ラジコン模型自動車(ラジコンもけいじどうしゃ)またはラジコンカー、RCカー、R/Cカー(アールシーカー)とは、RC装置(ラジコン)によって遠隔操作する模型自動車である。「ラジコン」は商標のため、「ラジコンカー」ではなく「RCカー」または「R/Cカー」と表記される事が多い。RCカーはトイ用とホビー用の2種類に大別される。トイ用は主に玩具店で販売され、対象年齢は6歳から存在している。一方、ホビー用は大人の趣味用であり、組立や分解整備が必要となる。世界各国でレース競技が行われ、世界選手権も開催されているのはホビー用である。「トイ」またはトイ・グレードのRCカーとは、完成車で、量販店や家電店に並んでいるものである。俗に「トイラジ」と呼ばれる。一般的には子供用玩具である。安価であることが最大の利点である。走行速度はホビー用と比べると比較的低速で、操縦は容易である。走らせるまでの段取りも、ホビー級のうちで最も簡単なRTR車より容易である。必要なものは乾電池や充電用の家庭用電源のみという事が多い。トイRCカーの多くは実車のスケールモデルである為、ホビー級のスピード競技用モデルには付いていない細かい付属装置、例えばヘッドライト、警笛、窓、ドア、フッド、内装などが実車のように装備され、作動する場合がある。中にはラジオやスピーカーのような音響システムを搭載するものもある。トイRCカーの車種は広く拡大され、普通車やトラックはもちろん、戦車、ブルドーザー、モーターサイクルなどの形式・設計の車に及んでいる。ラジドリの流行やトラックモデルのように、ホビー級の車に実車と同じ付属装備を装着し楽しむ愛好家も存在する。トイRCカーの欠点は、コストダウンの為に設計や構造が簡素で、走行性能はホビー級より低く、スペア部品があまり無い点である。大半のモデルで、サスペンションは全く付いていないか、付いていても初歩的な形式である。RCシステムについても同様で、ステアリング操作は比例制御ではなく、「右いっぱい、中立、左いっぱい」の3つの舵角しか取れない、スロットルも、「停止」、「全速力」の2つだけなどの単純なものが多い。大部分のトイRCカーは非力な小型モーターを安価な乾電池で駆動しているため、速度は遅い。また、多くのトイRCカーはオンロード用となっている。オフロード的な外見であっても実際には満足にオフロードを走れないモデルが少なくない。トイRCカーの修理は難しく、補修部品はほとんど売っていないため、最初の故障が発生した時が寿命とも言える。車に付属している取替え部品は、電池と充電器ぐらいで、主要取替え部品を揃えたメーカーは極めて少なく、納期も長い。トイRCカーの操縦装置は、ホビー級のように標準化されていない。基本的にホビー・グレードRCカーは、トイRCカーに比べると実車に近い構造を持ち、比例制御が可能なRCシステムが搭載でき、より実車に近い挙動や高い速度・出力を得る事ができる。本格的な作りのシャーシではサスペンションやホイール・アライメントを細かく調整する事も可能。組み立ての際にははんだ付けなどの作業が必要になる場合がある。必要な一式をまとめて購入できるものから、必要な範囲での購入、パーツ単位での購入とさまざまである。モーター(電動車)とエンジン(燃料車)に大別される。電動車は、小型で強力な、ブラシ型またはブラシレス型モーターで駆動され、電源は充電式のニッケル・カドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオンポリマー二次電池である。燃料車は、小型のものはメタノールを主体とした、ニトロメタン、オイル(ひまし油、鉱物油および合成油)の混合燃料を使い、「ニトロ車」と呼ばれる。大型のものは、芝刈り機等と同じ混合ガソリン燃料の小型汎用ガソリンエンジンを使い、「ガソリン車」と呼ばれる。電動車の場合、動力となるモーターの回転をコントロールするスピードコントローラーは、機械式(接点式)と電子式の2つに大別される。モーターに供給する電力を調整することで速度を調整され、送信器のトリガーまたは操縦桿の位置に比例し、トリガーまたは操縦桿の移動量を中立位置から大きくするほどモーターの回転数が高くなる。走行用モーターには直流電動機を使用する。ブラシ付きモーター(ブラシモーター)とブラシレスモーターの2種類が使われる。使用するバッテリーは共通だが構造や制御方法が異なる。小型の電動車には乾電池を使用するものもあるが、すぐに消耗するため、大抵は以下のような充電式電池を走行用バッテリーとして用いる。強力なバッテリーはサーキットによっては持ち込みが禁止されている場合がある。※mAh (ミリアンペアアワー) : 放電容量燃料車に用いられるエンジンは、模型用グローエンジンが主流である。スロットルにサーボを接続し加・減速を操作する。サーボをある方向に回すと、キャブレターの中のスロットルが開き、混合気の吸入量を増やす。サーボを逆に回すと、スロットルが閉じられブレーキシューが押し付けられて摩擦を起こし、ブレーキがかかる。一般的な構成では、エンジンからの1次減速軸に作用するため、2輪駆動は2輪に、4輪駆動車は4輪が制動される。ニトロ燃料車のエンジンの排気量は0.12 - 0.35立方インチ(2.5 - 5.8立方センチメートル)のものが多い。もっと大きな規格外エンジンも生産されているが、用途は公式競技以外であり、規則に関わり無く使用されている。エンジンの大きさは競技クラスによって決められる。1/10縮尺の競争車は、オンロード、オフロードともに0.12 - 0.18エンジンを使う。1/8縮尺では0.21 - 0.32エンジンである。ガソリン燃料車のエンジンは、小型汎用ガソリンエンジンを流用し、世界選手権が0.023リットルで行われているため、0.025リットル前後のものが多い。ニトロ燃料車は、標準の状態でも電動車よりも速い場合が多い。最大出力は、エンジンの回転数が中速と最高速の間で発揮される。スロットルの反応は、電動車より鈍い。電動車は瞬間的にトルクを発揮するが、燃料車は遠心クラッチを採用していることが多いため、実車のクラッチ接続時のようにもたつく。ニトロ車など燃料車は、数秒の給油によって直ちにレースに復帰できるが、電動車はボディーを外してバッテリーの着脱を行なわなければならない。燃料車は完全な空冷式になっていて、冷却するための中断をせずに連続走行できるが、長時間の連続走行では冷却が追いつかずオーバーヒートを起こしやすい。ニトロ車は、平均的には電動車より大きい。電動車が高性能を発揮する大きさは1/10縮尺以下である。但し、両車種に同縮尺のものもある。2013年現在リチウムイオンポリマー二次電池やブラシレスモータの普及により、1/8縮尺においてもニトロ燃料車と電動車の差は無くなり、条件によっては電動車のほうが高出力となる事も多い。ニトロ車の主流は2サイクル・エンジンであり、エンジン音が実車に似ていることは、電動車にはないニトロ車の魅力である。但し、排気中の油が車体に付着し電動車よりも汚れやすく、変成アルコールなどの溶剤をコンプレッサーで吹き付けて、たびたび清掃を行なう必要がある。ニトロ車はエンジンが直立し、大きな放熱器が高い位置についているため重心が高くなり、ロールが大きくなるという問題を抱えている。この問題を解決しようとエンジンを横に倒した商品が発売されたが、放熱の問題を解決することができず、一般化することは無かった。ニトロ車は、RTR車の様な初歩的なものでも、エンジンを調子よく回し続け、燃費を抑え、エンジンの磨耗や過熱を防止するために、燃料と空気の比率を調整することを習得しなければならない。基本性能が高く、長時間の走行を行なうために、ニトロ車の機械的な損耗は電動車よりも大きい。加えて、高速で重量が大きいために衝突のときのダメージは大きい。従って、強度面に配慮されている。ニトロ車は、大きな出力に起因する応力に対抗するために、丈夫に作られている。ガソリン燃料車は、「燃料車」、「ガソリン車」などと呼ばれ、ガソリンとオイルの混合燃料を使用する。主流が1/5縮尺と大きいため、ニトロ車・電動車に比べて高価である。大型であるので、走行場所も広大になる。ニトロ車や電動車と比べて最高速度は特に高くは無く、強力ではあるが燃料はさほど消費しない。また、ニトロ車のアルコール燃料は、模型エンジン用の専用品を用いるため高価であり、30000rpm以上の高回転で多用されるため、ニトロエンジンの寿命は短い。それに対し、ガソリンエンジン車の燃料費用は自動車用のガソリンを流用するためにそれほど高くない。エンジンの最高回転数も10000rpmにも満たないため、ニトロ車に比べ寿命は長い。2000年代以降は、ヨーロッパで大縮尺のスケール車に人気がある。中にはミニチュアのV12エンジンを使用する猛者も存在する。RC模型自動車を走行させるために、一般に追加部品を必要とする。電動車では、走行動力用としてのバッテリーが必要。車載電子装置の電源は走行用のバッテリーと共用されることが多い。ニトロ車では、アルコールを主成分とした燃料。車載の電子装置の電源として、単3型の乾電池または6ボルトのバッテリーパック。エンジンを始動するための、プル・スタート装置、スターター・ボックス、バッテリー駆動のロトスタートなどエンジン始動用具。グロープラグと、それを赤熱させるための電源が必要。ガソリン車ならば燃料用ガソリン。混合潤滑用オイル。スパークプラグ。車載電子装置用の電源(SubCサイズの充電式電池が主流)が必要。RTR車は、走行に必要な装備品が全て含まれ、最低限の調整済みの状態で出荷されるから、そのままで走行を楽しむことができる。しかしながら、部品の緩みの検査は必要で、取扱説明書にもそのように記されている。さらに、レースでの良好な性能を発揮しようとするならば、性能向上の為の部品に交換が必要になり、調整出来る範囲も少ないために、キット車を購入した方が労力が少ない。キット車、半完成車の場合、組み立てと調整は所有者が自分で行なう必要があり、RC装置やエンジンも自分で買うことになる。ホビー級のRCカーでは、送信器の電源として単3型乾電池を使うことが多いが、上級機種では充電式のバッテリーパックが一般的。ホビー級RCカーが登場すると、それを追って製造メーカー、サードパーティーから改良版の部品が発売される。改良の幅は、寿命の延長から全体的な性能向上、性能に関係の無い外観を変更するための部品まで多岐にわたる。基本的にRCカーは全て次のような原理で作動している。事項以降はRCカーの制御システムついての詳細説明となる。まずは、操縦者の手に送信機が必要である。送信機は入力された操作を信号として処理し、電波に乗せて送信する。RCカーの場合はステアリング操作とスロットル操作の2チャンネル送信機が主流である。操作形式としては、2本のスティックを使いスロットルとステアリングを操作するスティック式と、ピストル式トリガーでスロットルを操作し、ホイールを回してステアリングを操作するホイール式の2つがある。日本では送信機のことを指してプロポと呼ぶ場合がある。ツインサーボや4WSに対応している機種もある。電波は操縦者の操作をRCカー側へ伝達する役割を担う、目に見えないが非常に重要な要素である。RC装置は当初、送・受信機間で用いる電波にAM方式を利用していた。その後、より信頼性のあるFM方式やPCM方式を用いるようになった。これらの方式は水晶振動子の交換により周波数を変更し、複数台の同時走行を可能にしていたが、近年では水晶振動子の交換に頼らずに2.4GHzのISMバンドにてスペクトラム拡散方式を用いる事で、複数台の同時走行を可能にした方式が主流となっている。2.4GHz帯という混み合ったバンドを使うため、同じ周波数、同じ方式でもメーカーごとに独自仕様である場合が多く、互換性は基本的に無い。送信機と受信機の対応はきちんと確認する必要がある。代表的な方式とその送信機としては2016年5月現在、以下のものが存在する。FHSS方式はRCカー用送信機では2016年5月現在、最も一般的な方式である。FHSS方式は近距離無線通信規格の1つであるBluetoothにも採用されている。ホッピング方式(FHSS)に直接拡散方式(DSSS)を組み合わせた、 Mini-Z 独自の2.4GHzシステム。ミニッツレーサー、dNaNoシリーズ用DSSS方式は、無線LANの規格IEEE802.11bでも使用されていた。無線LANの仕組みを応用し、専用の送信機ではなくスマートフォンやタブレットといった電子機器から無線操縦するタイプも登場し、FPVのような事も可能になった。これもスマートフォンやタブレットに送信機の役割を負わせただけで、制御システムの作動原理は同じである。SANWAやFutabaの送・受信機にはテレメトリーに対応している機種がある。RCカー側の電圧、温度、回転数などを取得し送信機の画面に表示する事ができる。操作されるRCカー側には、受信機が車載されている必要がある。受信機は送信された電波を受けて、適切な信号に変換し、電圧として端子に出力する。電気パルスの幅で信号を伝えるPWM方式が一般的である。受信機に接続されたサーボモータや電子式スピードコントローラー(ESC)などの機器が、信号を受け取り動作する。ホビー用途では、ステアリング用とスロットル用の2チャンネル分の端子に、電圧として信号を出力するだけの受信機が一般的だが、コスト削減や軽量化・省スペース化などの理由で電子式スピードコントローラー(ESC)と一体化している受信機も存在する。送信機からの電波を受信機が受信できなくなっただけで、RCカーは文字通り制御不能に陥る。そうなった場合のフェイルセーフとして、どういう動作をさせるかを受信機に事前に設定しておく。スロットルはバック付きESCならニュートラルに、バック無しESCや構造上バック不可能な燃料車はブレーキを効かせる設定が推奨される。フェイルセーフが効いたとしても制御不能な事には変わりないので、スピードの出るRCカーは周囲が囲われたRCカー用のサーキットで走行させるのが安全である。受信機に接続されたサーボモータは、受信機からの信号に従い、サーボホーンの角度を変化させる。ステアリング用ならサーボホーンはステアリング機構に接続されており、車輪の向きを機械的に変更する。燃料車の場合はスロットルとブレーキ用にもサーボモータを車載しており、スロットル開度とブレーキシューの位置を機械的に変更する。電動車の場合でも、もし車載しているスピードコントローラーが旧式の機械式の場合には、スロットル用サーボモータで抵抗器を物理的に操作し、走行用モーターへ供給される電流を変更する事になる。ステアリング用サーボと車輪の間のステアリング機構には、ターンバックルによって接続され、長さが調整できるタイプがある。また、ステアリング用サーボにはサーボセイバーと呼ばれるフレキシブルな部分があり、車輪から伝わってくる衝撃を吸収して、サーボ内の歯車などが破損しないように保護している場合もある。ツインサーボや4WSなど、ステアリングにサーボを複数用いる事もある。受信機に接続されたESC(イーエスシー、Electric Speed Controller)は、受信機からの信号に従い、走行用モーターへの電力供給量を電気的に変更する。走行用モーターに応じて制御方法や最大出力が異なるため、対応したESCを使用する必要がある。走行用モーターがブラシ付きモーターなら単純なON/OFFやPWM制御方式の場合が多いが、ブラシレスモーターでは制御が複雑になる。前進・後退のどちらも行えるタイプが多いが、レースではレギュレーションで後退を禁止とする場合もあるため、前進専用タイプも存在する。昔からの名残で「アンプ」、「FETアンプ」、「スピードコントローラー」、「スピコン」などと呼ばれる事もあるが、2016年5月現在では「ESC」と表記するのが一般的である。入門者向けのESCは最初からケーブルがはんだ付けされているが、中級者~上級者向けのESCは自分ではんだ付けを行う。太めの12AWGから細めの16AWGあたりまでが一般的に使用される。走行用バッテリーの過放電を防ぐため、大抵は電圧が下がると走行用モーターへの出力を抑える機能がある。走行用バッテリーの種類によって低電圧とみなされる電圧が異なるため、注意を要する。例えばLiPo用のカット電圧に設定されているESCでNiCdやNiMHを使うと、定格電圧の違いから早々に電圧カットが作動してしまう。NiCdやNiMH用のカット電圧に設定されているESCでLiPoを使うと、定格電圧の違いから電圧カットが作動せず、過放電に至る事もある。ESCによっては、走行用バッテリーに応じて設定を変更したり、機能自体を無効化できたりするものがある。Battery Eliminator Circuitry、「バッテリー除去回路」の略で、ESCに内蔵されている機能の1つ。走行用バッテリーから受信機側へ電力を供給する機能。受信機用バッテリーと走行用バッテリーを別々に車載する必要が無くなり、受信機用バッテリーを省略できるため、標準的なESCの機能となっている。BECより電力供給を受ける車載機器(受信機、サーボ、ポンダー等)の対応電圧と最大消費電流の合計で、適切な電圧、必要な電流が決まってくる。BEC出力が不足すると電力供給を受けている車載機器が正常に動作できず、ステアリングが誤動作を起こすなど不具合の原因になる。電子的に進角を変化させ、モーター出力を上げる事ができる機能を持つ。無理な設定をするとモーターやESC、バッテリーなどを簡単に破損させるほど強力なため、入門者向けのESCでは基本的に使用できない。RCカーの回頭性(ヨーイング)を安定化させるユニット。旋回時にリヤが流れた事を内蔵されたジャイロセンサーで検知すると、自動的にカウンターステアを幾らか補助的に当てて、操縦を安定化させる機能を持つ。大抵オプションで追加できる。カウンターステアを自動的に当てる量は、設定で調整が可能。受信機とステアリングサーボの間に接続するタイプや、受信機に内蔵されているタイプのほか、1/43スケールの小型RCカーで搭載可能な機種も存在する。グリップ走行だけでなく、俗にいう「ラジドリ」にも有効。レースではレギュレーションで使用が禁止される場合もある。さまざまなスケールのRCカーが存在する。以下は代表的なスケールとその商品内容例である。1/10スケールが種類が豊富。RCカーを購入してすぐにサーキット走行に望むのは時期尚早。まずはRCカーが真っ直ぐ走るようにステアリングのトリム調整をし、その後、パイロンを使っての8の字走行など、ある程度マシンの走りに慣れてからサーキット走行に挑戦する事が勧められている。一人で走らせる時と比べて、複数人が利用するサーキットでは混信のリスクが高くなる。そのため、混信を防ぐための規則がサーキットごとに存在している場合が多い。その他にもサーキット利用者の事を考えての規則が幾つも定められている場合が多い。小型のニトロメタン燃料のエンジン(グロー・エンジン)が市販されるようになったのは、1940年代である。模型自動車を操縦する能力が芽生えたのも同様と言える。淘汰されずに生き残り、後世の成長の元になった初期のRCカーは、トイラジコンとしては1955年に日本の玩具メーカー増田屋齋藤貿易(現:増田屋コーポレーション)が世界初の無線操縦型の玩具としてラジコンバスを商品化した。このRCカーはコヒーラ制御によるもので、増田屋は立て続けに無線操縦できるセダン型自動車や戦車の玩具も商品化している。また、同様に初期のRCカーとしては1960年代中頃に出現した、イタリアのRoggio EmiliaのEl-Gi (Electronica-Giocattoli) 社のものが知られ、最初は1/12縮尺のフェラーリ250LM車で、イギリスでは1966年12月にロンドンで、「Motor Books and Accessories」輸入のものが、1967年初めにはスワンシーのAtkin's 模型店経由のものが購入できた。El-Gi社は、1967年初頭のミラノ・トイ・フェアに、1/10縮尺のフェラーリP4車を出品している。1968年後半には、イギリス・レスターのMardave社が、RCカーの商業生産に成功している。グロー・エンジン車で、1970年には一部地域で販売された。1970年代には、アメリカの小企業がRCカーに参入した。これらは、元はスロット・レーシング車のメーカーで、それが衰退したのでRCカーの分野に鞍替えしたものである。このグループには、Associated Electrics,Thorp,Dynamic,Taurus,Delta,Scorpionの各社がある。このグループの初期のキットは、1/8縮尺のニトロ燃料車(当時は「ガス」と呼ばれた)で、アルミ・パン構造であった。エンジンは0.21立方インチ以下で、K&B、Veco、McCoyが多かった。ボディーはポリカーボネート製で、Lexan社の製品が多かった。この種のRCカーの競走を初めて組織・裁定した団体は、Remotely Operated Auto Racers (ROAR) である。1973年 - 1974年にかけて、ワシントン州のJerobee社がCox049エンジンを使った1/12縮尺のニトロ燃料車を製造した。この車のために、後発メーカーがLexanの透明ボディー、ヒートシンク、大容量の燃料タンクなどの付属部品を製造・供給した。1976年 - 1977年になると、Associated Electrics社がRC12Eを発売し、1/12縮尺車の電動レースを始めた。Jerobee社もJomac社になり、独自の電動車キットを製造した。1970年代末になると、1/12縮尺の電動車レースの人気が、1/8縮尺燃料車同様に高くなった。当時は競技クラスが1つだけであったので、冬の競技シーズンを通して異質な両車が混走せざるを得なかった。そのために「ウインター・ナショナル・シリーズ」が発足成長し、自作車が多数登場した。1976年にはタミヤが、精密な外観を持つプラモデルをベースとした1/12サイズのポルシェ・934のキットでRCカーに参入した。そのシリーズは高度に細かく模型化されていたが、機構的にはシンプルなオンロード車であった。RC用として販売されたシャーシキットは、高価ではあったが、発売後1年間で10万台以上の売上を記録し爆発的に売れた。また、走行させるために必要なRC装置も同様に売れた。タミヤは、続いてもっと機能的なRCカーを作り始め、本格的なサスペンションの付いた最初の電動オフロード車「コンバットバギー」を販売した。RCカーの新分野であるオフロードへの進出の始まりで、RCカーは舗装路面でなくても走れるようになり、ファンの人口を急増させることになった。タミヤ最初の本格的オフロード車は1979年発売の、バギーチャンプとワーゲンオフローダーで、レーシングデューンバギーの形を正確に再現している。タミヤは、実車のように機能するサスペンション、強力なモーター、トレッドパターンの付いたオフロードタイヤなどを装備した、デューンバギー系の各種のオフロード車ラインナップを増やしていった。さらに、実物通りの3速ギヤ、リーフ・スプリング・サスペンションを装備した、トヨタ・ハイラックスも生産した。これらの車は、実物感、耐久性、簡単な組み立て、改造や修理が容易などの特徴があり、1980年代前半に広く普及してブームを作り、現在のRCカー市場の基礎となった。大量に売れたタミヤ車の中には、デューンバギー系のグラスホッパーやホーネット、巨大トラックのブラックフットやクラッドバスターがある。タミヤの初期のRCカーは、クラシックRCカーの収集家の間では高い人気があり、未組立状態の美品は30万円以上の高価格で取引されることも珍しくない。このような人気に応えて、タミヤは2005年以降に多少の変更点のある復刻版を出している。イギリスのSchumacher Racing社は1980年に初めて、多くの路面状況に対応できるLSD効果のある調整式のボール式差動装置を開発した。当時は、大部分のオンロード車の駆動軸は差動装置が付かない固定式であり、オフロード車はLSD効果の無い歯車式の差動装置を使っていた。Associated Electrics社は、1984年にRC10レーシングバギーに追随し採用した。(後記)1991年タミヤがオフロードバギーを基に、実車に近い縦横比のボディ・リアルなゴムタイヤ・4輪独立サスペンションを装備したオンロード車「ニッサン スカイラインGT-Rニスモ (TA01)」を発売した。当時のオンロード車は競技志向が強く空気力学的に有利になるような実車とはかけ離れた形のボディ、軽量且つ効率を高めるための簡素な構造のサスペンションが主流だったなか、実車の雰囲気を良くあらわしている当製品は画期的だった。後に他社からも同様な構成の製品が多数発売され、バギーブーム以来のRCカーブームが訪れる。4輪独立サスペンションを採用し、リアルなボディ、ゴムタイヤを用いるオンロードカーは、ツーリングカーという新たなジャンルを確立し世界選手権も行われるようになった。1970年にAssociated Electrics社より発売されたRC1は高品質な航空機用アルミニウム素材、シンプルな構造により従来の車両と比較し圧倒的な高性能を誇り、以後サスペンション装備車が開発されるまでの約10年間、1/8縮尺競争車の標準規格となる。1982年京商より発売されたファントム20EXP4DWは前後駆動軸をチェーンで連結し、旋廻時に前輪に発生する回転差をワンウェイベアリングにより解消する4輪駆動システムを装備し、現在の駆動形式の基礎となる方式を初採用した。1984年に、カリフォルニアのAssociated Electrics社はRC10オフロード電動バギー車を販売した。この車種は、同社の従来のニトロ燃料のオンロード車とは別系統になる。当該車のシャシーは航空機級のジュラルミンで作られている。ショックアブソーバーはジュラルミンから機械加工された油圧式で、調整が出来る。サスペンションアームと3分割式のホイールは、耐高衝撃型ナイロンで作られている。RC10の車輪と動力伝達系には、オプション部品としてメタル・シールド式のボールベアリングが使われる。改良型のボール式作動装置は、硬化した鋼鉄リングでボールを挟み込むことで作動機構を構成し、路面状況に対して調整できる。旧来製品に対し大幅な性能向上を果たしたRC10は、電動オフロード競走種目の主流を占める存在になり、以後20年以上にわたり2輪駆動のオフロード電動バギー車は、RC10の基本構成を踏襲している。1986年に、Schumacher Racing社がCAT(Competition All Terrain: 全路面競技)車を発売した。当時の最良の4駆オフロードバギーレーサーといえる。CAT車は、1987年のオフロード競技の世界選手権において、広坂正美による操縦で優勝を勝ち取った。当該車は、電動オフロード競走を4駆に指向させるきっかけとなった。カリフォルニアで結成されたTeam Losi社は、バギー車JRX-2を開発し、当時も存続していたAssociated Electrics社と対抗していた。最初の全天然ゴム製のタイヤ、最初のアメリカ製4駆バギー、新規格の1/18縮尺Mini-T型オフロード電動車などを開発した。AssociatedとLosiはアメリカの市場に大きなシェアを持つに至ったが、2駆のオフロード競走車の分野では、テキサス系のTRAXXAS社(T-MAXX規格、REVO3.3規格)ならびに日本の京商社も人気があった。他方、ヨーロッパでは依然としてSchumacher社のオフロード車に人気があった。電動・内燃エンジンの両動力は、長く並立してきた。電動モーターはブラシつきのモーターをニッカド電池で回す時代から、ブラシレス・モーターをリチウムイオンポリマー2次電池で駆動するように進んだ。他方、内燃エンジンは大型化が進み、0.32エンジンを巨大なトラックに装備するようになった。
出典:wikipedia
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