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国之常立神

国之常立神(くにのとこたちのかみ)は、日本神話に登場する神である。日本神話の根源神として一部神道・新宗教で重要視されている。『日本書紀』においては、初めての神とされる。『古事記』では国之常立神、『日本書紀』では国常立尊(くにのとこたちのみこと)と表記されている。別名、国底立尊(くにのそこたちのみこと)。神名の「クニノトコタチ」は、日本の国土の床(とこ、土台、大地)の出現を表すとする説や、日本国が永久に立ち続けるの意とする説など、諸説ある。天地開闢の際に出現した神である。『日本書紀』本文では、国常立尊を最初に現れた神としており、「純男(陽気のみを受けて生まれた神で、全く陰気を受けない純粋な男性)」の神であると記している。他の一書においても、最初か2番目に現れた神となっている。『古事記』においては神世七代の最初に現れた神で、別天津神の最後の天之常立神(あめのとこたちのかみ)と対を為し、独神(性別のない神)であり、姿を現さなかったと記される。『記紀』ともに、それ以降の具体的な説話はない。『日本書紀』では最初、『古事記』でも神代七代の最初に現れた神とされることから、始源神、根源神として神道理論家の間で重視されてきた。伊勢神道では天之御中主神、豊受大神とともに根源神とし、その影響を受けている吉田神道では、国之常立神を天之御中主神と同一神とし、大元尊神(宇宙の根源の神)に位置附けた。その流れを汲む教派神道諸派でも国之常立神を重要な神としている。国之常立神を重要視し、日本の歴史に大きな影響を与えたのが新宗教大本である。1892年(明治25年)2月3日、京都府綾部在住の無名の老婆出口直(なお)は「艮の金神」と恐れられる祟り神の神懸かり現象を起こした。古神道や伯家神道の知識を持つ出口王仁三郎は直に懸かった神を「国之常立神(国常立尊)」と判断。国祖である国常立尊はその統治に不満を持った神々により鬼門の方角に封印されたが、現在になり復活の時が近づいているという終末論を主張した。直と王仁三郎の教団大本は大正~昭和初期にかけ発展を遂げ、宮中関係者や陸海軍将校が多数参加する一大宗教勢力となった。大日本帝国は現人神たる天皇(天照大神)の権威を覆しかねない大本に警戒感を強め、1921年(大正10年)1月10日と1935年(昭和10年)12月8日に宗教弾圧を行った(大本事件)。特に二度目の第二次大本事件では治安維持法違反と不敬罪により徹底的な弾圧を加え、大本は壊滅した。大本事件の背景には、出口王仁三郎と大本が持つ政治的影響力に政府が警戒感・恐怖感を抱いたことに加え、国家神道と新宗教の間に宗教観・神話体系の相違があったことが指摘される。神仏分離により、各地の妙見社は祭神を天之御中主神と改めたが、一部には、国之常立神を祭神に改めた社もあった。国土形成の根源神、国土の守護神として信仰され、以下の諸社で祭られている。

出典:wikipedia

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