大和 雅之(やまと まさゆき、1964年(昭和39年) - )は、日本の生命科学者。東京大学博士(理学) 。専門は再生医療、組織工学、幹細胞生物学。細胞シートの研究やベンチャー事業化、哲学や芸術にも造詣が深い人物として知られている。2003年度グッドデザイン賞、2009年度文部科学大臣表彰科学技術賞、2009年山﨑貞一賞などを受賞した。日本大学助手、東京女子医科大学助手、助教授、准教授、教授、同大学グローバルCOEプログラム拠点リーダー、先端生命医科学研究所(TWIns)所長、経済産業省技術戦略マップ再生医療分野作成委員会委員長、などを歴任。東京都生まれ。開成高等学校出身。高校時代は哲学に関心が強く、東大文学部と理工学部のどちらに進むか迷っていた。東京大学に進学し、東京大学教養学部基礎科学科へ進む。大学時代には蓮實重彦の講義に潜入して聴講しており、卒業研究で生化学を選んだのは消去法だったと振り返っている。学生時代から『現代思想 (雑誌)』に論稿を寄稿し、経済人類学者の栗本慎一郎から(『意味と生命』という著書の後書きで)「少壮の学生」という評価を受けた。なお、好きな映画としてブレードランナーを挙げており、学生時代に『現代思想』誌へ論稿を寄稿した際には、筆者肩書きの部分に「タイレル・コーポレーション」と記したこともあった。インタビューでは哲学は定年後に研究したいとも答えている。東京大学大学院理学系研究科博士課程を修了し、博士(理学)の学位を取得。1994年日本大学薬学部助手、1998年東京女子医科大学先端生命医科学研究所助手、2001年同研究所講師、2003年同研究所助教授(2007年から准教授)、2008年同研究所教授。東京女子医科大学で「温度応答性培養皿」を岡野光夫らとともに開発し、培養細胞をバラバラにすることなくシートとして回収することで、細胞表層のタンパク質や細胞自身が産生した細胞外マトリックスを損傷させることなく、生体組織に速やかに付着できる方法の開発に成功した。iPS細胞、ES細胞、体性幹細胞の様々な幹細胞ソースと組み合わせが可能であり、自己細胞を使った再生角膜による治療法、早期食道癌の術後狭窄予防などの臨床研究が進められている。2006年より経済産業省技術戦略マップ再生医療分野作成委員会委員、2009年より同委員長。厚生労働省自己由来ヒト細胞・組織加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針、他家指針検討委員会委員、再生医療における制度的枠組みに関する検討会委員、再生医療における制度的枠組みに関する検討会 委員、グローバルCOEプログラム「再生医療本格化のための集学的教育研究拠点」拠点リーダー。各種活動を通じ、再生医療における日本の将来を案じていた。2014年2月5日に脳出血で倒れ、入院・長期療養を余儀なくされる。以前から岡野光夫の定年に伴い先端生命医科学研究所の所長に就任する予定であり、別に所長代行を設ける形で大和は4月1日付けで所長に就任。8月に一部職場復帰したものの、その後も所長代行が必要な状態になる。2016年現在は清水達也が所長を務め、大和は一教授の立場にある神道国際学会会長にして旭日中綬章受章者の栗本慎一郎とは関連が深く、栗本が監修する経済人類学の入門書『経済人類学を学ぶ』を文化功労者の山口昌男らと大和が共著したことがある。2013年11月には、ラジオ日本が放送する「栗本慎一郎の社会と健康を語る」に大和も出演した。また、ラジオ日本の『時事対談 栗本慎一郎と川嶋朗の統合医療』という番組(2014年4月5日放送分)では、自分の弟子である東京女子医大教授(大和)がSTAP細胞論文共著者であることに触れつつ、STAP細胞研究を擁護し、理研における小保方晴子の上司が態度を豹変させたことを批判した。思想や哲学について雑誌への寄稿で論じており、自らの立場を「栗本学派」と呼んでいる。また、『現代思想』誌上での連載が終了したばかりの栗本慎一郎の『意味と生命』に対し、「はたしてどれだけの者がついていけたのか不安にならざるをえない恐るべき孤高の連載」「いままで現代思想で許されてきた範囲を突き抜ける、とんでもないものであった」などと、きわめて高い評価を与えていた。マイケル・ポランニーについての論考では、高校の化学の教科書のかなりの部分がポランニーの業績に依拠して書かれるようになっているのにもかかわらず、科学史に彼の名があまり出てこないことに対して「政治的配慮か」と揶揄している。栗本慎一郎編集の『経済人類学を学ぶ』において、阿部謹也、山口昌男らとの共著で第8章『マイケル・ポランニーの生命論』と第12章『実在、階層、発見、そして社会』を執筆。前者は自然科学サイドからのゲスト的なスタンスであるが、後者では、マイケル・ポランニーだけでなく兄のカール・ポランニーにも言及するなど、かなり社会科学的な領域へ突っ込んだ考察が見られる。また、後者では、大学の社会学科の設立とその内実への批判がなされている。社会科学およびそれを学ぶ大学の学科への強い関心が示されているということである。STAP細胞の論文を発表した小保方晴子の学生時代の指導教員である。早稲田大学と東京女子医科大学の連携制度の元、大和は小保方の修士課程時代から細胞シートの研究を指導。博士課程における小保方のハーバード留学を仲介し、一連の研究の共著者であり、博士論文でも副査を務めた(詳細は「胞子様細胞」や「早稲田大学博士論文不正問題」を参照)。この研究は2010年頃に大和とチャールズ・バカンティが独立に「刺激で細胞が初期化する」という着想を持ち、小保方の実験により確信に至った。STAP研究の特許や論文には、大和も共同発明者や共著者として名を連ねている。月刊『新潮45』のSTAP細胞研究関連の連載記事において、ノンフィクション作家の小畑峰太郎が大和について多く言及した。なお、早稲田大学の論文不正調査委員会が行った調査においては、大和に対して不正に関する聴取は検討されたものの、実施されなかった。(大和が発明者に含まれる特許のみ、共同発明者の記載は省く。なお、カッコ内の記述は、日付が登録日、会社・人物名が特許権者を示す。)(科学研究費補助金 研究代表者)(規模の大きい科研費の研究分担者)【目次へ移動する】(取材・報道など)(講演動画)
出典:wikipedia
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