納豆菌(なっとうきん、学名"Bacillus subtilis" var. "natto")は、枯草菌の一種である。稲の藁に多く生息し、日本産の稲の藁1本に、ほぼ1000万個の納豆菌が芽胞の状態で付着している。稲わらは乾燥しており他の細菌やカビが死滅しやすい環境のため、芽胞を作る細菌が残りやすい。芽胞は熱に強く、旧来の納豆の製法では使用する稲わらを熱湯で煮沸して納豆菌以外の雑菌を死滅させていた。納豆菌は人体の腸内ではオリゴ糖と同じく整腸作用が確認されており、市販されている医薬品にもこれを含むものがある。納豆菌は芽胞を作るため特殊環境で生存できるが、他の細菌と比べ増殖しやすい訳ではない。ゾウリムシなどのバクテリア、納豆菌ファージ、カビ、他の細菌など、多くの天敵に捕食される。好気性細菌であり、周囲の酸素、水分、栄養素が減少すると芽胞を形成して増殖しなくなる。納豆菌はビタミンKを生成する。『日本食品標準成分表七訂』(2015年版)では、茹で大豆が7μg、600μgとなる(乾燥ではなく水分を含んだ茹で大豆とを比較)。また、納豆菌が生産するポリグルタミン酸を放射線で処理したγ-ポリグルタミン酸の凝集作用や保水力に着目した、水源の汚泥処理や砂漠の緑化などへ使用するための研究が行われている。民間団体や自治体が有用微生物群(EM菌)として利用や散布を奨励する例もあるが、これに対して効果や安全性および環境影響の評価をなおざりにした拙速であるとの批判もある。記事 "有用微生物群" 参照。また、納豆菌の生産する血栓溶解酵素ナットウキナーゼの利用についても研究が進められているが、経口摂取では効果が確認されていない。それにもかかわらず、これらの効果を謳った健康食品や防カビ剤が市販されている。納豆菌からおからを原料に生分解性プラスチックであるポリγ-グルタミン酸を製造する研究が進められる。納豆菌が麹米に繁殖すると、スベリ麹と呼ばれるヌルヌルした納豆のような麹になるので杜氏は仕込みの時期に納豆は食さない。
出典:wikipedia
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