移籍)されたのを皮切りに、『月刊ガンガンJOKER』、『月刊Gファンタジー』、『ガンガンONLINE』にて出題編・展開編の漫画化作品が連載されている。基本的に原作に忠実であるが、特にEP8は原作に唯一選択肢があり再現不能であること、及び担当漫画家の提案から大幅にストーリーが変更され、原作では明かさなかった真相含め「ヒントも答えもすべて」書くとしている。2009年7月から12月までテレビ神奈川などUHF各局ほかにて放送され、2010年1月からはBS11でも放送された。全26話。原作の音楽がアレンジされて使用されている。また、アニメ『ひぐらしのなく頃に』第2期のように、公式ホームページでの次回予告配信を行っている(テレビ放送では、サブタイトルのみの簡単な予告がエンディングテーマ内で表示される)。放送局によっては、一部のセリフに自主規制音が入ったり、一部のシーンにモザイク処理がされている。各話のサブタイトルはチェス用語から取られている。
出典:wikipedia
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