Su-35(スホーイ35、スホイ35;ロシア語:Сухой )は、ロシア連邦のスホーイ社が開発し、Yu.A.ガガーリン記念コムソモーリスク・ナ・アムーレ航空機工場(KnAAZ)が製造する長距離多用途戦闘機。Su-27を発展させた第4++世代ジェット戦闘機であり、MAKS-2007航空ショーで発表された。Su-35BM、Su-35S、Su-27BM、Su-27SM2などと呼称されるが、Su-35BMというのは工場番号T-10BM()に由来し、末尾の「BM(БМ)」「Bolshaya Modernizatsiya(:大規模近代化)」の頭文字で、Su-27(T-10)の大幅な近代化改良型であることを示す。Su-35S()の末尾の「S(C)」は「Seriinye(:量産型)」の頭文字で、Su-35の量産型であることを示す。2003年、Su-27やSu-30とT-50のギャップを埋める輸出戦闘機として開発が開始された。しかし、資金不足から2003年のドバイ航空ショーに模型が出品された。計画の目的は、Su-27の機体にPAK FAに実装されるいくつかの特徴を組み込む第2段の近代化だった。設計段階では、2007年までに輸出可能であるとされていた。後にこの計画はPAK FA計画が資金不足に遭遇することへの懸念から開始されたことが報告された。2007年にはSu-35上の設計作業が完了、その年の夏に最初の試作機の製造が開始された。完成後、Su-35-1は、その年のMAKS航空ショーで展示される前にジュコフスキー飛行場にあるに運ばれた。当時、スホーイのゼネラルデザイナーであったミハイル・ポゴシャンは、航空機が海外で大きな需要にあったとコメントし、ロシアは、いくつかの顧客の交渉としたこと、2010年から航空機を輸出することができることを述べた。MAKS-2007の後次のMAKSの前の初飛行のための準備が開始された。準備には飛行制御システムをデバッグし、エンジンをテストする特定の努力があった。2008年2月半ばには、Su-35-1はロールアウトされ、地上走行テストを実施していた。そして同月19日、スホーイテストパイロットであるセルゲイ・ボグダン操縦の元、チェイス・プレーンであるSu-30MK2を伴ってSu-35-1(S/N 901)が飛行した。55分間の飛行中、Su-35は、高度5,000メートル(16,000フィート)に達し、安定性、制御性、エンジンなどのテストが行われた。初飛行後の次の日、試作機はプーチン大統領とメドベージェフ首相に地上展示された。2008年10月2日、第一試作機の約40回の飛行を前に、KnAAPOのDzemgi空港において第二試作機であるSu-35-2(S/N 902)の飛行が実施された 。Su-35は、7月初頭に防衛省と外国当局者の前の前で初のデモンストレーション飛行を行った。2009年4月26日、Su-35の第四試作機がDzemgi空港でタキシング中に破壊された。航空機は、滑走路の終わりにあるバリアに激突、炎上した。パイロットのエフゲニー・フロロフは、脱出し、火傷や他のけがで病院に運ばれた。航空機は、3機目となる飛行試作機であると予想され、4月24日の初飛行を予定していたが、4月27日に延期されていた。事故の原因究明のため調査委員会を立ち上げられたが、いくつかのソースから、ブレーキの故障やある燃料ポンプの障害の結果であったことが推測された。2009年11月、KnAAPOは最初のシリアル航空機の製造を開始した。スホーイは、2010年から2020年に毎年24機から30機の航空機が生産されるであろうと推定した。2010年10月11日、最初のSu-35Sの組み立てが完了した。この時点で残りの2機の飛行試験機を使用しての予備飛行試験プログラムの飛行時間は、270時間を超え350時間に達していた。スホーイは、航空機が完全に最高速度、高度、レーダー探知距離と操縦性を含めすべての仕様とパラメータが一致したことを確認した。2011年5月、最初のSu-35Sが、初飛行を行った。予備試験に続いて、国防省はさらに、武器などのシステムを精査するために6機のSu-35Sを伴う状態での共同テストを開始することが期待された。2014年2月12日、最初のSu-35Sの納入が開始された。2015年3月、IDEX-2015でSu-35の"5世代型"の共同開発をすることをロシアとインドが合意したことが報じられた。詳細は明らかとなっていないが漢和ではPAK FAの技術が生かされる可能性が高いと分析している。Su-35(Su-27M) との違いの中で最も特筆すべきは、通常尾翼型の実用量産機としてはめずらしく旧Su-35のシンボルでもあったカナード翼が取り去られた点である。これは、電子装備の高性能化・軽量化にともなう重心位置の後退やAL-41F1SのTVC機能、CCV技術の向上によって十分な機動性が確保できるようになったため、ステルス性の確保の面では不利とされるカナードによって揚力発生や機体制御を補助する必要がなくなったからである。これにより、空気抵抗が減少したほか、電波吸収材料の使用なども貢献して、従来のフランカーに比べRCSが大きく低減している。また、空気力学的な改良も行われている。これには垂直尾翼の高さの低下、テイルコーン形状の円筒状(スティングと呼ばれる)への変更、両エンジン間の機体上面の形状変更などが含まれる。背部のエアブレーキは廃止され、ラダーを左右に動かすことで機能を代替している。廃止したエアブレーキ部分に燃料タンクを増設しており、燃料搭載量はSu-27と比べて22%増加し、11.5トンとなっている。加えて、増槽を装備した場合は14.5トンまで搭載可能である。また、引き込み式空中給油用プローブが装備されており、必要に応じて給油を行うことで航続距離を伸ばすことができる。チタン合金の広範な使用により、機体構造は強化されており、運用寿命はSu-27の2倍に当たる6,000時間、最初のオーバーホール時間は1,500時間に増加している。この強化により、最大離陸重量は34.5トンに増加した。前脚は機体重量・搭載量の増加に対応するため、ダブルタイヤ化されている。一方で水平尾翼に炭素繊維を用いるなど、重量を抑える努力も行われている。整備性も改善され、部品数が少なくなったほか、自己診断装置を内蔵している。そのほか、TA14-130-35APUの搭載により、地上車両の支援なしにエンジンの始動が可能になったことやKS-129機上酸素発生装置(OBOGS)の装備で、酸素補給が不要になったことが挙げられる。エンジンは、AL-41F1S(117S)を搭載する。AL-41F1Sは西側ではアメリカのGE製F110-GE-132に匹敵するエンジンで、AL-31Fと比べて推力が16%増加している。エンジン推力の強化に伴い、一度に大量の空気を消費するようになったため、機体のエアインテークを拡大する改修が施されている。AL-41F1SにはPAK FA用に開発されたAL-41F1(117)の技術がフィードバックされており、ピッチとヨー方向に可動する2軸型の推力偏向ノズルを装備している。このエンジンは寿命が4,000時間であり、機体の運用寿命が6,000時間に設定されているので、運用中のエンジン交換は1回で済む。このエンジンの装備により、Su-35は限られた超音速巡航能力、またはアフターバーナーを使用せずに持続的な超音速飛行を維持できる。また、RCS低減のためエンジンのインレットと前段圧縮機には電波吸収体が適応されている。明白な外観の差異に留まらず、Su-35のアビオニクスにはロシア独自の技術が投入され、大幅に性能が向上した。機首レーダーには、パッシブ・フェーズドアレイ・レーダー(PESA)N035イールビス-E(Irbis-E)を搭載する。イールビス-Eは/用に開発されたN011M を大幅に改良した、8-12GHzの周波数帯を使用するXバンド・レーダーで、1,772個の発振素子を持つ。走査範囲は上下各60度、左右各120度。左右方向に関してはレーダーのみだと各60度であるが、油圧式首振り機構を備えることにより更に60度ずつスキャン範囲を広げている。FCS(火器管制システム)全体を見てみると、新型の電波送受信機アリーヴァの搭載、導波管を容量10kwのチェルノーク2型×2基にしたことで、平均5kw、最大20kw照準時の連続波2kw以上という高性能を発揮でき、RCSが3m程度の標準的な目標なら400km、RCS0.01m程度のステルス目標や巡航ミサイルも90kmから探知できる。同時交戦能力も大幅に強化されていおり、空中目標なら30目標同時追尾・8目標同時交戦(セミアクティブレーダーホーミングミサイル使用時は2目標まで)、地上目標なら4目標同時追尾・2目標同時交戦が可能。これはバルスの倍の性能である。しかし、開発の遅れから2008年2月19日に初飛行した際はジュークMSFを搭載していた。将来的にT-50と同様主翼前縁フラップの部分に、Lバンドレーダーを搭載する計画もある。複数個所にレーダーを備えることで、三角測量の要領で高精度な探知が可能になる。LバンドレーダーはXバンドに比べ長距離での識別能力が劣るもののXバンドに対してのみ最適化されたステルス機に対するレーダーとして機能すると言われている。イールビスに関しても将来的にベルカで置き換えられる可能性もある。Su-35はコックピット前方に、OLS-35という赤外線捜索追跡(IRST)システムを搭載している。Su-27が搭載していたOLS-27の改良型で、光学TV、赤外線撮像装置、レーザー測距儀を統合している。上方55-60度、下方15度、左右45度ずつを捜索できる。探知距離は航空目標に対し、ヘッドオンで50km、追尾する状況だと90km程度で(エンジンの排気ノズルから、より多量の赤外線を放射するため)、同時に4目標を追尾できる。OLS-35はレーザー測距儀も備え、地上目標なら30km、空中目標なら20kmの距離で目標との距離評定及びレーザー誘導兵器の照準を行える。2016年からはOLS-35Mと呼ばれる改良型を開発する予定で、2017年より実装させる予定である。対地攻撃時には航空機の操縦とナビゲーション能力を強化するためT220/E照準ポッドを装備する。自己防御装置としては、紫外線方式のミサイル警報装置を6基、レーザー警報受信機を2基、SPO-32"パステル"レーダー警報受信機、チャフ・フレア・ディスペンサを装備するほか、自翼端のハードポイントには、R-73用レールランチャーと選択式でL265M10-02 ヒービヌィ-M ジャミングポッドを搭載できる。これはSu-34が装備しているL-175ヒービヌィの近代化型でモジュール化されている。このバージョンではセンターラインのポッドはオプションであるが装備させることにより尾部に搭載された他の機材と連帯してエスコートジャマーとすることも可能である。効果範囲は左右上下45度、4kwまでの出力で敵レーダーを妨害できる。デジタル周波数記録装置(DRFM)を搭載しており、敵レーダーの周波数を解析して同周波数の電波を発信、自機位置を欺瞞するディセプション・ジャミングも可能である。機上通信システムとしてはポレト社が開発したS-107-1(輸出型はS-108)を搭載している。輸出型のS-108はUHFおよびHF帯域を使用するAT-Eデータ交換端末を含んでおり、これを介して350-500kmの範囲で最少25kbpsの通信速度でデータや音声を他の航空機や地上施設と共有できる。AT-EはJTIDSおよびMIDS端末に匹敵するとされ、使用するデータリンクも高いECCM性を誇っているとされる。ほかにもNKVS-27という地上の管制所を介して早期警戒機などとリンクする通信システムの機材も搭載されている。こちらはHF、VHF、UHF帯域を使用し1,000-1,500kmの範囲で音声通信などが可能。通信速度はHF帯で75、150、300、2,400bps、VHF/UHF帯で1,200、2,400、4,800、25,000bpsである。操縦系には、新型のKSU-35 3軸安定式4重デジタル・フライ・バイ・ワイヤが導入される。無線航法装置としてはGPS/GLONASS統合型のものが搭載される。また、衛星信号が利用できない場合のためにBINS-SP2レーザジャイロ式慣性航法装置も搭載されている。この装置は精度が以前の慣性航法システムの倍であり、他国の同様の装置のほぼ2倍である、約10,000時間の寿命を達成している。操縦席には正面に2基の大型液晶多機能ディスプレイMFI-35(2.5×30cm、1450×1050ピクセル)2基、左端に1基の小型の多機能ディスプレイ、右上に電子式の姿勢指示計(ADI)が備えられ完全にグラスコックピット化されている。HUDも従来より広角のIKSh-1M(コリメータ式、視野角20×30度)が搭載されている。操縦桿、スロットルレバーにもHOTAS概念が導入され、ユーザーフレンドリーな設計となっている。また、各センサーからの情報を整理して表示するセンサーフュージュン機能も搭載されている。暗視ゴーグルやHMDの併用も可能で、ディスプレイとの互換性を有する。データの引用元: Jane's AWA
出典:wikipedia
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