ムルシア()は、スペイン・ムルシア州のムニシピオ(基礎自治体)。ムルシア州の州都であり、人口は約42万人でスペイン第7位。衛星都市を含めたムルシア都市圏は56万人で、都市圏としてはスペイン第12位。セグラ川に面する。825年、ムルシアは「メディナト・ムルシヤ」という名前で、アンダルスを支配した後ウマイヤ朝のアミール、アブド・アッラフマーン2世によって建設された。アラブ人はセグラ川の流れの利点を活かし、複雑な灌漑用水路のネットワークを作り上げた。これによって町は繁栄し、近代の灌漑システムの先取りとなった。12世紀にアラブ人の地理学者イドリースィーは、この町を人口が多く、強く要塞化されていると述べている。コルドバのカリフが倒れると、ムルシアは順にアルメリア、トレド、セビリアの支配下に入った。1172年、ムワッヒド朝の支配下に入ったが、1223年から1243年までは独立した王国となった。1243年、アルフォンソ10世に率いられたカスティーリャ王国はムルシアを奪い、多くの移住者が北カスティーリャとプロヴァンスから移住した。1296年、ムルシアとその領域はアラゴン王国に引き渡されたが、1304年、トレラス条約によって最終的にカスティーリャ王国に編入された。18世紀、ムルシアは絹織物業によって繁栄した。教会や記念碑の多くはこの時期に建てられている。ムルシアと周辺の地域は、1651年、1879年、1907年に洪水の被害を受けたが、堤防の建築はセグラ川を水路の中にうまく留めている。有名な歩道マレコンは、堤防の上に引かれている。1829年、ムルシアは地震に襲われた。約6,000人の死者が出たと推定されている。1838年にはムルシア県の県都となった。1982年にはムルシア県単独でムルシア自治州が成立し、ムルシアはムルシア自治州の州都となった。「ウエルタ」または「ムルシアの菜園」として知られる豊かな低地の平原のほぼ中央に築かれている。その平原はセグラ川の谷を含み、右手には支流のグアダレンティン川が流れ、山地に囲まれている。ムルシアは地中海性気候の影響を受けたステップ気候(ケッペンの気候区分ではBSh)である。地中海に近いために、『半乾燥・地中海性気候』と一般的に称され、夏は暑く冬は温暖である。降水量は少なく、2004年10月から2005年9月の1年間に観測された降水量は200mm以下だった。ムルシアでは農産物の生産が盛んである。ヨーロッパのスーパーマーケットでは、ムルシア産のトマト、レタス、特にレモン、オレンジがよく見られる。最近では、「居住観光」が注目されている。北ヨーロッパの多くの人々が陽光豊かなムルシアに別荘を持っている。カテドラルは、1394年から1465年にかけてカスティーリャ・ゴシック様式で建てられた。1792年に完成された塔は、スタイルの混成を示している。最初の2階(1521-1546年)はルネサンス様式で、3階はバロック、鐘塔はロココと新古典主義の影響が見られる。ファサード(1736-1754年)は、スペイン・バロックの代表作と見なされている。ほかにカテドラル前の広場(カルデナル・ベルーガ広場)で有名な建物には、カラフルな司教館(18世紀)や、建築家ラファエル・モネオの手による物議をかもした新市庁舎がある。セグレ川沿いのグロリエタは、伝統的な市の中心部で、18世紀に作られた景色のよい場所である。アユンタミエント(市庁舎)はここに位置する。歩行者用の区域は旧市街のほとんどを占め、中央にプラテリア通りとトラペリア通りがある。トラペリア通りはカテドラルからサント・ドミンゴ広場(以前の市場)に通ずる。トラペリア通りには、1847年に社交場として作られたカジノがあり、その豪華な室内にはアルハンブラ宮殿を意識したムーア式の中庭がある。スペインではムルシアの聖週間の祭りは有名である。による実物大の彫刻が美術館から引き出され、花とろうそくに飾られて街中を優雅に行列する。これらはキリストの磔刑に至る事件を描いた彫刻である。聖週間のあとで、もっともきらびやかな儀式は、聖週間の次週にムルシアの人々が伝統的な「huertano」の服を着て祝う「Bando de la Huerta」で、その次週には「Entierro de la Sardina」(イワシの埋葬)のパレードが行われる。ムルシアから南東35kmのサン・ハビエルに、ムルシア=サン・ハビエル空港があり、市内中心部からは車で30分の距離である。マドリード、バルセロナからの近距離便やイギリス、北欧からの格安航空便が飛んでいる。ムルシアへの旅行には、70km離れたアリカンテ=エルチェ空港もよく使われる。鉄道(スペイン国鉄)を使うと、マドリードからは4時間強かかる。ムルシアには3つの大学がある。ムルシア大学(1912年創立)、カルタヘナ工科大学、サン・アントニオ・カトリック大学(UCAM)である。
出典:wikipedia
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