芝居風呂(しばいぶろ)は上方落語の演目の一つ。歌舞伎マニアの銭湯の主が、店でも芝居が堪能できるようにと思い、銭湯を大改造して『芝居風呂』と名付けた。何から何まで歌舞伎座そっくりの銭湯は、今日も芝居好きのお客で超満員。その日も二人のお客がやってくる。「幟が出てますなぁ。【片岡桶之丞さん江】【阪東三助さん江】…」木戸をくぐると、番台に座った番頭さんが「お湯入りですか? それともご見物ですか?」。芝居だけを見に来る人もいるのだ。桟敷そっくりの脱衣所を抜け、風呂に入ると羽目板に様々な情景が描いてある。これを背景にし、好きな芝居が思いっきり出来るというわけ。そんな趣向に感心していると、何処からともなく柝(き)の音が…。「東西。一座高こぉはござりまするが、ご免お許しなこぉむり、不弁舌なる口上なもって申し上げたてまつります」主が出てきて口上を。あちこちから「お風呂屋! 待ってました! 日本一!」と声がかかる。それからしばらくして、全身真っ黒の男が風呂場に飛び込んできた。「何だんねん、あれ?」 「炭屋の大将ですがな」風呂場の真ん中で見得を切り、「ヤアヤア、湯船の衆! 湯船の中につかるが望み、嫌じゃなんぞとぬかすが最後…」。真っ黒な体ではいられては一大事と、湯船に入っていた客の一人が飛び出して「ヤァよい所へ炭屋の親父…」。そのまま立ちまわりになり、最後はお湯をかけられた炭屋が六方を踏んで逃げゆく。「いつもこんな感じでんねん。あの親父、ここで芝居をやりたいがためにわざわざ真っ黒になるんや。ほら、向こうでも何やら始まりましたで?」お尻にオデキが出来た男と、それを心配する男の会話なのだが、よく聞いてみると忠臣蔵の地口になっている。さて、オデキの男が湯船に入ろうとすると、湯船の中に潜んでいた男がオデキを指で突いてきた。突いてきたのは町内の薬屋、薬湯より自分の店の薬を使えと言い、そのまま大立ち回りになって…。「二人とも行ってまいましたやろ? さっきの二人は幼馴染でしてな、ここで芝居をしたいがためにわざわざあんなことをするんや」上方らしい芝居噺。あちこちで芝居を意識したハメモノが入り、実に賑やかな高座となっている。ちなみに、炭屋の親父が演じたのは、仮名手本忠臣蔵の三段目、「道行旅路の花聟」のパロディ。炭屋ではなく、お尻にオデキが出来た男が『落人』のパロディを演じる演出もある。塩谷判官(史実での浅野長矩)の供侍だった早野勘平を主人公とした、日本舞踊の定番の演目。元々は外伝的な扱いだったが、現在では一体化されて上演されている。内容は、お軽と逢引していたために主の刃傷沙汰を止められず、絶望した早野勘平がお軽と駆け落ちするというもの。お軽に励まされ、やっと勘平が生きる希望を持ったところで高師直(史実での吉良義央)の家臣である鷺坂伴内が現れ、お軽をよこせと迫って大立ち回りとなる。詳しくはこちらを参照して下さい。
出典:wikipedia
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