『無用ノ介』（むようのすけ）は、さいとう・たかを作の日本の漫画作品、およびこれを原作として1969年3月1日から同年9月20日まで日本テレビ系列にて放映された連続テレビ時代劇。1990年にはテレビ朝日系列にて単発ドラマとして放映された。1967年から1970年にかけて「週刊少年マガジン」（講談社）に連載されていた。なお、単行本は現在、リイド社から発売されている。賞金稼ぎだった父と町の遊女との間に「無用の子」として生まれ、孤児として育った孤独な男で、自らも賞金稼ぎを生業とする隻眼の浪人・志賀無用ノ介が、我流の「野良犬剣法」で生きる為に必死に戦う（単行本・第4巻・第13話「夏の終わり　無用の介はひとり」において母親らしき人物は登場するが、母親では無いことが判明。以降、母親が誰かは不明のままである。）。主人公・無用ノ介役には、当時デビュー間もない新進俳優だった伊吹吾郎が扮した。伊吹は1万を越す書類選考と100人を越す面接を経て抜擢され、劇画と寸分違わぬイメージが話題となった。監修は日本映画界の巨匠・内田吐夢が務め、主題歌『ひとり行く』は、昭和を代表する国民的人気歌手・美空ひばりが歌うなど、テレビ時代劇史上類を見ない豪華さも話題を呼んだ。また、日本テレビのテレビ時代劇では初のカラー作品である。劇画の迫力そのままに、豪快かつ斬新な殺陣の場面や、賞金稼ぎとして生きるがゆえの孤独や悲しみ、無用ノ介にまつわる人々の哀歓が、人間臭く骨太な作風で描かれた。ロードムービーの形式をとり、主人公の無用ノ介以外の出演者は、毎回すべてゲスト出演者である。放送は7ヶ月に及んだが、放送回数は18回で最終回も未放映に終わっている。伊吹はプロ野球中継の放送が優先された雨傘番組扱いであったと証言しており、視聴率も苦戦したとされる。『ひとり行く』1990年10月8日、19:03 - 21:48にテレビ朝日系で「秋の時代劇スペシャル」として単発ドラマが放映された。主演・高橋英樹。制作・東映。