『ミッドウェイ』(原題: "Midway")は、1976年にアメリカが制作したミッドウェー海戦を題材にした戦争映画である。序盤で東京や川崎などの主要都市に対するドーリットル空襲などが描かれ、終盤では1942年6月4日から7日のミッドウェー海戦で航空母艦・ヨークタウンが撃沈されるまでの過程を描いた作品である。アメリカ建国200周年を記念して製作された。チャールトン・ヘストン、ヘンリー・フォンダ等、ハリウッドを代表する豪華スターが多数出演しているが、日本人俳優は山本五十六役の三船敏郎以外は当時米国内で活躍していた日系人俳優たちで編成され、台詞は三船を含め全て英語となっている。空戦や海戦など戦闘シーンの多くは戦時中のニュースフィルムと過去に製作された戦争映画からの流用で構成された(後述)。作品ラストに流れる音楽はオリジナルとして制作された。また音響は『大地震』に引き続き当時としては最新のセンサラウンド(Sensurround)という特殊な技術を使用し臨場感を高めた。尚、公開当時本編の前にセンサラウンドを説明するクレジット・アナウンスが映しだされた。太平洋戦争が開戦して間もない1942年の4月18日。突如、米空母ホーネットより発艦したB25が日本に襲来し東京を初めとする主要都市が被害を受ける。被害は少なかったとはいえ連勝中の日本軍にとっては痛手であった。広島にいた山本五十六は急遽友永丈市や南雲忠一を召集し真珠湾攻撃で打ち漏らした敵空母を沈め、それに合わせてミッドウェー諸島を占領しハワイ攻略に結びつけるMI作戦(ミッドウェー海戦の略称)を発案。直ちに4隻の空母からなる機動部隊と戦艦を筆頭とする主力部隊を編成しミッドウェーに進撃した。しかし、アメリカは日本の暗号をわずかながら解読することに成功し、珊瑚海海戦で大破したヨークタウンを筆頭とする機動部隊を派遣するのであった。そんな中、日本海軍は真珠湾を偵察するK作戦を合間に実行する。日本国内でのテレビ初放映(TBS)の際には、劇場公開の際には含まれていない33分の映像(珊瑚海海戦のシーンと、ガース大佐の恋人であるアンの登場シーンなど)が追加されたバージョンが放映された。本作における戦闘の場面や兵器が登場する場面は、その大半が米軍が戦時中に記録した他の戦域の実写フィルム映像(ミッドウェイ海戦とは無関係)と、過去に上映された他社の劇場用映画作品からの流用である。例えば、冒頭のドーリットル隊による空母発艦とそれに続く東京空襲はMGMの『東京上空三十秒』から、零式艦上戦闘機の空母発艦・ミッドウェイ島攻撃・車両が炎上したり米兵が対空砲を撃ったり吹き飛ばされたりするシーンは20世紀フォックスの『トラ・トラ・トラ!』からそれぞれ流用された。また、東宝製作の日本映画『ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐』や『連合艦隊司令長官 山本五十六』などからも、空母赤城や飛龍の甲板シーンや格納庫の炎上シーン、漁民たちからの見送りをうけるシーンなどが使用された。最終的にスマイトが自身でとったシーンは、132分の上映時間のうち100分を切っている。劇中には当時の連合艦隊旗艦として戦艦大和が登場する。しかし、この映像は映画「トラ・トラ・トラ」で長門としての映像を使いまわしたものである。また、大写しの場面以降は遠距離から撮影されたものが3度ほど出てくるがあまり似ていない。なお日本艦の遠影のシーンの殆ども新規撮影ではなく、過去の日本映画作品で使われていた特撮シーンの使いまわしである。日本側の実艦のシーンとしては、日本空母にみたてた映画製作当時の米国現役空母ぐらいとなっている。全編を通して日系人を起用したためか、日本人も英語で喋るという摩訶不思議な状態になるが、第二次世界大戦のヨーロッパが舞台である『レマゲン鉄橋』ではドイツ人が英語で喋るなど、当時の戦争映画はあまり国際性を重視しなかったと思われる。これは国同士の対立がデーマとなる戦争映画だから違和感が問題になるのであって、ヴィスコンティの文芸大作をはじめ、音楽家の伝記映画など殆どの欧米映画は言語に頓着していない。2008年の『愛を読むひと』も、ナチスの戦後問題という、きわめてドイツ固有のテーマを扱いながらセリフは全編英語である。公開上映当時の形では、ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン制作販売のDVDがある。劇場公開時のカットシーンや米国でのテレビ放映時の追加シーンなどの映像特典入り。ただし日本語吹き替えバージョンや日本でのテレビ放映時の追加シーンなどは収録されていない。なお、このDVDの日本語字幕は、軍事や軍記の知識に乏しいスタッフが携わったと思われ、軍事用語として捉えた場合、多くの誤訳や不自然さが目立つ訳が多数見られる。ちなみに、日本国内でテレビ放送されたおりの日本語吹き替えや字幕では、このDVDに収録されている字幕にみられるような違和感のある訳は殆ど見当たらない。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。