ペガサスロケットは、アメリカのオービタル・サイエンシズ社(OSC)が開発した人工衛星打ち上げ用空中発射ロケットである。名称はスタートレックシリーズのU.S.S.ペガサスから。ペガサスロケットは3段式固体燃料ロケットで、巡航ミサイルに似た有翼型の形状を持ち、航空機に搭載されて空中から発射される。空中発射型の人工衛星打ち上げロケットとしては世界初のものであり、翼をもつ飛翔体としては初めてマッハ8に達した。初期のペガサスロケットはX-15の実験などで用いられたアメリカ航空宇宙局(NASA)保有のNB-52Bによって、マッハ0.8、高度約12kmから発射されていた。後期型のペガサス・ハイブリッドとペガサスXLはOSCが保有するスターゲイザーによってほぼ同等の条件で発射されている。人工衛星打ち上げ以外にもNASAのスクラムジェットエンジン実験機 X-43 のブースタとしても使用された。2013年6月に、42回目のペガサスロケットの打ち上げでIRIS衛星を打ち上げたが、これ以降、ペガサスロケットでの打ち上げ予定は入っていない。ペガサスロケットが分離される高度は安定軌道最低高度のおよそ10%であり、分離時の速度であるマッハ0.8は第一宇宙速度の3%である。これによって地上から発射するより小型のロケットで同等のペイロードを打ち上げることが可能であり、機体コストを大きく下げることが可能である。また、発射は高度12kmの成層圏において行われるため、天候によって発射が制限されないという利点がある。これは打ち上げ時間帯が制限される科学衛星や即応性が求められる衛星の打ち上げにおいて有利になる。空中発射ロケットは低コストな運用を可能とするシステムであるが、母機の年間維持費が固定費となるため、年間打ち上げ機数が減少すれば打ち上げ費用は増大する。ペガサスでは1機あたり$6Mでの打ち上げを目指していたが、受注機数が予想を下回り1992年の段階で$12.5Mであった。その後、母機や1,2段等の構成が変更された事で費用は上昇、近年の年間1機体制では$20M以上にもなっている。これによって当初目指していた低コストでの運用は困難となっており、約1.5倍のペイロードで$19Mのミニットマン弾道ミサイル転用ロケットミノタウロスIに顧客が流れている。3段のOrion固体ロケットモータで構成され、軌道投入精度を向上させるためにオプションとして液体上段 (HAPS : Hydrazine Auxiliary Propulsion System) を搭載することも可能である。姿勢制御は初段がデルタ翼と3枚の尾翼によって、上段はMNTVCによって制御される。最初期の構成。6機が打ち上げられ4機が成功した。母機がNB-52BからL-1011へ変更された。4機が打ち上げられ全て成功している。2009年現在ペガサス・ハイブリッドにおいて第4段HAPSが用いられたことは無い。最も一般的な構成。30機が打ち上げられ3機が失敗している。ペイロードの括弧内の数字は搭載機数。
出典:wikipedia
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