Google ストリートビュー(グーグル ストリートビュー、)は、Googleが2007年に開始した世界中の道路沿いの風景をパノラマ写真で提供するインターネットサービス。提供されている写真は、ストリートビューカーと呼ばれる専用に開発された自動車の屋根に搭載した全天球カメラで地上約2.45メートルから各地を走って撮影している。自動車が入れない場所では撮影機材を三輪自転車に乗せて撮影し、自転車も走れない場所では人が撮影機材(トレッカー)を背負って歩いて撮影されている。撮影エリアは世界中の都市や郊外をカバーし、日本では都市や住宅地はもちろん、離島や富士山の登山道までもカバーしている。ストリートビュー機能は、Google マップおよびGoogle Earth上で利用できる。Google マップでは、利用可能な地域に地図を合わせることで、縮尺の調節バーの上の人型のアイコン(ペグマン)が黄色に点灯する。この状態で人型のアイコンを地図上にドラッグすると、利用可能な地域(日本では主要な国道をはじめ、都市部や郊外の道路が青色で表示されるので、そこにアイコンを配置(ドロップ)することで風景を閲覧できる。ビュアーでは、道路に沿って黄色いラインと矢印が表示されるので、矢印をクリックすることで直接位置を移動できるほか、写真の拡大や縮小、全画面表示、マウスによる視点の変更が可能。Google Earthの場合は、まずStreet Viewレイヤーを有効にするとマップ上に黄色いカメラのアイコンが表示され、そのアイコンをダブルクリックするとビュアーが起動して風景が表示される。ユーザーが、ストリートビューの提供されている道路上の任意の地点を選んでクリックすると、地図や衛星写真から路上風景のパノラマ写真に切り替わり、地図はその右下に表示される。車載カメラは3次元方向のほぼ全周(水平方向360度、上下方向290度)を撮影しているため、パノラマ写真上でマウスをクリックしたり、キーボードを操作してポインタを動かすことで、上下(仰角・伏角)・前後・左右へと視野を移動させたり、ズームアップやズームアウトさせたりすることもできる。パノラマ写真内の道路に沿って表示されている線はカメラを積んだ車両が撮影しながら動いた経路であり、ユーザーはこれに沿ってパノラマ写真内の先や手前へ視点を動かすこともできる。自動車での撮影が適さない場合には Street View Trike と名づけられた三輪自転車が用いられている。但し航空写真と異なり後述の問題もあってか頻繁に写真が更新されている訳ではないので撮影した当時の雰囲気を確認するのには向いているものの、現在の建物や道の状態等を確実に確認出来る訳ではない。特定地点の特定アングルのパノラマ写真を友人らや仕事相手と共有したい場合、その写真を印刷したり、そのアングルのURLをメールに貼りつけて送ったり、HTMLを貼りつけてウェブサイトに表示させたりすることができる。2007年5月25日に立ちあげられた時点ではアメリカ合衆国の5都市の路上風景だけが対象であったが、その後アメリカ全土をはじめ、世界各国へとサービス地点を拡大させ続けている。一方で、車載カメラからは路上にいる人々の顔や、塀や窓の中の様子までが見えてしまうため、各国でプライバシーをめぐる論争を起こしている。太字は高画質による閲覧可能を表す。斜体の太字は一部高画質による閲覧可能を表す。Google ストリートビューは2007年5月25日にアメリカでサービスが開始され、以後各地の大都市・主要都市や国立公園でサービスを行い、アメリカでは全ての州が対象エリアである。また当該主要都市の郊外都市もサービス範囲に入っている。2008年7月2日にはアメリカ以外では初めてフランスとイタリアでサービスが開始され、ツール・ド・フランスの経路上とイタリア北西部のストリートビューが提供された。さらに将来はヨーロッパ、アジア、中南米、アフリカ諸国などの主要都市にも拡大される予定になっている。中でも、ヨーロッパ諸国では広範囲でサービス提供の予定がある。2008年4月16日には、ストリートビューはGoogle Earth 4.3に完全に対応した。ディズニーランド・リゾート・パリはテーマパークとして史上初めて、Google ストリートビューのサービスを提供した。以降、「パートナープログラム」として、広報、宣伝、広告を目的とした、施設や私有地の撮影が行われている。2011年2月1日には、ニューヨーク近代美術館など世界16か所の美術館およびヴェルサイユ宮殿と提携して「Google アートプロジェクト」を開始している。18ヶ月にわたって各美術館と協力してストリートビューの機材で展示室を撮影し、閲覧者が展示室の作品部分を拡大して高解像度で鑑賞できるようにしている。2008年5月13日からプライバシー対策として、写真に写っている歩行者や車のナンバープレートにボカシが入るようになっている。ボカシは画像認識技術で自動的に施されているので看板に写った人物や仏像にも入るケースがある。また、自宅の所有者が削除依頼を申請すれば建物全体にボカシが入れられる。公開した各国で「住宅地も写るためプライバシーを侵害している」という批判の声が多く上がり、アメリカ・ペンシルベニア州の住民がストリートビューで自宅内部を勝手に公開されたとして、Googleを相手に裁判を行う事態も起こった。その中でGoogleが答弁として「現代では完全なプライバシーなど存在しない」と反論を述べている。また、レドモンドのマイクロソフト・ラボに侵入して長時間写真を撮り続けて企業スパイと勘違いされ、一騒動起こしたこともある。ただし、肖像権については自動認識プログラムでぼかしを入れ修整することで解決する、とGoogle側はコメントしているものの、いまだ顔やナンバープレートの表示されている箇所などが報告され、解決とはいえない状況である。日本では家々の表札や店舗の電話番号が多く写っているほか、「関係者以外立入禁止」と明記されている道路や、女子校の敷地内にある道路など公道以外で撮影を行っていること、さらには横浜市の条例に違反する行為や自動車通行止めなど通行規制を無視して進入した事例も報告されている。地方自治体や弁護士らも動いており、東京都杉並区は2008年8月12日と11月7日にGoogleに対し「プライバシーへの配慮と削除要請への適切な対応」を申し入れており、東京都町田市、大阪府茨木市、北海道札幌市をはじめ全国の地方議会から何らかの規制検討や、撮影の事前告知を求めるといった内容の意見書提出も相次いでいる。福岡県弁護士会は2008年12月2日に「ストリートビューサービスの中止を求める声明」を出した。2009年2月3日に東京都の個人情報保護審議会にGoogle日本法人も出席し、「プライバシーについて詰めが甘かった」と釈明。今後は画像の公開前に該当地方自治体に知らせる意向を示すとともに、海外では公開前に官庁や自治体には事前説明していながら、日本では事前説明をしていなかったことも明かした。住宅街の撮影にも想像力が足りなかったとし、社内で議論を進めていると述べた。またプライバシー侵害問題を受けGoogle日本法人は2009年5月13日にこれまで路上高さ2.45mで撮影をしていたが、今後は塀の中が見えないとされる40cm低くした路上高さ2.05mに変更して撮影すると発表した。今までに公開した映像は2.05mで撮り直し順次置き換えてゆくとしている。40cm低くすると決定したにもかかわらず、2.45mで撮影済みの未公開映像を公開するという、ちぐはぐな対応も指摘されている。同時に数字などが判別できた車のナンバープレート画像にぼかし処理を施したり電話窓口も設ける対策も打ち出した。これに関してぼかしがあればプライバシーや肖像権を侵さないと総務省が見解を表明した。日本以外でも、プライバシー権のための活動家たちが、このサービスに反対している。この中では、ストリップクラブから出てきた男性、中絶クリニック前の反対運動家、ビキニで日光浴をする女性、公園のホームレス、子供を殴る親、公道から見えてしまう私有地内での生活風景など、写されている本人が世界に公開されたくない画像も大量に含まれていることも批判されている。また子供を持つ親は、ストリートビューで安全が損なわれることを懸念している。これに対しても、Googleは、ストリートビューは公共空間から撮影されたものであると主張し、写っているものは全て公道から誰でも見ることのできるものとしている。サービス開始前にGoogleはドメスティックバイオレンスからのシェルター(保護機関)など公開されると困る施設を写真から除去し、サービス公開後はユーザーに、不適切な情景や人によっては敏感な問題のある情景をGoogleに通報して除去を行うよう要請できる措置を講じている。当初この手続きは、自分の写っている写真の除去のため、自分のIDカードの写真提示を求められるなど複雑であったが、後に簡素化された。しかし写っている本人が見れば問題になりそうな日光浴やアダルトショップを出入りする人の写真はなお残っている。顔にボカシを入れる機能は完全ではなく、2007年にGoogleはオーストラリアで人の顔や車のナンバープレートが分からないようにすると断言したが、2008年8月のサービス開始時には顔もナンバープレートも未修整のものが多く残されていた。またGoogleは、連邦政府施設の集中するボルチモア=ワシントンD.C.大都市圏でのストリートビューサービスを、アメリカ国土安全保障省から治安上敏感な建物も多いという要請も受け、リリースを遅らせた。国防総省からも米軍施設の写真を除去するよう要請を受け応じている。ミネソタ州セントポール郊外にあるノース・オーク市()はGoogleに対し、市内が全て私有地との理由からストリートビューの削除を要請した。Googleはこれに従っている。2009年11月にはスイスの連邦データ保護・情報コミッショナー(FDPIC)が、ストリートビューでの顔やナンバープレートのぼかしが不十分であることから改善勧告を行ってきたが受け入れられていないとしてGoogleを訴えることを明らかにしている。2009年、イギリスにおいてもストリートビューサービスは開始されたが、運用開始からわずか24時間以内に数十枚の画像が削除要求を受けたとされている。2009年3月3日、タイムズは、バッキンガムシャー州のBroughton(ブロートン村)にて、ストリートビューの撮影車が怒り出す住民に取り囲まれ、撮影を断念する事態があったことを報じた。2010年5月には、グーグルがストリートビューの情報収集中に、WiFiのアクセスポイント情報だけでなく、暗号化されていない通信内容まで収集し記録していたことがドイツで明らかになり、各国で物議を醸し司法関係者から調査に入ることを示唆された。日本でも2011年11月11日に総務省が再発防止を指導した。2010年9月、チェコでは、プライバシー問題からグーグルは新しく画像を収集することを禁止されたと報じられた。2010年10月には、オーストラリアでの数カ月に渡る当局からの捜査の末、ストリートビューはオーストラリアでの調査を終了した。ストリートビューのプライバシー問題に関してCNNのテレビ番組のインタビューでGoogleのエリック・シュミットCEOが、「ストリートビューに自宅が写っているのが嫌なら、引っ越せばいい」と発言。後日CNNはインタビューからこの部分を削除した。発言を削除したことについてCNNはGoogleからの要請ではなく自主的に削除したとしている。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。