バレンツ海（バレンツかい、"Barents Sea"）は、北極海の一部で、北西はスバールバル諸島、北東はゼムリャフランツァヨシファ、東はノヴァヤゼムリャに囲まれた海。オランダの探検家ウィレム・バレンツにちなんで命名された。東はカラ海、西はノルウェー海に繋がる。最南西部の大湾は白海と呼ばれる。暖流である北大西洋海流の影響がおよぶ海域に面したムルマンスク（コラ半島）やヴァードー（）は海面が凍結することはない不凍港である。北部や東部、南部の白海付近などは冬季には氷結する。第二次世界大戦では、援ソ輸送船団の主要な航路となったことから北極海の戦いの主戦場となり、船団を攻撃するドイツ海軍と護衛部隊との間で激しい戦いが繰り広げられた。2012年、日本の海洋研究開発機構は、バレンツ海の海氷の分布と日本の気象相関関係に着目、バレンツ海の海氷が少なく、メキシコ湾流の流軸が北の方向に大きくずれる年は、シベリア高気圧とアリューシャン低気圧がそれぞれ発達しやすくなり、日本とユーラシア大陸がそれぞれ厳冬傾向になる可能性を導き出している。石油や天然ガスといった地下資源が豊富とされており、後述のとおり40年にわたって係争が続いた。1970年代よりソビエト連邦（現・ロシア）とノルウェーの間で海域をめぐる主張にズレが生じ、係争状態になっていたが、2010年4月27日に係争海域の面積をほぼ二等分する形で境界線を引くことで合意し、終止符が打たれた。

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