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マスコット

マスコット(フランス語:Mascotte、英語:mascot)とは、「人々に幸運をもたらすと考えられている人・動物・もの」のこと。身辺に置いて大切にする人形や、何らか団体(グループ)のシンボルとする動物などである。マスコットは人や動物だけとは限らず、植物であったり、色であったりすることもある。英語の"mascot"という語の語源に関してははっきりしていないところが多く、また、この言葉が人々の間で広く使われるようになったのは19世紀のオペレッタ作品によるので、まずは19世紀の用法から説明し、そこから順に古いほうへと起源を辿る形で説明を試みる。一般にこの言葉が広まったのは、1880年にフランスの作曲家が制作した"La Mascotte"という題の喜劇オペレッタによる。これは、ある家に棲みついた妖精がその家に住むイタリア人農夫に幸運をもたらす、という物語である。これは翌1881年には、かなりトーンダウンした形で英語に翻訳され英語圏で上演され、このような意味・用法が人々の間に広まったわけである。オードランが作品名にmascotteという言葉を用いた19世紀、フランスの方言には「mascotte」という語があり、魔法使いの魔術、親身になってくれる妖精、幸運をもたらすもの、といった意味で用いられていた。このフランス語の方言の「mascotte」の起源ははっきりしないが、おそらくプロバンス語の「mascoto」(「魔法使い」や「おまじない」)である。(というのも、ナルボンヌの1233年の写本では、「mascoto」は、女からの誘惑、賭けごとにおける魔法などの意味で使われているから。)。このmascotoの語源は、masco(「魔法使い」)で、その起源をさらにたどると、古プロバンス語の「masca」で、そのmascaの起源となると、確かなことがわからないが、中世ラテン語のmasca(「顔をかくすもの」「幽霊」などの意味)が語源である可能性はある。一方、masquという言葉は「何かに覆われた、隠された」という意味だが、プロヴァンス地方には、出産の際に羊膜に包まれて生まれてきた子供には幸運が宿っているという言い伝えがあり、そこから"masqu"という語が「家に幸運をもたらすもの」を表すようになったのではないかと言われている。アメリカ合衆国では、大学やプロのスポーツチームがしばしばそのマスコットによって識別される。最初期のスポーツマスコットの一つは1908年のシカゴ・カブスのものである。マスコットは、アメリカやイギリスを始めとする軍隊組織に古くから普及していた。アメリカ海兵隊のエンブレムに描かれているハゲワシやブルドッグ等はよく知られた例である。またイギリス軍の連隊の多くはそれぞれの生きた動物をマスコットにしており、パレードの際にひきつれて歩く光景がよく見られる。ノルウェー郷土防衛隊の楽隊は、イギリスのエジンバラを訪問する際には「ニルス・オーラヴ」という名前のキングペンギンを連れている。イギリスやアメリカでは大学や高校さらには中学校には「スクールマスコット」が定められている学校がある。企業のブランドと関連したマスコットは「企業マスコット」と呼ばれる。自動車のラジエーターグリルの上やボンネットの先端に付けられたものは「フードマスコット」とも呼ばれる。近年では、個人のウェブサイトにおいても、マスコットが存在するケースがある。また鞄等に付けるミニサイズのぬいぐるみ(マスコット人形)もマスコットと呼ばれる。人間型のマスコットはしばしば論争の種になる事がある。例えば、イリノイ大学の「Fighting Illinois(戦うイリノイ族:イリノイ州の語源となったネイティブ・アメリカン)」のマスコットは、人種問題の観点から問題視された。このような問題はイリノイ大学の様な大きな学校に限らず存在し、アルフレッド大学(生徒数2000人程度)のサクソン人の騎士を模したマスコットは、サクソン人の優越を示すものとして抗議を受けた(これらの問題に対してはポリティカル・コレクトネスの指摘もある)。日本ではタバコや酒などにマスコットやキャラクターを用いることは控えられており、未成年に対して影響があるとのことでしばしば販売者側と日本アルコール問題連絡協議会等の間で問題となっている。近年の例ではサッポロビールのドン・シボリオーネ(『サッポロ生搾り』のCMに出てくる犬型のパペット)などが挙げられる。

出典:wikipedia

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