伊予鉄道610系電車(いよてつどう610けいでんしゃ)は、伊予鉄道の鉄道線用電車。非冷房車で老朽化の進んだ600系の置き換え用として、1995年にアルナ工機で2両編成2本(4両)が製造された。中古車の転入が多かった中で久々の自社発注車であった。編成は制御電動車のモハ610形と制御付随車のクハ660形から構成される。東武鉄道20000系に準じたステンレス製構体を用いる3扉・18m級車体であるが、前面は独自デザインの普通鋼製であり、白色を基調とする塗装が施されている。窓下には伊予鉄道のシンボルカラーである濃淡オレンジの帯を配しており、後にこれをベースとし、地色をクリーム色とした車体塗装が700系・800系に採用された。車内の座席はロングシートで、伊予鉄道の鉄道車両で初めて車椅子スペースと優先座席が設置された。冷房装置は、伊予鉄道の標準である三菱電機製集約分散式CU127R(冷凍能力10,500kcal/h)を1両につき3基搭載する。運転室背面の仕切り構造は大阪市営地下鉄を走行する大阪市交通局66系や北大阪急行電鉄の8000系などと共通である。700系とほぼ同一のものである。すなわち制御装置は、京王5000系の発生品である日立製作所製MMC-HTB-20Bを使用している。京王5000系は1台の制御装置で8個の主電動機を制御する1C8M方式であったが、架線電圧が京王線の1,500Vと異なり600Vまたは750Vであることから、1台の主制御器で4個の主電動機(75kW×4)を制御する1C4M方式である。台車は、東武2000系の発生品である住友金属工業製FS340形を装着する。制動装置は発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ (HSC-D) である。ただし、発電ブレーキは使用しないこともある。集電装置は新品で、東洋電機製造製PT-7107-T型シングルアーム式パンタグラフをモハ610形に1基搭載する。連結器は700系と同様の密着連結器を装備している。 このため、700系や800系中間車とも併結が可能であるが、実際に併結して運用されたことはない。平日ダイヤでは松山市6時50分発(留置線の都合により2番のりばから発車)横河原行きに2本併結の4両編成で運用され、横河原7時25分発高浜行きとして折り返す。高浜線古町駅以北はホーム有効長の関係で4両編成は入線が不可能であることから、古町で後部2両を解結し、前部2両が高浜行となる。また、大手町駅のホーム有効長は3両分であることから、松山市到着後に横河原側の1両の客用ドアを閉め切る。その後、松山市偶数時0分発・偶数時15分発の高浜線 - 横河原線運用に充当される。ただし、検査などで古町駅で車両入れ替えを行う場合はこの限りでない。日曜・祝日ダイヤでは2006年9月まで郡中線での固定運用となっていたが、その後は平日と同様に高浜線 - 横河原線運用に充当されている。
出典:wikipedia
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