OpenLDAPは、Lightweight Directory Access Protocol (LDAP) のフリーかつオープンソースの実装であり、OpenLDAP Project が開発している。独自のBSD系ライセンスである OpenLDAP Public License でリリースされている。いくつかのLinuxディストリビューションではOpenLDAPでLDAPをサポートしている。他にもBSD系、AIX、HP-UX、Mac OS X、Solaris、Microsoft Windows(NT系の2000、XP、Vistaなど)、z/OSで動作する。OpenLDAP Project は1998年、Kurt Zeilenga が創始した。LDAPプロトコルの開発と改良を長期プロジェクトとして行ってきたミシガン大学のLDAPリファレンス実装のクローンを出発点としてプロジェクトが始まった。2006年4月時点で、OpenLDAP Project の中核チームは Howard Chu(チーフアーキテクト)、Pierangelo Masarati、Kurt Zeilenga の3人で構成されている。他にも活発に活動している重要なコントリビュータとして、Luke Howard、Hallvard Furuseth、Quanah Gibson-Mount、Gavin Henry らがいる。OpenLDAPは次の3つのコンポーネントから成る。さらに OpenLDAP Project ではいくつかのサブプロジェクトも運営している。OpenLDAPサーバ (slapd) は歴史的経緯から、ネットワーク処理とプロトコル処理を受け持つフロントエンドと、データストレージを扱うバックエンドに分かれている。モジュラー構造になっており、バックエンドとしては通常のデータベースだけでなく様々なテクノロジーとのインタフェースを提供する多様なものが存在する。なお、古いリリース (1.x) では、「バックエンド」と「データベース」はほぼ同義に使われていた。正確には、「バックエンド」はストレージインタフェースのクラスであり、「データベース」はバックエンドのインスタンスの1つである。slapdサーバは同時に複数のバックエンドを使うことができ、同種のバックエンドの複数のインスタンス(例えば多数のデータベース)を同時に扱うこともできる。現在、OpenLDAPディストリビューションには16種類のバックエンドが含まれており、他にもサードパーティが独自のバックエンドを開発している。標準バックエンドは大まかに以下の3種類に分類できる。古いバージョンのOpenLDAPには今は使われていないバックエンドもあった。例えば、back-ldbm は元になったミシガン大学のコードを受け継いだバックエンドである。また、back-tcl は back-perl や back-shell と同様にTclスクリプトを呼び出すバックエンドである。実際、back-perl、back-shell、back-sock といったバックエンドは任意のプログラミング言語へのインタフェースとすることが可能で、拡張やカスタマイズが自由に行える。これを利用して、コンパクトでうまく定義されたAPIを持つRPCエンジンとしてslapdを使うことも可能である。通常、LDAP要求はフロントエンドが受信し、解読し、バックエンドに処理させる。バックエンドが要求の処理を完了すると、フロントエンドに結果を返し、そこからLDAPクライアントに結果を送信する。オーバーレイはフロントエンドとバックエンドの間に挿入できるコードの断片である。したがって、そこで要求をインターセプトしてバックエンドが処理する前に別の動作を起動したり、バックエンドが返す結果をインターセプトすることもできる。オーバーレイはslapdの内部APIに完全にアクセスできるため、フロントエンドやバックエンドの関数も呼び出すことが可能である。一度に複数のオーバーレイを使うこともでき、フロントエンドとバックエンドの間にモジュールのスタックを形成できる。オーバーレイは、データベース機能の強化に対応する単純な手段として使うことができ、新たなバックエンドを作成する必要がない。新機能をコンパクトで保守が容易なモジュール形式で追加できる。OpenLDAP 2.2 でオーバーレイが導入されて以来、多数のオーバーレイがコミュニティから集まっている。OpenLDAPディストリビューションには20以上のオーバーレイが含まれている。さらに10個のオーバーレイが user-contributed code section にあり、他にも続々と集まっている。OpenLDAPは、サン・マイクロシステムズやNetscape/Fedora/Red Hatが使っているプラグインアーキテクチャ SLAPIもサポートしている。最新版では、SLAPIフレームワークはslapdのオーバーレイ内で実装されている。Sun/Netscape/Fedora/Red Hat 向けに書かれたプラグインの多くはOpenLDAP互換だが、OpenLDAPコミュニティではSLAPIはほとんど使われていない。OpenLDAPのメジャーリリースの履歴を示す。
出典:wikipedia
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