ダイリチウム(dilithium、ディリチウム)は、アメリカのSFテレビドラマ『スタートレック』シリーズに登場する架空の物質である。外観は透明な結晶体で岩塩に似ている。希少かつ有用な物質で、すべての惑星や星雲に存在するわけではなく、さらにレプリケートすることもできないためにしばしば通貨代わりとして商取引に用いられる。デルタ宇宙域にてダイリチウムを産出する中世文明レベルの惑星においても「冬の涙」と呼ばれる貴重な宝石で、権力者しか手にすることができなかった。劇中ではクリンゴン帝国の流刑惑星ルラ・ペンテでは囚人を使ってダイリチウムの発掘を行い、またロミュラン帝国においてはロミュラス星の隣のレムス星に大規模なダイリチウム鉱山が存在し、奴隷階級のレムス人に過酷な労働を強いている。自然界におけるダイリチウムは特定の条件のもとで熱を発生させイリウム629という物質に変性する。ダイリチウムは宇宙艦のエンジンであるワープコア(物質・反物質反応炉)に設置される希少な鉱物である。通常の物質は反物質と触れた瞬間に大爆発を起こすが、ダイリチウムは特定条件下で反物質と反応しない数少ない物質の一つである。そのためダイリチウムをワープコア中央部に収束レンズとして設置することで、物質・反物質反応で得られた膨大なプラズマをハイワープに必要な高密度ワーププラズマに精製することができる。この技術により、宇宙艦はダイリチウム未設置時の何倍ものワープ速度を出すことが可能となった。 22世紀の初期宇宙艦隊のワープコアは反物質をエネルギー源にしているもののダイリチウムは設置されておらず、当時のNX級宇宙艦は旧ワープ5(光速の125倍)の速度を出すのが限界であった。しかしダイリチウムの技術導入によりワープ速度は飛躍的に増していき、200年後の24世紀のイントレピッド級宇宙艦にいたっては巡航速度でワープ6(光速の392倍)、最大速度はワープ9.975(光速の5754倍)を出すことが可能となった。 ダイリチウムは一部の惑星や星雲でしか産出されない貴重な鉱物であり、さらには消耗品である。ワープコア内部でダイリチウムは徐々に摩耗していき、同時に副産物のトライリチウムを生んでしまう。トライリチウムは毒性が強く、また不安定な物質で常に爆発の危険がある。そのためワープコアは定期的にトライリチウム除去清掃を行わねばならず、また運搬には抑制装置のついた専用の格納容器を必要とする。ロミュラン帝国はトライリチウムを核反応抑止剤としても利用する研究をしている。ダイリチウムはワープドライブに必須というわけではない。惑星連邦宇宙艦隊やクリンゴン帝国の宇宙艦のワープコアには頻繁に用いられている技術であるが、惑星連邦であっても深宇宙探査を担うことのない船や、ハイワープの必要のないような船にはあまり搭載されない。またデルタ宇宙域の一部においては、ダイリチウムの存在は知っていても別の技術でワープコアを動かしていたり、近縁物質であるパラリチウムを使用する船も存在する。スタートレック世界を舞台にしたMMORPG『Star Trek Online』では、プレイ中に入手できるダイリチウム鉱石を精錬したダイリチウム結晶が、生産システムの原材料だけではなく、各種アイテムを購入する通貨としても用いられ、課金ゲーム内通貨「ZEN」との「両替」さえ可能である。
出典:wikipedia
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