ぞうさんペーパーは、株式会社ミチコーポレーションがスリランカで製造するリサイクルペーパーである。ぞうさんペーパーは、スリランカで開発、製造されたリサイクルペーパー。原料は現地に生息するセイロン象の糞。糞の中に大量に含まれる植物繊維を利用して独自の方法で製紙、画用紙やノートなどに加工して製品化に至る。当初は現地のゴミ資源有効利用を目的とした事業の中での小規模な生産であったが、再生した紙を画用紙やノート、さらにはアルバムや名刺などに加工したことで市場での需要を喚起。現在では日本やアメリカをはじめ、約20ヶ国に輸出されている。「ぞうのウンチからできた紙」、というフレーズに、大多数の人間は「臭くはないのか?」との懸念を示すが、実際には無臭。もともと象の糞は大半が繊維であるため、他の動物のような悪臭は少ない。その上、製造段階で煮沸による殺菌が行われるため、紙すきをする段階で、既に臭いはない。ちなみに開発当初、馬糞での製紙も試みたが、臭すぎて話にならず、現地製作スタッフのストライキにまで発展しかけたというエピソードがある。尚、衛生面に関しては、スリランカの公的機関であるCeylon Institute of Scientific and Industrial Research (CIRIS)の調査結果により、安全性と環境破壊を発生させない旨の証明が得られている。ぞうさんペーパーが製造されはじめた背景は深刻である。スリランカでは国の近代化や長年続いた紛争によって、もともとあった熱帯の森林が激減。そこで暮らしていた野生のセイロン象(アジア象の亜種)が住処を追われるという事態が続いていた。1日に大量のエサを必要とする象は頻繁に人里に出没。畑を荒らすことから住民と衝突し、中には殺害されてしまう象も少なくなかったのである。住民の中には、生活に馴染み深い象を殺すのに胸を痛める人たちも多く、しかしながら紛争で雇用や経済は壊滅。象に農作物を荒らされる事は死活問題であり、荒れ狂う象を泣く泣く始末せざるを得ない状況だった。そんな中での打開策の一つとして、象の派生物を利用した事業が注目され、雇用創出のメリットと自然保護の理念に共感した現地政府やNPO団体による支援を獲得。生産規模拡大の追い風となった。ぞうさんペーパーが世界中に注目されるきっかけとなったのが、BBCとNewsWeek誌が主催する「ワールドチャレンジ2006」である。起業や革新を成し遂げた世界中の個人やグループを対象とするこのイベントで、グランプリを獲得したことにより、スリランカ国内だけのローカル事業が世界規模のリサイクル事業へと一気に昇華した。さらに2007年7月には、ぞうさんペーパーから作られた絵本、「ぼくのウンチはなんになる?」がユネスコアジア文化センター賞受賞を受賞し、国内での認知度もさらに高まった。リサイクル事業が軌道に乗ったからといって、森林が回復するわけではない。依然として象は人里に出没し、時に群れとなって民家を襲撃する。ぞうさんペーパーの工場もしばしば襲撃に悩まされ、従業員が逃げ帰ってしまうために生産が停止してしまうこともある。今ではツリーハウスで監視小屋が整備され、従業員が双眼鏡で象を監視しながらの生産となっている。象は基本的に臆病な動物だ。野生の象が雷や野良犬に追われてどこかに逃げ去ってしまうことが多い。そうなると糞の回収はできなくなり、結果として生産はストップする。この問題はいまだに解決されていない。当初、ゾウさんペーパーの輸出はワシントン条約の関係で難しかった。現在は特例として認められているが、その背景には日本国政府とスリランカ政府の働きかけがあったからに他ならない。その過程で、スリランカの総理大臣がワシントンに行った折、国のギフトとしてぞうさんペーパーのレターセットを ブッシュ大統領とパウエル国務長官にプレゼント。この件がきっかけとなり他国への販売ルート拡大につながった。ちなみにこのレターセットは、2009年8月放映の24時間テレビ(日テレ系)で、お笑いコンビのオードリーが「自費で購入した」と紹介した製品と同一のものである。福田康夫は、日本スリランカ協会の会長を務めるなど、スリランカとゆかりの深い人物である。そんな関係もあり、ぞうさんペーパーとの絡みも少なくない。2007年に多摩動物公園のイベントでは、福田や三笠宮夫妻が主席されたが、そこでぞうさんペーパーの紙すきが実演された。ここで作られた紙は、後日のG8で首相はもちろんブッシュ大統領にも使用された。。ちなみに福田の首相当時の名刺もぞうさんペーパーを使用して作られたものである。
出典:wikipedia
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