『巌窟王』(がんくつおう)は、アレクサンドル・デュマ・ペールの小説『モンテ・クリスト伯』を原作とする日本のテレビアニメ。テレビ朝日で、2004年10月5日より2005年3月29日まで放送された。それ以外の局では放送されず、長らく関東ローカルであったが、2008年6月17日より2008年12月2日までNHK-BS2で放送された。全24話。この作品を企画した前田真宏監督によれば、当初はアルフレッド・ベスターのSF小説『虎よ、虎よ!』をアニメ化しようとしたが、著作権の関係で果たせず、『虎よ、虎よ!』のモチーフとなった『モンテ・クリスト伯』をアニメ化することにしたという。原作である『モンテ・クリスト伯』での19世紀ヨーロッパの舞台は幻想世界である未来のパリへ、ローマでの謝肉祭もルナに移されていたり、宇宙船や宇宙戦艦、「鎧」と呼ばれる有人操縦式の人型ロボット兵器が登場したりと、『虎よ、虎よ!』におけるSF的世界観の要素を取り入れている。さらに脇役の一人に過ぎなかったアルベールを主人公に据えていたりと、原作を忠実にアニメ化してはいない。アルベールの友人として原作では中盤には登場しないフランツやユージェニーなどを中心に、復讐する側の視点ではなく復讐される側の子どもたちの視点から話を構成するなど、ストーリーや人物設定に大きな改変が加えられている。パリの青年貴族・アルベールは退屈な日常に飽き、刺激を求めて、親友のフランツとともに、月面都市・ルナのカーニバルに参加する。そのころ、ルナの社交界では東方宇宙からやって来た謎の紳士、モンテ・クリスト伯爵の話題でもちきりだった。オペラ座でモンテ・クリスト伯爵の姿を見たアルベールはその存在感に圧倒される。やがて、モンテ・クリスト伯爵との交流を深めていったアルベールは、伯爵の妖しい魅力の虜となっていく。カーニバル最終日、ルナで知り合った美少女・ペッポとの逢瀬を楽しんでいたアルベールであったが、ペッポの正体はルナの山賊ルイジ・ヴァンパの手下であった。アルベールはルイジ・ヴァンパ一味に誘拐され、フランツのもとに莫大な額の身代金を要求する手紙が届けられる。身代金の調達に窮したフランツはモンテ・クリスト伯爵に助けを求め、モンテ・クリスト伯爵の尽力でアルベールは解放される。感激したアルベールはモンテ・クリスト伯爵をパリの社交界に紹介する。パリに移り住んだモンテ・クリスト伯爵は、己の莫大な富を誇示して、パリの人々の度肝を抜く。さらに、モンテ・クリスト伯爵は息子の友人として、アルベールの父・フェルナンに接近し、さらにダングラール銀行の口座に莫大な額の金を振り込んで、金融界の大物・ダングラールをも懐柔する。フェルナン、ダングラールに加え、法曹界に力を持つヴィルフォールをモンテ・クリスト伯爵は自分の別荘に招待するが、その別荘はヴィルフォールがかつてダングラール夫人との間にもうけた不義の子を始末した場所であった。ヴィルフォールの秘密を知っているかのごとく振舞うモンテ・クリスト伯爵に不審を抱いたヴィルフォールは、密偵にモンテ・クリスト伯爵の身辺を調査させる。やがてフェルナン、ダングラール、ヴィルフォールのもとにエドモン・ダンテスと名乗る人物から葬儀の案内状が届く。指定された教会に現れたのは3人の過去を知るカドルッス、そしてそこで4人が見たものはヴィルフォールが放った密偵の死体だった。その日から4人の運命は、その家族も巻き込んで次第に狂いだしていく。最終話の衣装デザインにはアナスイも参加している。本編中にはピョートル・チャイコフスキーの『マンフレッド交響曲』がしばしば用いられている。※第二十三幕での最終幕の予告はされていない。服の柄や煌びやかな都市などをテクスチャを使って表現するなど、映像的にも斬新な試みが行われている。2005年の東京国際アニメフェアでテレビ部門の優秀作品賞を受賞した。本作のDVDには隠しメニューが存在し、背景やBGMが変わるだけでなくそこからチャプターをすると、冒頭の語りが巌窟王のフランス語からモンテ・クリスト伯(声は中田譲治)の日本語になる。監督である前田真宏によって漫画化され、『月刊アフタヌーン』2005年5月号から連載されるが、2006年に連載中断、2008年5月号に完結章を掲載した。ストーリーは伯爵が復讐を完遂する以前で終わっている。
出典:wikipedia
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