短調による12の練習曲(Douze études dans tous les tons mineurs)作品39は、シャルル=ヴァランタン・アルカンによって作曲され、1857年に出版されたピアノのための練習曲集。全12曲からなり、フランソワ=ジョゼフ・フェティスに献呈された。タイトル通り全12曲が短調で構成され、「長調による12の練習曲」作品35と対を成している(こちらもフェティスに献呈されている)。イ短調に始まり、下降五度循環によりニ短調、ト短調…変ホ短調、嬰ト短調(=変イ短調)を経て最後にホ短調となる。『長調による12の練習曲』が全曲で1時間程度(フランツ・リストの『超絶技巧練習曲』などと同等)であったのに対し、この作品は全曲を演奏すると約2時間を要する、破格の規模を持つ巨大な曲集であり、またアルカンの培ってきた音楽語法やピアノ書法の一つの集大成とも言える作品である。森下唯は、「ピアノ表現の限界と、そしてまた自身の音楽表現の限界をも目指した」曲集と形容し、それが『練習曲』と題されていることについて「技巧そのものが音楽となり、音楽そのものが技巧となる、そんな究極の名技性の体現を目指したアルカンの誇りに満ちた宣言」と分析している。『交響曲』や、『協奏曲』、『序曲』といった題名を見てわかるとおり、この曲集の特徴の一つとなるのが、ピアノによるオーケストラの響きの再現である。オーケストラ作品を思わせる指示もたびたび見られ、例えば第8番から第11番の『協奏曲』では、「ピアノソロ」と「トゥッティ」が書き分けられている。演奏機会の多いとはいえないアルカン作品の中では、代表作として比較的取り上げられる機会も多く、全曲録音は4種(ロナルド・スミス、、ミヒャエル・ナナサコフ、)が存在し、エゴン・ペトリ、ジョン・オグドン、、中村攝、マルカンドレ・アムランなどが抜粋を録音している。
出典:wikipedia
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