『1973年のピンボール』 (せんきゅうひゃくななじゅうさんねんのピンボール) は、村上春樹の2作目の長編小説。文芸誌『群像』1980年3月号に掲載され、同年6月17日、講談社より単行本化された。表紙の絵は佐々木マキ。1983年9月8日、講談社文庫として文庫化された。2004年11月16日、文庫の新装版が出版された。本人は異なる証言をしているが、タイトルは大江健三郎の『万延元年のフットボール』のパロディという説がある。第83回芥川賞(1980年上半期)の候補作となった。「鼠三部作」の2作目。1973年9月に始まり、11月に終わる。第1章から第25章まで、「僕」の物語の章と鼠の物語の章に分かれ、二つの物語系列がパラレル(平行)に進行していく。村上は当初、小説をリアリズムで書こうとしたが挫折し、「鼠」の章のみリアリズムで書いたと述べている。推敲を何度も重ねることで知られる村上だが、終盤の倉庫の箇所は一切書き直しなしで書いたという。初期の長編2作は講談社英語文庫の英訳版(『"』と『"』)が存在するにもかかわらず、村上自身が初期の長編2作を「自身が未熟な時代の作品」と評価しており、長い間日本国外での英訳版の刊行は一切行われていなかった。しかし2015年8月4日にテッド・グーセンの新訳により、『風の歌を聴け』との合本でから出版された。また同日、オーディオブック版もRandom House Audioから発売された。2016年7月1日、電子書籍版が配信開始。1973年、大学を卒業し翻訳で生計を立てていた「僕」は、ふとしたことから双子の女の子と共同生活を始めることになる。そんなある日、「僕」の心をピンボールが捉える。1970年のジェイズ・バーで「鼠」が好んでプレイし、その後「僕」も夢中になったスリーフリッパーのピンボール台「スペースシップ」を捜し始める。鼠は1970年に大学を辞めて以来、故郷の街のジェイズ・バーに通ってバーテンのジェイを相手に現実感のない日々を送っていた。1973年9月のはじめ、新聞の不要物売買コーナーで電動タイプライターを見つける。タイプライターの持ち主の女と鼠は関係を持つ。以下は『群像』1980年3月号掲載版と単行本と『村上春樹全作品1979~1989』の本文異同である(主なもののみ)。山﨑眞紀子著『村上春樹の本文改稿研究』(若草書房、2008年1月)に拠った。
出典:wikipedia
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