回復訳聖書(かいふくやくせいしょ、The Recovery Version)リビング・ストリーム・ミニストリーより出版されたスタディー・バイブル。学習の補助としての脚注、アウトライン、印照聖句、図、地図などが盛り込まれている。脚注、アウトライン、印照聖句、図の著者はウィットネス・リーである。 回復訳の最初の訳は英語である。そして、他の言語の部分と完本がある。それらは、 中国語 (恢復本), スペイン語 (Versión Recobro), ポルトガル語 (Versão Restauração), ロシア語 (Восстановительный перевод), タガログ語(Salin sa Pagbabawi), セブ語, フランス語, 日本語(回復訳)そして、韓国語 (회복역 성경)に訳されている。回復訳聖書(英語版)は1985年に最初に出版された。1999年版(英語版)は旧約聖書を含んでいる。2003年度版(英語版)は旧約聖書の脚注を含んでいる。日本語の脚注付き回復訳聖書は、新約聖書の初版が1995年、第二版が2009年、旧約聖書は2011年にJGW日本福音書房によって出版された。オンラインで読める日本語版回復訳(オンライン聖書 回復訳)は初版が用いられている。 回復訳聖書の出版元であるリビング・ストリーム・ミニストリーは諸地方召会の出版を担う出版機関であるが、1960年代後半から1970年代にかけて、リビング・ストリーム・ミニストリーおよび諸地方召会は、アメリカのChristian Research Institute、Answers In Action等の団体から激しい反対に遭った。しかし近年、双方の代表者の対話により和解した。2008年にChristian Research Instituteの代表者であるハンク・ハネグラフ(Hank Hanegraaff)、Answers In Actionの理事であるグレッチェン・パッサンティーノ(Gretchen Passantino)の声明文が発表され、過去の誤解の経緯、リビング・ストリーム・ミニストリーおよび諸地方召会の正統性などを明らかにした。また時を同じくし、アメリカの神学校であるフラー神学大学が声明文を発表。リビング・ストリーム・ミニストリーおよび諸地方召会の代表者との長期的な対話と、リビング・ストリーム・ミニストリーの出版物の徹底的な調査と検討を通して、同出版物の神学的正統性を認め、同時に地方召会の実行におけるカルト性を完全に否定した。さらにChristian Research Instituteは、2009年に団体で発行している「Christian Research Journal」を、タイトル名『We Were Wrong (わたしたちは間違っていた)』で発行。同団体が過去行った反対活動によりリビング・ストリーム・ミニストリーおよび諸地方召会がカルト視され、大きな被害を与えた事を謝罪し、リビング・ストリーム・ミニストリーおよび諸地方召会の正統性を改めて詳細に論じた。これらの記事はとても詳細なものであり、62ページある紙面の内、50ページ以上を割いて論述された。 何世紀にもわたって、聖書の翻訳は改善され続けてきました。一般に、それぞれの新しい翻訳は、先に出されている訳から受け継ぎ、そして後に出る訳のために道を開きます。新しい訳は先の訳から助けを受ける一方、さらに前進する必要があります。回復訳新約聖書は、おもな権威ある英語訳によって示された前例に従い、またこれらの訳を参考にしました。そうすることによって、他の訳から学んだことを参考にするだけでなく、偏見や不正確な判断を避けるように心がけました。この翻訳は、他の訳から多くの助けを得て、最も適切な表現を使うように努力しました。それによって、神聖な御言の中の啓示が、英語という言語の中で、できる限り正確に表現されることを願います。 聖書の翻訳は、原語への十分な把握だけではなく、神聖な御言における神聖な啓示の正しい理解にも基づいています。歴代、聖徒たちが持った神聖な啓示の理解は、彼らの受けた光に基づいており、この理解は着実に前進してきました。この翻訳とフットノートは、この理解の集大に基づいています。ですから、この訳とそれに付随するフットノートは、あらゆる場所の聖徒たちが過去二千年に到達した神聖な啓示の「結晶」と呼んでも良いでしょう。回復訳が、受け継がれてきたものを継続し、これからの世代に道を整えることを、わたしたちは願っております。 どの新約聖書の翻訳でも同じように、回復訳新約聖書の底本は、今までに発見された写本に基づいて決定されたギリシャの原文です。回復訳のほとんどは、Novum Testamentum Graece (26th edition)に見られるネストレ-アランドのギリシャ語テキストに従っています。しかしながら、回復訳の翻訳者たちは、各節の原文の決定に当たって、もっと全体的な章ごとの内容、あるいは書ごとの内容、新約聖書の他の似たような箇所に、細かい注意を払いました。それが発見されたものの中で最新の写本であっても、あるいは最古のものであっても、必ずしも最も正確で信頼できるとは限りません。ですから、この翻訳の原文の決定はおもに、すでに言ったような原則に基づいています。ネストレ-アランドのテキスト以外が使っている時、フットノートでそう示されている場合もあります。斜体の文字は加えられた言葉を示しており、これらの言葉は原文にはありません。 回復訳では、原文の意味に関する深い研究を具体化されており、その意味を英語で最も適切に、わかりやすく、読みやすいように表現するという努力がなされています。ギリシャ語原文の正確な意味を表現するのが困難な箇所には、説明のためのフットノートが加えられています。 各書の初めにある主題とアウトラインは、歴史上の事実を根拠としており、各書の霊的意義を表現しています。フットノートが強調しているのは、真理の啓示、霊的光、命の供給であり、それらは歴史、地理、人物など以上に強調されています。引照聖句は、同じ表現や事実を持つ他の箇所を示しているだけでなく、神聖な御言の霊的啓示に関係している事柄をも示しています。ウイットネス・リーと編集室1991年8月1日アナハイム、カリフォルニア 新約聖書回復訳は最初、中国語にて出版され、次に同じタイトルで英語版が出版されました。わたしたちはかねてより、日本語版の必要を感じておりましたところ、このたび、日本福音書房によって翻訳が完成し、米国リビング・ストリーム・ミニストリーによって日本語版が出版されることになりました。わたしたちは、翻訳その他のことで、三一の神のエコノミー(経綸)に関する栄誉ある翻訳事業に参加できましたことを光栄に感じ、心から主に感謝いたします。 新約聖書回復訳は、聖書本文、聖書解説、アウトライン、引照聖句の四つの部分から成っております。聖書解説、アウトライン、引照聖句は、ウイットネス・リー兄弟によるものです。 聖書本文は、ギリシャ語ネストレ二十六版を底本といたしました。また参考として、新約聖書回復訳英語版、および中国語版を用いました。なお語句、その他の表現などでは、新改訳聖書、詳訳聖書、日本聖書協会口語訳、文語訳、新共同訳聖書、永井訳聖書、前田訳聖書など、多くの助けを受けました。これらの先達の働きのゆえに、主に感謝いたします。わたしたちは翻訳に当たって、(1) 尊い神聖な真理を重んじ、(2) ギリシャ語原文に忠実であるように、(3) しかもわかりやすい語句と表現を用いるように、心がけました。しかし、多少の不自然さや読みにくさがあるのは、ギリシャ語のニュアンスや真理を正しく伝えようとしたからです。なお名詞や人称代名詞などで神格を伴ったものは、ゴシック体で表記いたしました。またギリシャ語原文にはないものの、日本語として必要な言葉はイタリック体で表記しました。 またウイットネス・リー兄弟による解説、アウトライン、引照聖句の部分は、新約聖書回復訳英語版を底本とし、中国語版を参考にして翻訳いたしました。この回復訳聖書の特徴は、神聖な啓示による三一の神のエコノミーを解き明かす解説とアウトラインにあります。 この回復訳聖書が読まれる時、知恵と啓示の霊によって、神のエコノミーを見ることができますように、またそれによって、神のエコノミーが成就しますように、心から祈っております。日本福音書房翻訳グループ一同1995年10月 フラー神学大学(以下、「フラー」)と、諸地方教会ならびにその出版機関であるリビング・ストリーム・ミニストリー(LSM)の指導者たちは最近、2年間の長きにわたる対話を完了しました。この期間、フラーは諸地方教会の主要な教えと実行、特にLSMによって出版されているウイットネス・リーとウオッチマン・ニーの書籍に重点をおいて、徹底的に調査・検討を行なってきました。この作業に着手した目的は、往々にしてこのグループに属する諸教会と関連があるものとみなされている多くの疑問や非難を解明し、歴史的かつ正統的なキリスト教の光の下でこの2人の人物と諸地方教会の教えと実行を位置づけようとするものでした。 フラーからこの対話に参加したのは、学長でありキリスト教哲学の教授であるリチャード・モー博士、神学部学部長で神学と倫理学の教授であるハワード・ローウェン博士、組織神学の教授であるヴェリ=マティ・カルッカイネン博士です。諸地方教会の代表はミノル・チェン、エイブラハム・ホー、ダン・トールです。LSMの代表はロン・カンガス、ベンソン・フィリップス、クリス・ワイルド、アンドリュー・ユーです。 フラー神学大学の結論は、諸地方教会とそのメンバーの教えと実行は、真正で歴史的で聖書的なキリスト者信仰のすべての基本的な諸側面をあらわしている、というものです。 フラーが初めに直面した課題の一つに、その批判者たちによって通常示されているこの務めに関する説明が、務めの教えを正確に反映しているかどうかはっきりさせることにありました。 この点につき、ウオッチマン・ニーとウイットネス・リーの教えについていくつかの団体で生み出された認識と、彼らの書籍に実際に書かれている教えとの間に、大きな不一致がある事をわたしたちは発見しました。とりわけウイットネス・リーの教えはひどく歪曲されており、そのため一般的なキリスト教界、ことに福音主義を自認する人々の間でもっとも頻繁に誤解されてきています。 疑問が持たれている教えが実際はどうであるかを聖書と教会史の光の下で公正に精査すると常に、それが重要な聖書的・歴史的根拠を持っていることを判明しました。 ですからわたしたちは、彼らはキリストのからだ全体が注目し考察するに値すると確信しているのです。 わたしたちが経過してきた過程を理解するにあたって是非とも注意していただきたいのは、すべての真のキリスト信徒たちが信じている真正なキリスト者信仰の基本的要素に対するこれらの諸教会の立場に対して、当初多大な関心が払われたということです。 信仰についての基本的な主張において明確な一致が確立された場合、そのあと行なうそれほど基本的でない教えに関する対話や意見交換も、信徒たちの交わりの範疇に適切におさまるものであるとわたしたちは考えるのです。 この結論は、彼らの出版物を読むことと、フラーとこれらの諸教会、務めの代表者たちとの間の5回にわたるひざ詰めの会合での交わりを通して得られました。 神、三一、キリストのパースンと働き、聖書、救い、教会すなわちキリストのからだが一つであること、合一に関する彼らの教えと証しは、明白に正統的であることをわたしたちは認識しています。 なお加えて、わたしたちは、彼らの信仰告白は信条の形式ではないものの、主要な諸信条と一致することを認識しています。 また、リビング・ストリーム・ミニストリーの出版物に代表される教えを信奉している務めの指導者たち、諸地方教会のメンバーたちの間には、カルト的ないしカルトのような特徴はわたしたちにはまったく見いだすことが出来ないと確信を持って言うことができます。 ですから、わたしたちはためらうことなく、安心して彼らを真正な信徒たちとして、またキリストのからだの肢体たちとして受け入れることができますし、すべてのキリスト信徒たちにも同様に交わりの右手を彼らに差し伸べるよう、率直におすすめするのです。 わたしたちは、誠実で、開かれており、透明で、束縛のない対話で共に時間を過ごすことができました。 わたしたちフラーの側が特別な関心をもって話題にした論題がいくつかありました。三一、神性と人性のミングリング、神化、様態論、<地方>教会についての彼らの解釈と実行、キリストの神聖な性質と人の性質、彼らの集まりの外側にいる信徒たちに対する彼らの態度などです。 わたしたちはこれらの領域を調査する自由を無制限に与えられました。あらゆる事例においてわたしたちは、人々に広まっている見解と、実際に出版されている教えや諸地方教会の信徒たちの信仰や実行が遠く隔たっていることを見出しました。 この簡潔な声明に続いて、すでに述べた点と、それ以外の重要な神学的論題についてのきわめて詳細にわたる論文が数ヶ月以内に発表されることでしょう。 諸地方教会とリビング・ストリーム・ミニストリーの代表者たちは、声明を書いて、彼らの教えのうち興味深い主要な点について要約する形で概略をしめすことに同意しました。有意義な調査と対話の結果わたしたちが理解したことに従って、フラーによる評が提供されるでしょう。地方召会フラー神学大学
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。