クラ(Kula)は、パプア・ニューギニアのトロブリアンド諸島、ルイジアード諸島、ウッドラーク島、ダントルカストー諸島などの民族によって行われる交易である。クラ交易とも表記する。クラの関係は、贈り物と奉仕の相互交換を2人の間に生み出し、何百キロメートルも離れた人間を直接または間接的に結びつけ、義務のやりとりで複雑な規則を守らせる。これにより、部族間に網目状の関係が作られる。また、クラによって他の品物や習慣、歌などの芸術も伝えられる。クラの品物は一時的にしか所有されないが、この所有によって名声を得られ、クラにまつわる功績や逸話が共有される。そのため、競争心、所有欲、名誉欲と結びついている。クラにともなって副次的交易が行われ、天然資源の確保がなされる。クラの相手が欲しがる品物を積んで贈り物としたあと、故郷へ持ち帰る品物を手に入れて運ぶ。遠征の途中で品物を調達する場合もある。ヴァイグアほど重要ではないが、他にもクラに関係する贈り物が多数存在する。食物の贈り物であるポカラやクワイポル、クラの対象とならない宝物であるカリブトゥ、小さな宝であるコロトムナ、返礼できない場合に中継ぎとして使われるバシなどがある。遠洋航海のクラにあたっては、カヌーの建造をはじめクラ共同体をあげて準備が行われ、船大工への支払いや、サガリという食物の再配分などが活発に行われる。クラは人類学者のブロニスワフ・マリノフスキによって詳細に研究され、彼が『西太平洋の遠洋航海者』という著作を発表して以来、多くの研究者の注目を集めている。マリノフスキは、クラに用いられるヴァイグアをトロフィーにたとえて論じた。マルセル・モースは、『贈与論』で贈与と交換の体系からクラを研究した。カール・ポランニーは、『人間の経済』でクラを互酬関係の1つとして論じた。
出典:wikipedia
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